文字サイズ

特定健診は5割、特定保健指導は2割の実施率。対象者は必ず受け、健康維持を

特定健診は5割、特定保健指導は2割の実施率。対象者は必ず受け、健康維持を

実施率は毎年少しずつ上昇傾向にあるものの、国の目標には遠く及ばず

現在、40~74歳以下の被保険者・被扶養者を対象に実施されている「特定健康診査(特定健診)」。これは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防と改善を主な目的として2008年4月から開始された健診です。また、受診後「特定保健指導」の該当者になった場合には、保健師・栄養士などの専門家から、生活習慣改善のための具体的なアドバイスを受けることができます。

厚生労働省が先月(2019年3月)に公表した「2017年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況」によると、特定健診対象者は、国全体で約5,388万人いました。しかし、そのうち受診した人は2,858万人と、およそ半数しか受けていません(実施率53.1%)。前年2016年度比では約100万人増、1.7ポイント上昇しており、開始当初の2008年度実施率(38.9%)からみると大幅に向上していますが、国の特定健診実施率目標である「70%」にはまだ遠い状況です。

また、特定保健指導の対象者は約492万人で、そのうち終了した人は約96万人と、実施率はわずか19.5%です。こちらも徐々に向上はしているものの、目標とする「45%」からはかけ離れています。厚生労働省は、さらなる実施率向上に向けた取り組みが必要であるとしています。

保険者別でみると、実施率に大きな差がある。インセンティブ制度も影響

同資料では、市町村国保、国保組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)、船員保険、健保組合、共済組合といった保険者別にも実施率を公表しています。それによると、共済組合では77.9%、健保組合では77.3%と全体平均を大きく上回っているのに対し、協会けんぽは49.3%となっています。さらに、対象者の一番多い市町村国保では37.2%と、保険者によって大きな差があり、この構造は以前から続いています。

一方、特定保健指導の実施率は市町村国保(25.6%)、共済組合(25.5%)、健保組合(21.4%)で平均よりも高くなっていましたが、協会けんぽは13.2%。さらに、国保組合(9.3%)と船員保険(6.8%)では、1割に満たない結果でした。

特定健診の実施率が健保組合と共済組合で高くなっている背景には、2017年度の実施率に基づいて2018年度の後期高齢者支援金が加算あるいは減算される「インセンティブ制度」がかかわっていると考えられます。

協会けんぽでも、2018年度から、特定健診・特定保健指導の実施率のほか「要治療者の医療機関受診割合」「後発医薬品(ジェネリック医薬品)使用割合」などの評価指標に基づいて全支部をランキング付けし、上位23支部には報奨金を付与することで保険料率を引き下げる制度が試行実施されています(全国健康保険協会「インセンティブ制度」 参照)。

特定健診は年に一度、自分の体と生活習慣をチェックするチャンス!

年一回の特定健診は、初期症状の少ない生活習慣病をはじめとして、体の異常を早めに発見し、治療につなげる貴重な機会です。また、今は健康な人も、自分の体の経年変化を確認し生活習慣改善に取り組むことで、将来の病気を予防できる可能性があります。

しかし、かねてから、被保険者よりも被扶養者(家庭の主婦など)の特定健診・保健指導実施率が大幅に低いことが問題視されています。被扶養者であっても、市町村国保、協会けんぽ、健保組合などから配布される健診受診案内をチェックして必ず受け、自分の健康を守りましょう。