肩こりや首の痛みにも効く! 「ふりふりストレッチ」
肩がこったときに肩を回したり、腰が疲れたときに後ろに反らす動きを自然としている人は多いでしょう。これらの動作を、意識的にリズミカルに行う運動が「ふりふりストレッチ」です。体の一部を振って動かす簡単な動きをするだけで、慢性的な不調や痛みが改善し、「10分多く」体を動かす「+10(プラス・テン)」にも最適です。
一般的なストレッチと筋トレの中間。柔軟性も筋力もアップし、血行もよくなる!
ふりふりストレッチは、文字通り、体の一部を「ふりふり」振って動かすだけの簡単な運動で、筋肉をじっくりと伸ばす一般的なストレッチと、筋肉に負荷をかけて筋力をつける筋力トレーニング(筋トレ)の中間にあたります。
1種類行うのにかかる時間はわずか30秒! にもかかわらず、一般的なストレッチで得られる柔軟性アップ効果と、筋トレで得られる筋力アップ効果に加え、血行をよくする効果も得られます。体中の痛みやだるさに即効性があり、冷えやむくみの改善にもつながります。
楽しく「ふりふり」して、イライラ解消! やる気もアップ!
ふりふりストレッチは、リズミカルな反復運動なので、やってみると不思議と楽しく笑顔になる、というメリットもあります。体の不調が改善することで、イライラの解消にも役立ちます。
また、一般的なストレッチでは副交感神経が活性化して体がリラックスしますが、ふりふりストレッチでは交感神経が活性化するため、やる気が出ます。
起床時や、仕事・家事の合間、気分転換をしたいときなどの「+10(プラス・テン)」に、まさにうってつけ。いつでもどこでもできるので、今すぐチャレンジしてみましょう。

首痛・肩こりを解消する4つの「ふりふりストレッチ」
ここでは、日ごろのスマートフォン操作や長時間のパソコン作業などで不調を感じる人の多い、首や肩のこり・痛みを改善するふりふりストレッチを紹介しましょう。
ふり子のように、反動を利用してリズムカルに楽しく、がポイントです。
【肩の柔軟性をアップ:バンザイふりふり】
①脚を軽く開き、背筋を伸ばして立ちます。
②ひじを大きく横に開いて肩甲骨を寄せ、肩関節を支点として、そこから手を真上に上げます。このとき、腕が耳の横に来るようにし、肩甲骨を引き上げることを意識しましょう。
1~2秒で1往復として、10~20回くり返します。
※体が硬い人は、肩甲骨が寄らなかったり、手が真上にいかなくてもOKです。できるだけ上に上げることを目指しましょう。
※手を真上より前に突き出すと、効果が半減してしまいます。

【肩の柔軟性をアップ:バンザイふりふり】
①脚を軽く開き、背筋を伸ばして立ちます。
②肩関節を支点にして、腕を前後に大きく振ります。このとき、ひじの力を抜いて、手を遠くに放り出すようなイメージで行います。腕を前に放り出し、自然と動きが止まったところで、反動を使って後ろにも大きく振るようにしましょう。
1秒ほどで1往復として、15~20回くり返します。
※体が硬い人は、腕が高く上がらなくてもOKです。反動をうまく使いましょう。

【首・肩のこわばりがとれる:ひじの回転ふりふり】
①脚を軽く開いて、体を安定させます。
②手の指先を肩につけ、肩関節を支点として、ひじで円を描くように片腕を回します(大きな円を描こうとせず、8割程度の力加減で)。
テンポよく後ろに15回、前に15回くり返し、反対側の腕も同様に行います。
※体が硬い人は、指先が肩につかなくても大丈夫です。回しやすい場所を見つけて、ひじで小さな円を描くだけでもよいでしょう。
※面倒でも片側ずつ回しましょう。そのほうが、筋肉を丁寧に動かすことができます。

【首痛がとれる:ゆ~っくり頭ふりふり】 ※この運動だけはゆっくり行います
左右の鎖骨の間を支点にし、頭の重みを利用して、頭をゆっくり回します。
右回し、左回しを3回ずつが目安です。ただし、目が回るなど気分が悪くなったら休むか中止し、首に痛みを感じたら、すぐに中止するなど、決して無理をしないようにしましょう。
※首のこりがひどい人は、気持ちよいと感じる程度に小さく回します。
※早く回すと、首の骨に負担がかかるので、必ずゆっくり回しましょう。

資料:宮地元彦先生監修『不調が消える! ふりふりストレッチ』(宝島社)
● NHK「ためしてガッテン」『肩コリも転倒も防ぐ!新常識“伸ばさない”ストレッチ!』
11月の「+10(プラス・テン)」
●「ふりふりストレッチ」は、わずか30秒の動きで柔軟性と筋力がともにアップし、血行もよくなる新しい運動です。
●リズミカルに楽しく「ふりふりストレッチ」を続ければ、体の不調を改善しながら、自然と「+10(プラス・テン)」が実現できるでしょう。