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紙コップを持って、いざ尿検査へ!

血圧測定にドキドキは禁物!

尿たんぱくは腎臓障害のバロメーター

通常は尿たんぱくは陰性(-)ですが、たんぱくが多く排泄されると陽性(+)になります。尿路感染症や発熱があるときや、健康な人でも運動後などに尿たんぱくが陽性になることがありますが、これらは一時的なものです。しかし、尿たんぱくが常に陽性の人や量が徐々に増えている人は、CKD(慢性腎臓病)が疑われます。分子量が大きいたんぱくが漏れ出すほどに、腎臓がこわれ始めているのかもしれません。

CKDとは、糖尿病性腎症やネフローゼ症候群、糸球体腎炎などの病気によって、慢性的に腎機能が低下している状態をいいます。進行すると人工透析が必要になるため、早期発見につながる尿たんぱくの検査は重要です。

判定 対応
陰性(-) 対応なし
弱陽性(±) 医療機関を受診して再検査を
陽性(+~3+) すぐに医療機関を受診
※尿中のたんぱくの量が多くなるほど、+の数が多くなります。

血糖値が高いと尿糖にも異常があらわれやすい

健康な人では尿にはほとんど糖が含まれず、検査結果は陰性(-)になります。通常、血糖値が160㎎/dlを超えてくると尿中に糖が漏れ出し、陽性(+)になります。
血糖値が高いほど尿糖が出やすくなりますが、必ずしも「陽性=糖尿病」というわけではありません。体質によっては血糖値に異常がなくても尿糖が出る場合があります。妊娠や膵炎、肝臓病、腎臓病、甲状腺疾患などでも尿糖が陽性になることがあります。また、服用中の糖尿病の薬の種類によっては、尿糖が多く出る場合もあります。

判定 対応
陰性(-) 対応なし
弱陽性(±) 医療機関を受診して再検査を
陽性(+~3+) すぐに医療機関を受診
※尿中の糖の量が多くなるほど、+の数が多くなります。

なお、女性の場合、月経による出血が尿検査の結果に影響します。月経中の人は、検査前に係の人に申し出るようにしましょう。

津下 一代 先生

監修者 津下 一代 先生 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長兼 あいち介護予防支援センター センター長)
昭和58年名古屋大学医学部医学科卒業後、国立名古屋病院内科(内分泌代謝科)、名古屋大学第一内科での臨床・研究活動を経て、平成4年愛知県総合保健センターに勤務。12年あいち健康の森健康科学総合センター、22年より同あいち介護予防支援センター センター長兼務、23年より現職。
厚生労働省における「健康日本21」、「健診・保健指導プログラム」の各委員会や日本健康会議に携わる。