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第54回 加藤雅俊さん

第54回 加藤雅俊さん

加  藤
1つは、「エア縄跳び」。マンションなど天井の低いところで本当の縄跳びを使うことはできませんので、持っているつもりで、20秒。なるべく高く。ボクシングジムのようになるべく低く長時間やるのではなくて、とにかく高く。あっちは脂肪燃焼なので。
住  吉
脂肪燃焼と血糖値は違うんですか?
加  藤
全然違います。100mの時に無呼吸で走るじゃないですか。あの時にブドウ糖を使っているんです。
住  吉
瞬発力の方ということですね!
加  藤
そうです。逆に、脂肪燃焼の時、なるべく長時間行うというのが有酸素運動です。今回は全く逆の無酸素。だから、とにかくハーハーする状態にしてほしいんです。
住  吉
そこで、まず「エア縄跳び」でなるべく高く跳んで20秒。
加  藤
二重跳びぐらいの気持ちで。次に「ひざキック」と言って、立ったまま、左のひざに右のひじを当てる。
住  吉
身体がツイストするような感じですね。
加  藤
そうです。それを(左右交互に)なるべく速く20秒。そして10秒休んでもらって、今度は、屈伸でなるべく低くお尻を下げて、左右のゴールにボールをシュートするようなイメージ。思い切り左、右、と1回1回屈伸しながらシュートをしていく感じで。これも速く。
住  吉
「エアバスケ」ですね。これも20秒?
加  藤
そうです。そして10秒休む。これをもう1セット。
住  吉
もう1セットで、計3分。結構シンプルですね。
加  藤
そうなんです。でも、やってみるとキツイんです。
住  吉
「エア縄跳び」、ひざとひじをくっつける「ひざキック」、屈伸して伸びる「エアバスケ」を、20秒ずつ2セットで3分ということですが、「本当にこれで効くの?」という感じもするので、今、実際に体験してみようと思います。
~「エア縄跳び」「ひざキック」を体験中~

住  吉
結構熱い…! 時間の関係でこのぐらいにしておきますが…この後、エアバスケをするんですよね? キツイ…。
加  藤
無酸素状態にしたいので、20秒。10秒ではダメなんですよ。
住  吉
息が足りないぐらいの状態が正しいということですね。
加  藤
そうです。これで30~40秒休んでしまうと、空気がどんどん入ってくるので、なるべく空気が入らないぐらいの状態で。
住  吉
今、空気が吸えてラクです…!
加  藤
そうですよね。今、糖の燃焼が始まっています。
住  吉
やった! 体温も上がりますから、朝冷えている時とか、目覚めにも良さそうですね。
加  藤
20秒って、やると結構キツイんですよ。だから、運動を1、2分やりなさいと言っても続かないんです。20秒やって、10秒休む。
住  吉
毎日3分やると、その瞬間に血糖値が下がるだけではなく、常に高めだったり、血糖値のコントロールが上手く機能しなくなり始めている人は、全体的な状況が良くなると。
加  藤
そういうことです。血行も良くなるし、良いことづくめです。
住  吉
すごいですね。良くなったという感想は来るんですか?
加  藤
よく、「ビールはやめたくない」「ご飯は減らしたくない」「週に2回はラーメンを食べたい」というような相談を受けるんですが、その条件があっても、1週間で血糖値が190から130ぐらいまで落ちたんです。
住  吉
習慣化したら続けられそうな気がしますよね。あと、加藤さんは「間食」を勧めていると聞いたのですが、これはどういうことですか?
加  藤
朝とお昼の間はだいたい4~5時間しか空いていないですけれども、お昼と夜の間は結構時間が空いてしまいますよね。そこですごく血糖値が下がってしまうんです。血糖値というのは、だいたい6時間ぐらいでお腹が減る状態まで落ちてくるので、「お腹が減った」と脳から指令が来て、「あっ、そんな時間か」とご飯を食べるんですけれども、もっと下がってしまうので、夜8~9時に食べ出すと、お腹が減っているので早食いしてしまったり、いつもより多めに食べてしまいます。よく子供は、間食するとメインのご飯を食べられなくてお母さんに怒られるということがありますよね。その作戦です。
住  吉
それを大人が上手に利用するということですね。
加  藤
はい。だから、上手く(日中の)3~4時に少し食べて、血糖値を少し上げておくという感じです。
住  吉
そうすると、夜に爆食いしないということですね。目から鱗の話ばかりでした。ありがとうございます。
加藤さんも健康診断は欠かさず受けていますか?
加  藤
受けています。
住  吉
では最後に、加藤さんの「健康の秘密」を教えてください。
加  藤
健康の秘密は、ずばり“筋肉”です。
住  吉
この3分メソッドをやっていると、筋肉もつきますか?
加  藤
はい。
住  吉
『食事をガマンしないで血糖値を下げる方法』はマガジンハウスから発売中です。気になった方はぜひ手にとってみてください。加藤雅俊さん、ありがとうございました!
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