花粉症の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!
当コーナーでは、ジェネリック医薬品に替えるとどれだけ節約できるのかを、毎月さまざまな病気ごとにご案内しています。第10回目の今回は、花粉症の薬について取り上げます。また、巻末のコラムでは、ジェネリック医薬品に限らず薬の服用時に気をつけたい、飲食物との「のみ合わせ」について解説します。
花粉飛散期間中、抗アレルギー薬や点鼻薬・点眼薬などを用いる
花粉症はアレルギー疾患の一つで、スギ花粉などのアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に免疫機能が反応して、くしゃみや鼻炎、目のかゆみなどが起こるものです。
花粉をできるだけ除去するセルフケアとともに、アレルギーを抑える薬を中心として症状の発生や改善を図ります。一般的には、飛散開始日から「第2世代抗ヒスタミン薬」「抗ロイコトリエン薬」「ステロイドの点鼻薬」などを使用します。毎年悩まされている人は、飛散予測日の1~2週間ほど前から「第2世代抗ヒスタミン薬」や「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」「ステロイドの点鼻薬」を使用すると症状が軽くなることが知られています。
花粉飛散期間中は、これらの薬を使い続けることが多いため、特に毎年花粉症の薬物療法を行っている人はぜひ、「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」への切り替えを検討しましょう。ジェネリック医薬品は、価格が「新薬(先発医薬品)」の約2~8割、平均約半額と安価ながら、効果や品質は新薬と同等という、とてもオトクな薬です。また、花粉症の薬はスイッチOTC化が推進され、市販薬も充実してきています(「体調管理には市販薬も上手に使おう」参照)。
なお、近年、特にそれらの薬物療法ではあまり効果の見られない患者さんなどに対し、アレルゲンエキスを服用することでアレルゲンへの過敏性を減少させる「アレルゲン免疫療法」という治療法も行われるようになっています。ただし、2019年1月現在まだジェネリック医薬品が発売されていないため、今後の開発が待たれます。
●花粉症の薬の種類
- ケミカルメディエーター遊離抑制薬
- 第一世代の抗ヒスタミン薬:抗ヒスタミン作用、主としてくしゃみ・鼻水に効く
- 第二世代の抗ヒスタミン薬:抗ヒスタミン作用のほか、ケミカルメディエーター遊離阻害作用などもあわせもつ。主としてくしゃみ・鼻水に効くが、鼻づまりにも効果を示す。
- 抗ロイコトリエン薬:主として鼻づまりに効く
- 抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬:主として鼻づまりに効く
- Th2サイトカイン阻害薬:Tリンパ球に働き花粉症などのアレルギー症状を抑制する
- ステロイド薬:アレルギー症状を全般的に抑制する
- 血管収縮薬:鼻づまりに効く
【花粉症の薬の一例】
●第2世代抗ヒスタミン薬
一般名:フェキソフェナジン塩酸塩(60mg錠を1錠ずつ1日2回、1カ月間服用した場合)
商品名 | 薬価×日数 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|---|
新薬アレグラ | 1日分110円×30日=3,300円 | 990円 |
ジェネリックフェキソフェナジン塩酸塩 | 1日分50円×30日=1,500円 | 450円 |
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●ケミカルメディエーター遊離抑制薬
一般名:ペミロラストカリウム(5mg錠を1錠ずつ1日2回、1カ月間服用した場合)
商品名 | 薬価×日数 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|---|
新薬アレギサール | 1日分90円×30日=2,700円 | 810円 |
ジェネリックペミロラストK | 1日分30円×30日=900円 | 270円 |
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●抗ロイコトリエン薬
一般名:プランルカスト水和物(112.5mgカプセルを2つずつ1日2回、1カ月間使用した場合)
商品名 | 薬価×日数 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|---|
新薬オノン | 1日分200円×30日=6,000円 | 1,800円 |
ジェネリックプランルカスト | 1日分100円×30日=3,000円 | 900円 |
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●鼻噴霧用ステロイド薬
一般名:フルチカゾンプロピオン酸エステル(4.08mg 8mL 1瓶を使用した場合)
商品名 | 薬価 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|---|
新薬フルナーゼ点鼻液 | 1瓶1,260円 | 380円 |
ジェネリックプロピオン酸フルチカゾン点鼻液 | 1瓶770円 | 230円 |
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●Th2サイトカイン阻害薬
一般名:スプラタストトシル酸塩(100mgカプセルを1つずつ1日3回、1カ月間服用した場合)
商品名 | 薬価×日数 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|---|
新薬アイピーディ | 1日分110円×30日=3,300円 | 990円 |
ジェネリックスプラタストトシル酸塩 | 1日分80円×30日=2,400円 | 720円 |
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●眼科用抗アレルギー薬
一般名:クロモグリク酸ナトリウム(100mg 5mL 1瓶を使用した場合)
商品名 | 薬価 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|---|
新薬インタール点眼液 | 1瓶600円 | 180円 |
ジェネリッククロモグリク酸Na点眼液 | 1瓶150円 | 50円 |
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コラム薬にも“のみ合わせ”“食べ合わせ”の悪いものがある!
●処方時に受けた説明や、薬の説明文書に記載されている注意事項を守ろう
ジェネリック医薬品に限らず一部の薬には、服用中に特定の飲食物を摂取すると、薬の作用が弱まったり逆に強まってしまうものがあります。以下に一例を挙げます。
- 抗凝固薬のワルファリンカリウム:納豆、クロレラを含む青汁など(ビタミンKを多く含む食品)
- 高血圧に使われるカルシウム拮抗薬:グレープフルーツ、グレープフルーツジュース
- SSRI、ベンゾジアゼピン系などの精神神経薬:コーヒーやエナジードリンクなど(カフェインを多く含む飲料)
受診時や処方時には、医師・薬剤師などに服用中の薬やサプリメントを伝えるか、お薬手帳に記載しておき、処方時に提出するようにしましょう。また、上記のような注意が必要な薬を処方される際は、必ず薬剤師から説明を受けたり、薬の説明文書などに記載されていたりしますので、その注意を必ず守りましょう。