第16回 藤本靖さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、フィジカルトレーナーの藤本靖さんです。
- 藤 本
- よろしくお願いします。
- 住 吉
- 実は3年くらい前に「耳ひっぱり」というワークブックが話題を集めて、その「耳ひっぱり」についてお電話で教えていただくという形でご出演いただいたことがあるんです。でも、こうやってスタジオに来ていただくのは初めてということで、今日はよろしくお願いします。
藤本さんは、東京大学大学院で身体教育学を研究していらっしゃいます。ヒトの脳のシステムや、心と身体の関係について研究する一方で、実践的なボディワークの指導やワークショップなども行っています。先日『「つながり」を感じれば疲れはとれる』という著書を学研から出版されました。
何となく疲れがとれないという方はすごく多いと思います。私も実際そうなんですが、特にこの蒸し暑さで夕方くらいに疲れてしまったり、暑さで夜中に何度か目覚めてしまい、朝にすっきりと起きられない、という方も今の時期は多いと思います。これには何か理由があるんですか? - 藤 本
- はい。この季節、疲れていらっしゃる方が多いと思うんですが、その一つの原因が冷房だと思います。外に出たら暑くて、部屋の中は冷房が効きすぎている。これは疲れとすごく関係しています。人間は本来、暑すぎたら汗をかいて体温を下げたり、自分の身体でバランスを取るという調整能力を持っているんですが、過剰に冷房が効きすぎるところにいると、その調整する力がなくなってしまうので疲れてしまう、ということがこの季節に起こりやすいんです。
- 住 吉
- 人間本来の能力を活かしきれていない生活が、現代社会では割と多いということですね。
- 藤 本
- そうですね。冷房もそうなんですが、人間は本来、身体を動かすようにつくられているので、一日中ずっと座りっぱなしでパソコンに向かっていても、本来の調整する力、自然治癒力が働きにくくなって、疲れやすくなります。
- 住 吉
- ご本にある“「つながり」を感じれば疲れはとれる”ということですが…「つながり」というのはどういうことなんでしょうか?
- 藤 本
- 自分の身体の中がつながっていることが大事、ということです。具体的にいうと、例えば胃腸は、口が入口で出口が肛門なんですが、それは一本の管なんです。でも我々は普段、胃は胃、口は口、とバラバラに意識していますよね。そうすると、胃腸が全部つながって正しく働く、ということができないんです。そうなるとどういうことが起こるかというと、例えば、仕事が忙しいストレスで甘いものが食べたくなったり、過食しすぎたりしてしまいます。
- 住 吉
- お腹は求めていないのに?
- 藤 本
- そうです。それがちゃんとつながりを取り戻せば、食欲も正常化して、消化もちゃんとできるようになるので、良い胃腸の状態を保てます。
- 住 吉
- そのつながりは、消化器系だけなんですか?
- 藤 本
- 身体の中には大きく分けて5つのグループ、消化器、脳神経、呼吸器、筋骨格、循環器があります。
- 住 吉
- そのグループそれぞれにおいてつながりを取り戻すと、疲れがとれる?
- 藤 本
- 疲れがとれます。