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第100回 梅谷薫さん

第100回 梅谷薫さん

梅  谷
検査そのものは、以前はなかなか難しい技術と言われていたのですが、機械も我々の技術も大きく発展しましたので、痛みもかなり少なかったり、あるいは軽い麻酔や鎮静剤を使って痛みが全くない状態で検査を終えることも可能になっています。実際の時間としては、例えば盲腸まで行くのに平均で3分くらいです。もちろん時間のかかる方もいらっしゃいますが、早い方は1分くらいで奥まで行きます。そこから、じっくり5~10分かけてヒダの間をよく見ながらバックしてくる。そしてポリープがあればその場で取ってしまうということが可能ですので、その辺についてはずいぶん受けやすくなりました。ただ、おそらく一番大変なのは、お腹の中を綺麗にするための下剤を飲むということですね。
胃と違うのは、大腸には便がたくさんあるので、できるだけ綺麗にしたいわけです。そうすると、標準的な方法であれば、2リットルぐらいの水のような下剤を2時間ぐらいかけて飲んで、腸の中をすっきりさせてから検査をするということがとても大切です。
住  吉
検査をしながらポリープを取ってもらえるという、(検査と治療が)一度で済むのはすごいですね。
梅  谷
私共のところでも1cm、場合によってはそれを超える大きさのものもその場ですぐに取ってしまって、検査に出します。大腸がんでも、早期のものであればそれで治療がおしまいになってしまうので、とても確実で良い方法だと思います。
住  吉
大腸内視鏡検査をした方が良いというのは、何歳以上、何年おきでしょうか?
梅  谷
40歳を超えるとだんだん増えてきますので、やはり40歳を超えたら大腸内視鏡を一度は受けていただきたいです。では、どのぐらいの間隔かというのは、決まったものはないのですが、もう大腸にポリープも何もないという場合は、だいたい3年は大丈夫だと考えてください。これも絶対ではないので、心配な方はもう少し短い間隔で受けていただいても良いです。実は大腸がんは、胃がんほど早いスピードで進むのが極めてまれなので、このぐらい間を空けても大丈夫なことが多いです。ですが先生によって違うので、必ず主治医の先生の指示に従ってください。
住  吉
あと最近、「腸内環境」という言葉をよく耳にしますよね。女性は便秘で悩んでいる方も多いみたいですが、女性の方が便秘になりやすい理由というのはあるのでしょうか?
梅  谷
女性の場合、腸が長くて下がっていらっしゃる方、体型的にもそうだと思いますし、腸が長くてねじれたり、屈曲している方は多いです。ですから、どうしても便秘になりやすい。それから脂っこい食べ物は水をはじくので、便が腸の中に溜まってしまって便秘になりやすい方が多いですね。
住  吉
便秘にならないようにするには、どういうことに気をつければ良いのでしょうか?
梅  谷
まずは姿勢を正すこと。それから呼吸をきちんとすること。これはヨガや座禅のようなマインドフルネスでもそうなんでしょうけれども、身体を整えることによって、腸をしっかり支えることができます。それから、横隔膜やインナーマッスル、アウターマッスルも含めて、筋肉を少し鍛えておくと良いという話がありますね。
住  吉
意外! 食生活だけではなくて、姿勢やインナーマッスルも関係しているんですね。
梅  谷
そうですね。大腸がんのリスクでも、やはり運動不足と肥満の問題は必ず言われますので、ぜひ気をつけていただきたいですね。
住  吉
梅谷先生ももちろん、健康診断は受けていらっしゃいますか?
梅  谷
はい。今年は内視鏡の年にあたっていますので、私も知り合いの先生に頼んで、やってもらうことになっています。
住  吉
では最後に、梅谷先生の「健康の秘密」を教えてください。
梅  谷
私の健康の秘密は、ここだけの話ですけれども…“嫌なことはしない。嫌な人には会わない”。ストレス源は極力減らすということです。
住  吉
やっぱりストレスというのは、病気の大きな原因なんですね。梅谷薫先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。日本人の死因で最も多いのは、がん。中でも大腸がんによって亡くなる方は、年間5万人。男性では第3位、女性では第1位の死亡原因となっています。協会けんぽでは、加入者ご本人向けに生活習慣病予防健診をご用意しています。大腸がん、胃がん、肺がん検診が含まれており、女性は2年に一度、乳がん、子宮頸がん検診が受けられます。早期発見、早期治療のためにも積極的に受診してください。
3月7日(木)のゲストは、NONA REEVES 西寺郷太さんです。次回もどうぞお楽しみに!