文字サイズ

第74回 永田泰造さん

第74回 永田泰造さん

住  吉
そうですよね。だから日常から急に薬がなくなった時には絶対に困るよな…と今お話を伺っても思います。そんな中、ここからは「ジェネリック医薬品」をキーワードに伺っていきます。最近CMなどでも耳にするジェネリック医薬品ですが、まずこの「ジェネリック医薬品」とは?
永  田
「ジェネリック医薬品」って、皆さんはどういうふうにお感じになられているかわかりませんが、薬剤師を40年やっていますと、過去のジェネリック医薬品というのは「後発医薬品」「ゾロ」など、悪いイメージで言われていたんです。今、そういった「後発医薬品」というものは、先発医薬品として最初に出された医薬品の成分の特許が切れた時に製造承認を得て発売されるもの、ということになります。特許は3つありまして、「その成分の特許」「錠剤を作る製造特許」「何の病名に効くのかという病名に関する特許」で、医薬品の成分そのものの特許が切れた時に発売されるのが「ジェネリック医薬品」です。
住  吉
今おっしゃったように、前は「粗悪品なんじゃないか」というイメージがあったのが、今は変わってきていると。
永  田
はい。昔は、後発医薬品の製造会社は小さかったんです。なんとか作っていた。ところがこの40年の間に、大手の製薬メーカーさんがそういった小さな製薬会社に対して、自分たちの作っている薬の製造を委託するということが始まりました。元々自分たちのノウハウではなかなか進められなかったものが、大手のメーカーから「こういうノウハウでこういう工場の設備で作ってほしい」と。それに合わせて設備投資をしていく、あるいはノウハウを取得していく、という形ができあがってきて、結果として自分たちで製造することがしっかりできる。つまり、開発してもおかしくないんだけど、開発するよりは後発医薬品を作ることによってその製品自体の精度を高めていきましょう、という会社がたくさん増えてきたんです。ですから、後発医薬品は過去のものとは違って、しっかりとした技術に基づいて、先発医薬品と言われる最初に作ったものにはないような剤形、例えば錠剤で飲むものをフィルムの形にしてあったり、顆粒にしたり、錠剤の形ですぐ口の中で溶けるようになっていたり…そんな薬を開発する能力がちゃんと高まってきている会社が増えてきたということなんです。ですから、過去とは全然違っています。
住  吉
というと、薬を使う私たちとしても、この形が自分は飲みやすいとか、お値段の面でも先発医薬品よりお安くなったりするので、そのことで選んでも良いということですよね。
永  田
はい。お財布にやさしいというのは大事なことだと思います。
住  吉
ちなみに、使う時は医師から提案されるのでしょうか? それとも自分からジェネリック医薬品を使いたいと言うのでしょうか?
永  田
お医者さんが後発医薬品を使うか説明をされる時もあれば、後発医薬品を使いたいとご自身から言ってみる、これも手なんです。今の保険制度上では、医師が「この人は先発でも後発でもどちらを使っても良いよ。患者さんと薬剤師、この2人の選択肢に任せるよ」と決めた場合、処方箋上に「一般名処方」ということで、成分の名前が書いてある処方箋を発行します。過去は単に製品の名称だったんです。それを一般の成分の名称で書くようにしましょう、というふうに変わってきています。そうすると薬局に来ていただいて、そういう成分名称が入っているということは、先発にするか後発にするかを説明するということが義務付けられていますから、そこで選択していただくことも可能です。一方、医師に対して自分から「後発医薬品が良い」とは言いにくい場合がありますよね。そういう場合は「私は後発医薬品を使いたいです」という「ジェネリック医薬品希望カード」というものがありますから、それを見せると済むんです。
住  吉
そうなんですね。それはどこでもらえるんですか?
永  田
健保組合さんでもらえますから、ぜひお問い合わせください。
住  吉
薬の名前や使用歴などをすぐ忘れてしまう、特に家族やお子様の分も含めるとちょっと…という方もいらっしゃると思うんですが、この場合の対策としては…。
永  田
対策としては、「お薬手帳」というものを推奨しておりまして、そこに自分の飲んでいる薬を書き留めておくというのが基本なんですが、薬局に一言言っていただければ、今日はこの医薬品が出ていますよというシールが出ますから、そのシールを貼っていただき、それを常に持っておく。今、ICTの活用で「電子お薬手帳」というのがあります。ソフトはそのままダウンロードできますから、それを持っておいていただいて、バーコードを読んでいただければそれで自分の医薬品を取り込むことができる。家族の名前で同じように持っていたら、家族の分も取り込むことができます。
住  吉
すごい! スマホでできるんですか?
永  田
スマホでできますから、ぜひやっていただければと思います。
住  吉
薬、そして健康のスペシャリスト、永田先生に伺ってきましたが、永田先生ご自身は、健康診断はかかさず?
永  田
はい。しっかりと受けさせていただいておりますし、私たちは医療従事者ですから、体調管理でちょっとおかしいなと思ったらすぐ確認できるような対応を取っております。
住  吉
では最後に、永田先生の「健康の秘密」を教えてください。
永  田
健康の秘密は、“セルフチェック”です。毎日、朝起きて、その時の体調はどのように感じますか? 「今日はよく寝たな」とか。
住  吉
いつも観察しています!
永  田
ですよね。その次に何をしますか? 歯を磨きますか? それともトイレに行かれますか?
住  吉
日によるかな…。
永  田
日によりますよね。それがずれている時に、なんでだろうと考えるかどうかですね。いつもは朝トイレに行きたいと思うのに、翌日そうならない場合、あれ?と思ってみる。その時に、排せつをしたものの色を確認する、あるいはその後の1日の行動の中で、日頃引っかからないところで足がつまづいてしまった、なぜだ?というふうに考えていく。何か体調の変化が起きているのかなと考えてみることによって、前日に何が起こったのか、前々日に何が起こったのかを思い出してみて、それが原因なのか、あるいはまた別の何かに原因があるのか…その確認を常に続けていくことが大事なのではないかと思います。
住  吉
なるほど。そうすると、未然、あるいは小さいうちにトラブルが回避できそうですね。永田泰造先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。選んでいますか? ジェネリック医薬品。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含み、効き目や安全性が同等であると国から認められたお薬です。効き目が同じでありながら、先発医薬品ほど研究開発費がかからないため、価格を低く抑えられるんです。飲みやすい工夫がされているものも沢山あります。協会けんぽ東京支部では、ジェネリック医薬品の利用をおすすめしています。
9月6日(木)のゲストは、福耳から杏子さん、さかいゆうさんです。次回もどうぞお楽しみに!