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日常活動量アップエクササイズ 手すり編

日常活動量アップエクササイズ 手すり編

在宅勤務の増加などにより、運動不足に悩む人が増えています。健康経営を考えるうえで、従業員の運動不足対策は急務の課題です。

当コーナーでは全5回にわたり、日常生活の中で簡単に行える「日常活動量アップエクササイズ」をご紹介しています。

今回取り上げるのは、会社や家にある手すりなどでサクッと行えるストレッチです。休憩時間などのスキマ時間に行うことで、腰痛軽減や肩こり、背中の張りの解消に効果的です。手すりがない場合は、しっかり固定されていて、手を引っかけられる、ドアノブや台所のシンクなどでも行えます。

腰と肩甲骨(けんこうこつ)周りのストレッチ

  1. 肩よりも低い位置の手すりに向かい、両手で手すりをつかみます。ひざは適度に曲げます。
  2. 肩に力を入れないように意識して、腰を丸めます。
  3. 腰から背中を丸めたまま、背中全体を後ろに押し出すようにすると、腰から肩甲骨周りの筋肉が伸ばされます。
  4. 痛みを感じない程度に伸ばしたまま30秒程度その姿勢を維持します。3セットほど行います。

●効果
立っているだけで腰が痛くなるのは、無意識に腰をそらすような力が入っているため。腰の筋肉を常にリラックスさせておくことで、腰痛の根本的な原因が解決できます。

肩と肩甲骨周りのストレッチ

  1. 肩よりも低い位置の手すりなど(イラストはシンクの縁)に向かい、左手で可能な限り右側の位置で手すりをつかみます。ひざは適度に曲げます。
  2. 肩に力を入れないように注意しながら、手すりなどをつかんだまま、体を左に押し出すように平行移動させます。
  3. 背中を丸め、左の肩甲骨をさらに左に突き出すようにすると、左の肩甲骨周りの筋肉が伸ばされます。
  4. 痛みを感じない程度に伸ばしたまま30秒程度その姿勢を維持します。反対も同様に、交互に3セットほど行います。

●効果
肩甲骨が引き上げられた姿勢や、寄せたままの姿勢を長時間維持していると、肩がこりやすくなります。肩と肩甲骨周りのストレッチは背中の緊張をほぐし、肩こりや背中の張りの解消にとても効果的です。

奥原 剛 先生

指導・モデル 清水 忍 先生 ((株)INSTRUCTIONS代表、トレーニングジムIPFヘッドトレーナー、健康運動指導士)
1967年、群馬県生まれ。大手フィットネスクラブ勤務後、スポーツトレーナー養成学校講師を経て独立。「根拠」「理解」「動機」の全てを満たした指導にはスポーツ業界関係者からも信頼が厚く、メジャーリーガー・菊池雄星投手らプロアスリートのパーソナルトレーナーとして絶大な人気を誇る。また、2016年より若手トレーナーのレベルアップを目指すゼミ「清水塾」を主宰するなど、後進の育成にも力を注いでいる。テレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。著書に『ロジカル筋トレ 超合理的に体を変える』(幻冬舎新書)ほか監修多数。全米スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)、NESTA JAPANエリアマネージャー。