文字サイズ

採血は苦手だけど、血液検査は大事よね

血圧測定にドキドキは禁物!

特定健康診査でチェックされる血液検査の項目は?

血液検査で血液中に含まれる成分を調べることで、生活習慣病をはじめとした、さまざまな病気の有無やサインをチェックすることができます。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健康診査では、まずは血糖値や血中脂質の値などを調べます。

以下の基準にあてはまる人は生活習慣を改善する必要があり、特定保健指導や受診勧奨の対象となることがあります。

  検査項目 保健指導判定値 受診勧奨判定値
血糖 空腹時血糖値 100mg/dL以上 126mg/dL以上
HbA1c(NGSP値) 5.6%以上 6.5%以上
脂質 中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dL以上 300mg/dL以上
HDLコレステロール 40mg/dL未満 35mg/dL未満
LDLコレステロール 120mg/dL以上 140mg/dL以上
(厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム・改訂版」より作成)

血糖の状態は?

血糖とは血液に含まれるブドウ糖のことで、細胞が生きていくために必須の栄養素。体を動かすエネルギー源となります。しかし、血糖値が高い状態が続くと、やがて全身の血管が傷ついて、視力や末端神経、腎臓などの機能に重大な障害があらわれます。これが糖尿病です。

【空腹時血糖値】
血糖値は食事をすると上昇し、その後は時間とともに低下します。そのため、健診の日は食事を控えて、空腹の状態で血液検査を受けます。

【HbA1c(NGSP値)】
HbA1cは血液中のヘモグロビン(赤血球の色素成分)とブドウ糖が結合している割合を示し、過去1~2カ月間の血糖値の平均的な状態を示します。血糖値は食事や運動によって変化しますが、HbA1cは安定しているので、直前に対策しても下がりません。

特定健康診査では、空腹時血糖かHbA1cのどちらかを行うことになっていますが、両方の検査が行われる場合もあります。

血中脂質の状態は?

脂質もエネルギー源として重要ですが、肝臓から全身へ運ばれる脂質が多すぎると、動脈硬化の原因となります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす危険が高まります。

【中性脂肪】
食事から糖や脂肪、余分なたんぱく質は中性脂肪に変換され、飢餓に備えて皮下脂肪に保管されます。過剰になると内臓脂肪の蓄積や動脈硬化の原因になります。

【HDLコレステロール】
血管内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあるため、「善玉コレステロール」とも呼ばれています。喫煙や運動不足で低下します。少なすぎると、動脈硬化の原因になります。

【LDLコレステロール】
コレステロールを全身に運ぶ働きがあります。増え過ぎると動脈硬化の原因になります。そのため、「悪玉コレステロール」とも呼ばれます。

また、特定健康診査の血液検査では、協子さんのようにお酒をあまり飲まない人でも気にしておきたい肝機能や、必要に応じて貧血の有無などがわかる血液の成分も調べます。 これらについては、次回(「血液検査では肝機能の低下や、場合により貧血もチェック」)で解説します。

津下 一代 先生

監修者 津下 一代 先生 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長兼 あいち介護予防支援センター センター長)
昭和58年名古屋大学医学部医学科卒業後、国立名古屋病院内科(内分泌代謝科)、名古屋大学第一内科での臨床・研究活動を経て、平成4年愛知県総合保健センターに勤務。12年あいち健康の森健康科学総合センター、22年より同あいち介護予防支援センター センター長兼務、23年より現職。
厚生労働省における「健康日本21」、「健診・保健指導プログラム」の各委員会や日本健康会議に携わる。