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第76回 山崎一さん

第76回 山崎一さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、俳優の山崎一さんです。
山  崎
おはようございます。
住  吉
舞台、映画、テレビドラマなどで活躍していらっしゃる、山崎一さん。大学を卒業された後、劇団を経て、フリーの俳優になられていますが、俳優になったきっかけは何かあるのでしょうか?
山  崎
小学校の時に学芸会が大好きで、「学芸会と運動会だけは目が輝く」と言われていたんですけれども、その後色々あって遠ざかっていたんです。それで、大学を卒業する時にもう一度やりたくなって。
住  吉
何かを思い出したんでしょうか?
山  崎
何かが動き出したんでしょうね。それで就職をせずに劇団に入ってしまったんです。
住  吉
そこから数えるともう俳優歴は40年?
山  崎
そうですね。
住  吉
昨年還暦を迎えて、新しい挑戦もされたということですが、それが「劇壇ガルバ」の旗揚げ。劇団という文字が“団”ではなく“壇”なんですね。
山  崎
そうですね。これは僕が考えた文字ではないんですけど、「演劇をする人々」みたいな大雑把な意味らしいです。僕のプロデュース公演でも良かったんだけど、全員が一つの作品に関わる、もう一歩踏み込んだ、何か集団を作りたくて。だけど普通、劇団だと縛りが強くなるから、その中間のものはないかなと思って考えていた時に、スタッフが「こういうものがあるんですけど…」って持ってきてくれて。その意味を聞いたら、「演劇をする人々」というすごくアバウトな、曖昧な感じが良いなと思って。
住  吉
しっくりきたんですね。メンバーは固定なんですか? それとも…。
山  崎
出入りはすると思います。でも、できたら何回か一緒にやっていく人たちができたら良いなと思っています。
住  吉
「ガルバ」という名前は、どういう意味なんですか?
山  崎
これも元々、名前を何か考えなきゃいけないということで、「ブラフマン」という名前を考えていたんです、「創造神」というんですけど。でも、ブラフマンってロックバンドでいらっしゃるじゃないですか。だからダメだなと思って、その流れで色々調べていたら、「ヒラニア・ガルバ」というのが出てきて、ブラフマンを生んだ神様だと。日本の意味を調べたら、「黄金の胎児」とか「宇宙の卵」とかそんな意味合いがあって、これは面白いなと思って。そのヒラニア・ガルバを短くして「ガルバ」と。
住  吉
すごいですね。演劇をする人々が集い、黄金の卵を産む、みたいな壮大なイメージですね。
山  崎
名前に「創造」ということを入れたかったんですよ。創造って活力だと思うので。それでこういう名前に決めました。
住  吉
旗揚げ公演『森から来たカーニバル』が11月からスタートしますが、こちらはどんな舞台ですか?
山  崎
作者が別役実さんという日本の不条理演劇の父と称される方で、この作品は別役さんにしては明るい…と言ったら語弊がありますけど、歌があったり踊りがあったり、童話的な要素も入っていたりして、たぶん楽しい作品になると思います。
住  吉
山崎さんが演出をされて、ご出演も?
山  崎
出演もします。
住  吉
演出はこれまでもしていたんですか?
山  崎
初めてですね。
住  吉
そうなんですね。ご自分の中で、作業の感じはどうですか?
山  崎
大変ですよ。これも、去年還暦を迎えて、うちのスタッフから「還暦記念の何かをやりませんか?」と言われて、「芝居がやりたい」と言ったところからスタートしたプロジェクトなんですけど、その時スタッフに「演出もしたらどうですか?」と言われて。そういう流れなんですよ。
住  吉
そうなんですか! では自分の中で「還暦になったら自分で演出をするんだ!」という思いがあったというよりは…。
山  崎
演出に興味はあったんだけど、考えていなかったので。「ちょっと考えさせてください」と言って考えたんだけど…還暦の記念公演でしょ? 今までやったことのないことをやるのも面白いかもしれないなと思って。それで「やります」と。
住  吉
まだお稽古は始まっていないとのことですが、どうなるのかご自分の中でも見えない部分が…。
山  崎
はい、いっぱいあります。ですから、不安もいっぱいあるんだけど、大変なことも重々承知しているんですけど、その大変さを遊ぶというか、楽しむことができたらいいなと今思っています。