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走り慣れていない人におすすめ、「インターバルジョギング」

走り慣れていない人におすすめ、「インターバルジョギング」

「10分多く」体を動かす「+10(プラス・テン)」に慣れてきて、ジョギングを始めてみたいという人におすすめなのが、「インターバルジョギング」です。これはジョギングの合間に歩く時間を挟むことで疲れにくく、体に負担がかかりにくいため、運動に慣れていない人でも比較的ラクに、安全に続けることができます。

ジョギングよりもつらくなく、ウオーキングよりも消費エネルギー量増

 「インターバル」とは、「間隔」「休憩時間」といった意味の言葉で、「インターバルジョギング」とは、合間に歩く時間を挟みながら行うジョギングのことです。
 ふだんあまり運動しない人がマラソンやランニングを始めると、膝や腰、脚などが痛くなったり、疲れてつらくなったりして、結局続かずやめてしまうということがあります。しかし、インターバルジョギングは、疲れそうになったところで歩くため、筋肉中に疲労物質がたまりにくくなり、無理なく安全に続けられます。
 また、走っているときは安静時の約6倍、歩いているときでも安静時の約3倍のエネルギー量を消費しています。そのため、ウオーキングよりも、体力の向上や減量効果が高いといえます。

インターバルジョギングを始める前に

 走る前には、まずは筋肉をほぐすためにストレッチを行いましょう。
 当連載の第3回のストレッチのやり方(「ストレッチングで体をほぐし、ロコモも予防しよう」)を参考に、20秒間ずつを目安に、それぞれの部位を伸ばします。
 最後に、足首のストレッチも追加すると、足首の捻挫(ねんざ)の予防に効果的です。まっすぐに立って腰に手を当て、左足首を時計回りに20回、反時計回りに20回回し、右足首も同様に行いましょう。

 また、走る前には熱中症や脱水症の予防のため、コップ1杯程度の水を飲みましょう。特に、暑い時季は水分補給を欠かさないようにし、ジョギング用のリュックサックやウエストバッグ類に水筒やペットボトルを入れておくとよいでしょう。

「50歩走って50歩歩く」から始め、慣れてきたら走る歩数を増やそう

 準備ができたら、いよいよインターバルジョギングを始めましょう。最初は「50歩走って50歩歩く」ことの繰り返しで、1日10分間程度(「+10(プラス・テン)」)を目安にするとよいでしょう。疲れたら走る歩数を減らしたり、歩く歩数を増やしても大丈夫です。
 走るときは、顎を軽く引いて背筋を伸ばし、足の動きに合わせて腕を後ろに振ります。猫背になったり、視線が下がらないように注意しましょう。走ることに慣れるまでは、ゆっくり走って痛みやけがが起こらないようにすること、かかとからの着地を避ける(足の前方か、足の裏全体で着地する)ことも大切です。
 歩くときは、疲労回復が目的なので、姿勢は特に気にせず、深呼吸してリラックスしながら自然に歩きましょう。 呼吸は、脚の動きに合わせて鼻から吸って口から吐くようにします。

インターバルジョギングを楽しく続けるために

 慣れてきたら、「100歩走って50歩歩く」「150歩走って50歩歩く」というように、少しずつ走る歩数を増やしていきます。
 ただし、膝や腰に痛みのある人や、肥満・生活習慣病のある人は、無理せず、医師や運動指導の専門家に相談のうえで走る歩数を決めるようにしましょう。

 通勤や買い物に行く際など、生活の中で取り入れると続けやすくなります。また、自然の豊かな場所など、走ることが気持ちよいと感じられる環境で行うことも、継続のポイントです。ラクに、楽しく続けましょう。

2月の「+10(プラス・テン)」

●「インターバルジョギング」は、走ることと歩くことを交互に繰り返すもので、運動に慣れていない人でも安全に始めることができます。
●最初は「50歩走って50歩歩く」から、慣れてきたら徐々に走る歩数を増やし、無理なく「+10(プラス・テン)」を続けていきましょう。


宮地 元彦 先生

監修者 宮地 元彦 先生 (国立健康・栄養研究所 健康増進研究部部長)
1988年鹿屋体育大学体育スポーツ課程卒業、1990年鹿屋体育大学大学院修了。川崎医療短期大学助手、講師等を経て、1999年川崎医療福祉大学助教授、同年米コロラド大学客員研究員。2001年国立健康・栄養研究所身体活動調査研究室長、2011年より現職。厚生労働省の『エクササイズガイド』や『健康日本21(第2次)』の策定などに関わる。