救急のときの対処のしかたを再確認しよう
知っておきたい携帯電話から119番するときの注意点
事故や急病などで命にもかかわる状態のとき、そばに居合わせた人の適切な行動により、救命できるケースが増えています。万一、倒れている人を見かけて意識がないようなら、まず救急車を呼び、応急手当を行うのが定石ですが、ここで再確認したいのが救急車の呼び方。できるだけ早く確実に到着してもらうために、「救急」であること、来てほしい住所と目標物、患者の状態などを伝えます。
近年、携帯電話やスマートフォンから通報するケースが増えており、消防署からの指示を聞きながら対応できるので便利な一方、土地勘のない人が通報する必要に迫られることもあります。器種によっては、通報場所を特定することができるものもありますが、すべてではないため、住所がわからないなら、通りの名前や電柱に書かれた地番、確認できる店舗名や建物名などを伝えます。システム上、集約的な消防署から最寄りの消防署に電話を転送することもあるため、あせって通話を切らないようにすることも大切です。
応急手当の基本やAEDの使い方を知っておこう
日本循環器学会では、誰でもできる「コール&プッシュ(コール:救急車を呼んでAEDを手配。プッシュ:胸骨圧迫による心臓マッサージをし、AEDを操作する)」として、応急手当の重要性を訴えています(溺れたなど、人工呼吸がすすめられるケースもあります)。
AED(体外式自動除細動器)は、心室細動といって、心臓が細かく震えて働かなくなった状態に、電気ショックを与えて働きを取り戻す装置です。学校や駅、スポーツ施設、劇場など公的な場所での設置が増えているので、日頃から、身近な設置場所を確認しておきましょう。AEDは電源を入れれば、自動音声にしたがって簡単に操作できますが、応急手当法と一緒に、使い方の講習を受けておくとより安心です。最寄りの消防署や日本赤十字社各支部などで実施されているので、利用するのもよいでしょう。
〈参考〉
日本医師会 救急蘇生法 http://www.med.or.jp/99/
総務省消防庁 生活密着情報 応急処置マニュアルhttp://www.fdma.go.jp/html/life/
一般社団法人日本循環器学会 コール&プッシュ誰でもできる胸骨圧迫+AEDの蘇生法
http://www.j-circ.or.jp/cpr/index.html
救急車を呼ぶべきかどうか迷ったときの相談窓口もある
症状に緊急性がなくても「便利だから」などと、タクシー代わりに救急車を呼ぶのは控えたいものですが、救急車を呼ぶべきかどうか、迷うこともあるでしょう。そんなときは、都道府県や市区町村などの救急相談窓口に相談するのも一方法です。
とくに、乳幼児のいる家庭や持病のある人がいたり、高齢者がいる場合などは、あらかじめ救急相談窓口の利用方法を把握しておき、家のなかのよく見える場所に連絡先を貼っておくのがおすすめ。子どもの場合は、各都道府県で小児救急医療電話相談事業として小児科医師・看護師が応じてくれる電話相談を行っています。
- 救急相談センター(東京都の場合) #7119
(ダイヤル回線電話やつながらない地域からは
23区:03-3212-2323/多摩地区:042-521-2323) - 小児救急医療電話相談事業 #8000