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「ふりふりストレッチ」で、つらい冷えやむくみを撃退!

「ふりふりストレッチ」で、つらい冷えやむくみを撃退!

  体の一部をリズミカルに動かすだけの運動「ふりふりストレッチ」は、冷えやむくみの解消にも効果的です。仕事や家事の合間に、10分でもいいので「ふりふり」して体の調子をととのえ、「+10(プラス・テン)」を実現しましょう。

ふりふりストレッチは血行不良の改善に効果的

 先月の記事(「肩こりや首の痛みにも効く! 『ふりふりストレッチ』」)では、ふりふりストレッチが一般的なストレッチと筋力トレーニングの「いいとこどり」であること、たくさんのメリットがあることを解説しました。肩こり、腰痛に効く「ふりふりストレッチ」を実際にやってみて、その簡単さと即効性に驚いた人は多いのではないでしょうか。

 今月は、寒さが厳しくなるこの時季にぴったりの、冷えとむくみに効果的なふりふりストレッチを紹介します。
 冷えて血行が悪くなることでむくみ、むくんで水分がたまるから冷える、という悪循環を断ち切るには、元凶となっている血行不良を改善する必要があります。ふりふりストレッチを行うと、血行がよくなって手足が温まるだけでなく、筋肉を動かすことで深部体温が上昇し、体の芯から温まります。

冷え・むくみを解消する「ふりふりストレッチ」

 どのふりふりストレッチでも血行はよくなりますが、ここで紹介する運動は特に冷えやむくみの解消に最適なものです。
 1種類わずか30秒ほどでできる簡単な動きで、ポカポカと全身が温まり、むくみによる重だるさも改善します。仕事や家事のちょっとした合間に、気分転換も兼ねて、ぜひ「ふりふり」してみてください。
 ふり子のように、反動を利用してリズムカルに楽しくやりましょう。

【全身の血行をよくして冷えを改善:腕の左右ふりふり】

①脚を肩幅に開き、体を安定させます
②腕を伸ばし、みぞおちを支点にして左右に振り、その力を使って上体をねじります(腕が上体にからみつくように腕を抜くのが理想的)。
往復10回くり返します。
※支点を意識すると、効果がアップします。
※体が硬い人は、できる範囲で上体をねじればOKです。ただし、手に引っ張られて上体がぶれると力があちこちに分散し、効果が半減します。体を安定させるように注意しましょう。

①運動

【おなかを温めて冷えを改善:おなかぐるっとふりふり】

①脚を肩幅よりも広めに開き、腰に手を当てて立ちます。
②頭と足を支点にして、おなかをぐるりと回転させるように動かします。このとき、膝を突っ張らず、肩を傾けながらスピードを一定に保って行うとスムーズに回せます。
右回し、左回しを5回ずつ行います。
※体が硬い人は、おなかを回転させるのではなく、前→横→後ろ→横→と1箇所ずつ動かしてもOKです。
※頭がぐらつかないように注意しましょう。

②運動

 また、手指を温めるには、手と手首の力を抜いて、ひじを支点にして手首を前後にふりふりする「大仏ふりふり」、同様に左右にふりふりする「ワイパーふりふり」がおすすめ。
 足先の冷えが気になる人は、背もたれのあるいすに腰かけ、膝を伸ばして足首の力を抜き、膝を支点にして膝下を上下にふりふりする「足首ふりふり」も行いましょう。
 いずれも30秒くり返します。

【脚のむくみをとる:膝の開閉ふりふり】

③運動

 まず、安定したいすに浅く腰かけて、脚の付け根に手を置きます。足と、脚の付け根を支点にして膝をふりふりと開閉し、鼠径(そけい)部にあるリンパ節を刺激します。
 下記の順に、脚の開き方を3段階に分けて行うことで、徐々にリンパの流れをよくでき、股関節の動きもよくなります。

①脚を揃え、手で脚の付け根の動きを確認しながら膝を開閉します(10往復)。
②脚を肩幅に開き、①よりも大きく膝を開閉します(10往復)。
③脚を大きく開き、②よりも大きく膝を開閉します(10往復)。
※いすの座面が高すぎると、リンパ節への刺激が弱まってしまいます。高すぎないものを選びましょう。
※膝は目一杯に開かず、8割程度の動きで十分です。
※股関節が硬い人は、無理のない範囲で行い、①②だけでもOKです。

 さらに、ふくらはぎの筋肉を動かす「ふくらはぎ上下ふりふり」も一緒に行うと一層効果的。筋ポンプ作用が働き、膝下にたまった静脈血やリンパ液をくみ上げて、むくみがすっきり解消します。
 これは、脚を軽く開いてつま先立ちした姿勢から、足踏みするように左右のかかとを交互に床につける動きを、30秒くり返すだけです。脚力に自信のない人は、体を支えられる範囲でかかとを少し上げるだけでOKです。

資料:宮地元彦先生監修『不調が消える! ふりふりストレッチ』(宝島社)


12月の「+10(プラス・テン)」

●冷えやむくみは、血行不良が元凶。血行がよくなる「ふりふりストレッチ」で、楽しく撃退しましょう。
●何かと忙しい年末こそ、「ふりふりストレッチ」で「+10(プラス・テン)」を心がければ、疲れがとれ、心も体も軽くなります。


宮地 元彦 先生

監修者 宮地 元彦 先生 (国立健康・栄養研究所 健康増進研究部部長)
1988年鹿屋体育大学体育スポーツ課程卒業、1990年鹿屋体育大学大学院修了。川崎医療短期大学助手、講師等を経て、1999年川崎医療福祉大学助教授、同年米コロラド大学客員研究員。2001年国立健康・栄養研究所身体活動調査研究室長、2011年より現職。厚生労働省の『エクササイズガイド』や『健康日本21(第2次)』の策定などに関わる。