第17回 佐々木巌さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、ウェルネス ササキクリニックの院長、佐々木巌さんです。
- 佐々木
- よろしくお願いします。
- 住 吉
- 今日のテーマは、ずばり「メタボリックシンドローム」。佐々木先生は生活習慣病の予防と対策がご専門ということで、色々と教えていただきます。まず、“メタボ”とはどういうものなのでしょうか?
- 佐々木
- 「メタボリックシンドローム」を通称「メタボ」と言っていますが、腹部の内臓脂肪の蓄積を伴う代謝症候群のことを言います。これは健診で測る腹囲が、男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合または、腹部のCT検査でおへその位置の内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上を、内臓脂肪蓄積と定義しています。それだけの腹囲のある方が、高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常の2項目以上を伴った場合に、メタボリックシンドロームという診断がつきます。
- 住 吉
- 「メタボ体型」というように、気軽に“メタボ”という言葉が使われるようになりましたが、実はこのメタボリックシンドロームは危険なものなんですよね?
- 佐々木
- はい。内臓脂肪型の肥満というのは「ぽっこりお腹」なんて言いますが、こういった脂肪のつき方は、動脈硬化を促す様々な生活習慣病の発症の要因になると言われています。
- 住 吉
- メタボになりやすい性別や年齢、職業などはあるのでしょうか?
- 佐々木
- 男性の方が圧倒的にメタボが多いんですが、大体30代半ばから70歳ぐらいまでです。女性の場合は、発症年齢はもう少し遅れて、更年期の始まるぐらいからと言われています。ただ、男女に限らず、仕事で夜遅くにお帰りになったり、食生活が乱れたり、ストレスの多い仕事をしている方はメタボになりやすいという傾向があります。
- 住 吉
- メタボになる理由は、今おっしゃっていたストレス以外ですと、一番大きな要因は運動不足でしょうか?
- 佐々木
- 生活環境要因と言われますが、大きく2つに分けると“運動不足”と“不規則な食習慣”ということになります。
- 住 吉
- 色々な運動療法がある中で、佐々木先生がおすすめしていらっしゃるのが「ノルディックウォーキング」というものだそうです。この「ノルディックウォーキング」というのは、どういうものですか?
- 佐々木
- 運動の基本はウォーキングなんですが、そのウォーキングをさらに発展させた形で、両手にポールを持って歩くのが「ノルディックウォーキング」です。元々はフィンランドや北欧でクロスカントリーの選手たちがオフシーズンのトレーニング方法として開発したという経緯があります。
- 住 吉
- ストックのようなポールを両手で持って、街中を歩いたりするんですか?
- 佐々木
- そうです。交互にポールをついて歩くんですが、単にポールをつくというわけではなく、上半身に負荷をかけるためにポールを有効に使う、と考えていただくとわかりやすいかと。
- 住 吉
- ただ歩くだけだと、下半身の運動に限られるところを、きちんと全身に負荷をかけた運動になるようにするということですね。ただのウォーキングとノルディックウォーキングだと、効果などもずいぶん違うんですか?
- 佐々木
- 普通のウォーキングに比べて、エネルギーの消費率が約20%増加する、といった報告もあります。
- 住 吉
- ポールも専門的なものなんですか?
- 佐々木
- はい。高いものから安いものまでありますが、だいたい1組1万円前後ぐらいで、耐久性もありますし、一生使えるものですから、そんなに高いものではないと思います。