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健康経営による企業ブランドの確立

健康経営による企業ブランドの確立

企業のイメージをさらによくしたい、新たな面からアピールしたい、求人の際に優秀な人材にたくさんきてほしい……。そう考えたときこそ、「健康経営®」を始めましょう。労働生産性の向上による企業価値アップ、人手不足への対応など、健康経営はあなたの企業にさまざまな面で追い風をもたらします。

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。

就活生や取引先の企業選びのカギは、「健康経営」が握っている!?

経済産業省は、東京証券取引所との共同で、健康経営に戦略的に取り組んでいる上場企業を「健康経営銘柄」として選定し、公表しています。選定企業からは、選定後の反響として「メディア露出の機会が増えた」「就活生が大幅に増え、内定後の辞退率も減った」「取引先やその他の企業から高く評価してもらえた」などの声が多数挙がっていることがわかっています。*1

「うちは中小企業だから……」と二の足を踏む向きもあるでしょう。しかし、中小企業であっても、協会けんぽや健保連都道府県連合会が実施する「健康企業宣言」、あるいは日本健康会議が認定する「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」といった認定制度があり、これらに認められることは世間への大きなアピールにつながります。なお、健康経営優良法人(中小規模法人部門については、来年度(2021年度)から上位500社を「ブライト500」として表彰することになりました。中小企業において、さらにグレードアップした企業価値の創造につながることが見込まれます。

2016年の経済産業省の調査によると、就活生とその親へのアンケートでは、「健康経営が就職の決め手となるか」との設問に就活生の75%以上が「最も重要な決め手」あるいは「重要な決め手」と答えています。また、経済産業省の別の調査で企業に「製品・サービスの購入や業務を発注する際に、取引先の労働衛生や従業員の健康の状況を把握・考慮しているか」を尋ねたところ、3割が「把握・考慮している」と答えていました(図の左グラフ)。さらに2016年度の内訳をみると、健康経営銘柄企業では9割以上が「把握・考慮している」と答えていることにも注目です(図の右グラフ)。

平成28年度健康経営度調査の概要 <取引先に対する把握・考慮>*2

*1 出典:経済産業省ヘルスケア産業課「健康経営の推進について」(2020年4月)
*2 出典:経済産業省商務情報政策局「第13回健康投資WG」資料

将来への投資として、今こそ健康経営を!

経営資源は「ヒト、モノ、カネ、情報」といわれますが、「ヒト」から健康は切り離せません。少子高齢化による人手不足が進んでいくなかで、より優秀な人材に高いモチベーションを維持して働いてもらうことは、将来への投資につながります。

また、今年(2020年)は新型コロナウイルス感染症の流行を受け、ますます世間の健康意識が高まっています。従業員の健康、さらには従業員の家族の健康や生活の安定をも重視する企業づくりが必要です。

協会けんぽ東京支部に加入している企業であれば、健康企業宣言に取り組むことで、貸付金利優遇や信用保証料の割引、ロゴマークの提供などのインセンティブも活用することができます(詳しくは、協会けんぽ東京支部の健康企業宣言のページ 参照)。

健康経営で、あなたの職場を変えていきませんか?

岡田浩一 先生

監修者 岡田邦夫 先生 (特定非営利活動法人 健康経営研究会 理事長)
1951年大阪市立大学医学部卒業、1982年大阪ガス株式会社産業医、2006年特定非営利活動法人健康経営研究会理事長、2007年大阪経済大学人間科学部客員教授、2010年大阪市立大学医学部臨床教授、2014年プール学院大学教育学部教授、2018年大阪成蹊大学教育学部教授を歴任、2017年より女子栄養大学大学院客員教授。日本産業衛生学会指導医、労働衛生コンサルタント。著書に『安全配慮義務』(産業医学振興財団)、『健康経営推進ガイドブック』(経団連出版)、共著に『なぜ「健康経営」で会社が変わるのか』(法研)などがある。