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メタボや肥満のある人は特にCKDに注意! すぐに生活習慣の改善を

メタボや肥満のある人は特にCKDに注意! すぐに生活習慣の改善を

 CKD(慢性腎臓病)は、運動不足・偏食による肥満や喫煙など、不適切な生活習慣によって起こりやすい病気です。ほかの生活習慣病がある人やメタボの人は、さらにリスクが高まります。それらの相互作用により、脳卒中や心臓病を引き起こしやすく、命にかかわるおそれも……。健康診断や持病の治療を欠かさず、生活習慣の見直しと改善を心がけましょう。

CKDは、ほかの生活習慣病と密接にかかわっている

CKD(慢性腎臓病)は「生活習慣病」の一つですが、その発症にはほかの生活習慣病が深くかかわっています。なかでも糖尿病と高血圧症は、CKDを引き起こす大きな要因となります。腎臓は血管の塊のような臓器であることから、それらの病気によって血管に負担がかかり、徐々に腎機能が低下していってしまうのです。

糖尿病が進んで糸球体(しきゅうたい、「肝“腎”な臓器、腎臓のしくみ」参照)に高い圧力がかかると、糖尿病の3大合併症の1つ「糖尿病性腎症」につながります。また、高血圧により腎臓の血管に動脈硬化が起こると、「腎硬化症」を引き起こします。

それ以外にも、脂質異常症、高尿酸血症、メタボ(メタボリックシンドローム、内臓脂肪症候群)、肥満の人もCKDを発症しやすくなります。加齢も大きく影響するため、高齢者でこれらに当てはまる人は、さらに注意が必要です。

正しい食生活や運動、禁煙、適正飲酒など、生活習慣の見直しと改善を

高血圧症や糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、メタボなどは、動脈硬化を進行させ、命にかかわる脳卒中や心臓病につながります。CKD自体もそれらのリスクを高めるため、一層危険な状態になります。CKDが進行した患者さんでは、透析療法に移行する前に、脳卒中や心臓病で命を落とすことも少なくありません。

それらの病気のある人は、きちんと治療や指導を受けるとともに、生活習慣を改善し、CKDの発症を予防しましょう。毎年欠かさず、特定健康診査などの健康診断を受けることも大切です。

また、生活習慣病のない人も、早期発見のために健診を受け、次のようなポイントを中心に、適切な生活習慣を心がけましょう。

【CKDを防ぐ生活習慣】※主治医や保健師などから指導を受けている人は、その指示に従ってください

  • 栄養バランスのととのった食生活
    主食・主菜・副菜を組み合わせた、栄養バランスのよい食事をとりましょう。血圧上昇を防ぐために、減塩(食塩摂取量の目安:男性8g未満、女性7g未満)も心がけましょう。肥満の人は、摂取エネルギー量の見直しや、脂質・炭水化物のとりすぎを防ぐことも重要です。
  • 運動不足の解消
    運動不足もCKDのリスクとなります。ウオーキングやジョギング、筋トレなどを習慣的に行うことが理想的ですが、運動習慣のない人は、日常生活で歩数を増やしたり、座っている時間を減らしたり、きびきびと家事をこなすといったところから始めましょう。
  • 禁煙
    喫煙はあらゆる生活習慣病にかかわっていますが、CKDも例外ではありません。たばこを吸っている人は、今すぐにでも禁煙しましょう。
  • 適正飲酒
    過度の飲酒もCKDの悪化の後押しをします。飲酒習慣のある人は、適正飲酒を心がけましょう(「お酒の適量と飲み方を知って、楽しく健康に」参照)。

なお、糖尿病性腎症については、9月配信予定の当コーナー第6回で詳しく解説します。高血糖の人や糖尿病の人は、そちらも参考にしてください。

協会けんぽ(全国健康保険協会)東京支部では、腎臓の機能低下が疑われる方に対し、受診勧奨のお知らせをお送りしています。詳しくは、東京支部のホームページの「慢性腎臓病(CKD)予防対策を行っています」をご参照ください。

岡田浩一 先生

監修者 岡田浩一 先生 (埼玉医科大学腎臓内科教授)
1987年慶應義塾大学医学部卒業、91年慶應義塾大学医学部内科腎臓・内分泌・代謝科助手、93年米国ペンシルバニア大学内科腎・電解質部門留学、96年埼玉医科大学腎臓内科専任講師、2004年埼玉医科大学腎臓内科助教授、07年同大学腎臓内科准教授などを経て、13年より埼玉医科大学腎臓内科・総合診療内科(兼担)教授。