文字サイズ

問診票がやってきた-セルフチェックを生活習慣改善のスタートに

食事を減らしているのに太る……栄養不足のせいかもしれません

40歳の誕生日を目前に控えた、主婦の協子さん。特定健康診査(メタボ健診)の対象者となり、「問診票」が送られてきました。 22の質問項目がありますが、その一つひとつが、生活習慣病の判定にとても重要となってきます。それぞれ、何をチェックするためのものなのか、どんな意味をもつのか、協子さんと一緒に確認していきましょう。

生活習慣病のリスクはどうなっているか、などをチェック

いわゆるメタボ健診は、内臓脂肪がたまる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」を見つけて改善することで、生活習慣病、ひいては心筋梗塞や脳卒中を予防することを目的に行われます。  受診時は、必ず次のような問診票の記入が求められます。これは、受診者の生活習慣病のリスクはどうなっているのか、特定保健指導ではどのような情報提供が必要なのか、などを判定するための質問票です。  なお、ここで紹介している問診票は一例で、健診機関などによって細かい内容は異なります。また、受診当日に健診機関にて記入する場合もあります。

1~3 現在、aからcの薬の使用の有無  
  1 a.血圧を下げる薬 ①はい
②いいえ
2 b.インスリン注射または血糖を下げる薬 ①はい
②いいえ
3 c.コレステロールを下げる薬 ①はい
②いいえ
4 医師から、脳卒中(脳出血、脳梗塞など)にかかっているといわれたり、治療を受けたことがありますか。 ①はい
②いいえ
5 医師から、心臓病(狭心症、心筋梗塞など)にかかっているといわれたり、治療を受けたことがありますか。 ①はい
②いいえ
6 医師から、慢性の腎不全にかかっているといわれたり、治療(人工透析)を受けたことがありますか。 ①はい
②いいえ
7 医師から、貧血といわれたことがある。 ①はい
②いいえ
8 現在、たばこを習慣的に吸っている。 (※「現在、習慣的に喫煙している者」とは、「合計100本以上、または6カ月以上吸っている者」であり、最近1カ月間も吸っている者) ①はい
②いいえ
9 20歳の時の体重から10kg以上増加している。 ①はい
②いいえ
10 1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施している。 ①はい
②いいえ
11 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施している。 ①はい
②いいえ
12 ほぼ同じ年齢の同性と比較して、歩く速度が速い。 ①はい
②いいえ
13 この1年間で体重の増減が±3kg以上あった。 ①はい
②いいえ
14 人と比較して食べる速度が速い。 ①速い
②普通
③遅い
15 就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある。 ①はい
②いいえ
16 夕食後に間食(3食以外の夜食)をとることが週に3回以上ある。 ①はい
②いいえ
17 朝食を抜くことが週に3回以上ある。 ①はい
②いいえ
18 お酒(清酒、焼酎、ビール、洋酒など)を飲む頻度 ①毎日
②時々
③ほとんど飲まない(飲めない)
19 飲酒日の1日当たりの飲酒量 清酒1合(180ml)の目安:
ビール中瓶1本(約500ml)、焼酎35度(80ml)、ウイスキーダブル1杯(60ml)、ワイン2杯(240ml)
①1合未満
②1~2合未満
③2~3合未満
④合以上
20 睡眠で休養が十分とれている。 ①はい
②いいえ
21 運動や食生活などの生活習慣を改善してみようと思いますか。 ①改善するつもりはない
②改善するつもりである(おおむね6カ月以内)
③近いうちに(おおむね1カ月以内)改善するつもりであり、少しずつ始めている
④既に改善に取り組んでいる(6カ月未満)
⑤既に改善に取り組んでいる(6カ月以上)
22 生活習慣の改善について保健指導を受ける機会があれば、利用しますか。 ①はい
②いいえ

 

食事を抜かなくても、単純に食事量を減らしてしまって必要な栄養素が不足すると、かえって体が脂肪をためこむことがあります。食事で摂った糖質や脂質をエネルギーに変えるにはビタミンB群が必要ですが、ビタミンB群は肉や魚、豆類などに多く、これらが不足すると体脂肪が増えやすくなります。

ダイエットのために肉類は敬遠されがちですが、肉類は体に不可欠な必須アミノ酸が豊富な良質のたんぱく源です。それを極端に減らしてしまうと、筋肉が減って基礎代謝が低下し、脂肪が燃えにくく太りやすい体になってしまう恐れがあります。

また、必須アミノ酸が不足すると、血管の弾力性がなくなる、肝臓の働きが低下して女性ホルモンのバランスが崩れる、肌が荒れたり髪が傷むなど、体中の健康に影響します。Mさんが貧血気味になったのも、肉類に豊富なたんぱく質と鉄が不足したためと考えられます。

このように間違ったダイエットをすると、体に必要なビタミン、ミネラル、微量元素、必須アミノ酸や必須脂肪酸が欠乏し、かえって太りやすくなるだけでなく、体のあちらこちらに悪影響が及んでしまいます。

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 産業医内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長