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脂質異常症の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

脂質異常症の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

 当コーナーでは、ジェネリック医薬品に替えるとどれだけ節約できるのかを、毎月さまざまな病気ごとにご案内しています。第4回目の今回は、脂質異常症の薬について取り上げます。また、ジェネリック医薬品への変更が不安な人向けに、処方された薬を全部切り替えずに最初の短期間分だけ切り替えることのできる「お試し調剤」についても解説します。

慢性疾患の薬をジェネリックに切り替えるときは、「お試し調剤」がおすすめ

「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、従来の「新薬(先発医薬品)」と同等の効果や品質をもちながら、価格が新薬の約2~8割、平均約半額というオトクな薬です。

生活習慣病など、慢性疾患があって長期に服用している薬がある患者さんなら、一層オトクだということは第1回の「高血圧症の薬」、第2回の「糖尿病の薬」の記事でもご紹介しました。今回は、同様に脂質異常症の薬について、どれだけオトクになるのかを見ていきます。とはいえ、いつも1カ月分などまとめて処方されている薬を、いきなり全部ジェネリック医薬品に切り替えるのはちょっと…という人には、記事末尾のコラムで紹介している、「お試し調剤」がおすすめです。

【脂質異常症の薬の一例】

●HMG-CoA還元酵素阻害薬
一般名:ピタバスタチンカルシウム(1mg錠を1日1回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬リバロ 1日分50円×365日=18,250円 5,480円
ジェネリックピタバスタチンCa 1日分20円×365日=17,300円 2,190円

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一般名:ロスバスタチンカルシウム(5mg錠を1日1回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬クレストール 1日分110円×365日=40,150円 12,050円
ジェネリックロバスタチン 1日分40円×365日=14,600円 4,380円

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●フィブラート系薬剤
一般名:ベザフィブラート(200mg錠を1日2回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬ベザトールSR 1日分50円×365日=18,250円 5,480円
ジェネリックベザフィブラートSR 1日分20円×365日=7,300円 2,190円

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●EPA製剤
一般名:イコサペント酸エチル(900mg包を1日2回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬エパデールS 1日分190円×365日=69,350円 20,810円
ジェネリックイコサペント酸エチル 1日分80円×365日=29,200円 8,760円

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※上記の薬価(薬代)は2018年7月1日現在のものです。
※ここで紹介する薬剤名および用量、薬価は一例です。また、同じ有効成分のジェネリック医薬品でも、メーカーによって価格は異なります。なお、薬価は点数に「五捨五超入」という特別の計算ルールがあります。また、自己負担分は四捨五入され10円単位での支払いになります。
※上記は薬価のみを計算したものであり、実際に支払う医療費には、調剤基本料や薬剤管理指導料、薬剤情報提供料などが含まれます。

コラムジェネリック医薬品は「お試し」もできる

●最初の短期間分だけ変更して試し、後日、問題がなければ残りも変更すれば安心

ジェネリック医薬品への切り替えに不安がある場合などは、調剤薬局で「お試し調剤でお願いします」と伝えてみましょう。これは、最初に1週間程度、ジェネリック医薬品を使ってみて問題がなければ、残りの日数分を調剤してもらうというように、1回に処方された薬を2回に分けて受け取れる制度(分割調剤)です。万が一、お試し期間に体調や効き目に違和感などがあったときは、残りの日数分を以前使っていた新薬に戻すことも可能です。なお、2回目に調剤してもらう際は「後発医薬品分割調剤料」がかかります(3割負担で15円程度)。

分割調剤は、薬剤師の判断で行われるものがありますが、2018年4月から、医師の判断で分割を指示できるように処方せんの形式も変更になっています。

堀 美智子 先生

監修者 堀 美智子 先生 (薬剤師、医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者)
1977年名城大学薬学専攻科修了。同年4月より同大学薬学部医薬情報室、1980より帝京大学薬学部医薬情報室での勤務を経て、1998年に医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー設立に参加。東京都八王子市にて薬局を運営する傍ら、各種データベースの作成や書籍・ラジオ等での医薬品に対する正しい情報の啓発に携わる。日本薬業研修センター 医薬研究所所長、武庫川女子大学薬学部非常勤講師、名城大学薬学部非常勤講師等も兼務。