ついに届いた健診結果―「異常なし」でも毎年受診を
主婦の協子さん(40歳)が、初めての特定健康診査(メタボ健診)やがん検診を受けてから2週間がたちました。そろそろ自宅に健診結果が郵送されてくるころです。
メタボリックシンドロームの判定や保健指導レベルなどが示される
久しぶりに健診を受けた協子さんは、結果が気になってしかたがありません。今日もそわそわしながら郵便ポストを覗いたところ、ついに待望の封筒が届いていました。
「ついに来たわ! 私の健診結果が!」
急いで部屋に戻って封筒を開封すると、どきどきしながら結果がプリントされた用紙を広げます。
「メタボリックシンドローム判定は『非該当』、特定健診判定も『異常なし』ね! よかったわ」
特定健康診査の結果は、次のように判定されます。
【メタボリックシンドローム判定】
●基準該当…メタボリックシンドロームと判定されます。腹囲に加え、血圧・血糖・脂質のうち2つ以上の項目に該当する人。
●予備群該当…メタボリックシンドロームの予備群と判定されます。腹囲に加え、血圧・血糖・脂質のうち1つ以上の項目に該当する人。
●非該当…メタボリックシンドロームではありません。上記に条件に該当しない人。
【特定健診判定】
●受診勧奨…検査値がかなり悪く、医療機関を受診する必要があります。医療機関では精密検査を実施するなどして診断を確定、治療方針を決めていきます。すぐに薬による治療が始まるとは限りません。
●特定保健指導…やや悪い検査値がありますが、内臓脂肪を減らすことで検査値の改善が期待できます。専門家の指導のもとで生活習慣の改善に努める必要があります。
●異常なし…検査値に問題はありません。
※原則として、高血圧症、糖尿病、脂質異常症の薬を服用している人は、特定保健指導の対象外になります。
【保健指導レベル】
●積極的支援…複数のリスクが重なっている人に行われます。健診結果をもとに行動目標を設定し、内臓脂肪の改善に取り組みます。目標達成への取り組みが継続的にできるように、専門家が積極的にサポートします。
●動機付け支援…リスクが出始めた人に行われます。健診結果から生活習慣改善の必要性を理解し、専門家のサポートのもとで改善目標を設定して達成に努めます。
●情報提供…受診者全員に行われます。健診結果をもとに、生活習慣の見直しや改善に必要な情報を提供します。
ほかの検査項目の判定もきちんと確認を
続けて各検査の結果を確認していきますが、うれしいことにすべて異常なしでした。とても気になっていたがん検診の結果も問題なく、ようやくホッとしました。
「ひとまず、異常なしで安心したわ。特定健診を受けて自分の注意点がわかったし、アドバイスももらえたから、来年もよい結果が続くように、気を引き締めなくちゃ!」
がん検診の場合、種類によって形式が異なりますが、検査結果や検査所見とともに総合的な判定が示されます。また、補足コメントや指導内容なども記載されています。
結果が「陽性」または「異常あり」で、「精密検査の必要あり」と判定された場合は、必ず医療機関で検査を受けてください。例えば、大腸がんの便潜血検査で「出血あり」の判定を受けても、「痔かもしれない」と精密検査をパスしてしまう人がいて、大変危険です。早期発見すれば助かることの多い大腸がんですが、放置する人が多いために、女性のがん死亡の第一位となっています。
また、「経過観察」は今すぐ悪いと判定できないものの、正常とはいえない変化がみられる場合につけられます。今後の経過をみることで病気の有無や対応を検討する必要がある項目です。特に指定がなければ来年度の健診で、もし「3カ月後再検査」となっていれば、その時期にもう一度確認のための検査を行うことが推奨されます。