第104回 宮田俊男さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医療法人社団DEN みいクリニック代々木の院長で医師の、宮田俊男先生です。
- 宮 田
- お願いします。
- 住 吉
- 前半は「かかりつけ医をみつける」というテーマでお話を伺います。宮田先生は、「気軽に何でも相談できる町のお医者さん」、つまり「地域のかかりつけ医」を目指して、みいクリニックを立ち上げたと伺っています。
- 宮 田
- はい、その通りです。何でも気楽に相談できるかかりつけ医って、皆さん意外にお持ちじゃないんです。私は元々、心臓外科医をしたり、その後厚生労働省で新薬や新しい医療機器の製作にも関わったんですけれども、良いタイミングで病気が見つかって治療すれば治る人でも、それがなかなか見つからずに放置されてかなり進行してしまうと、残念ながら正しい治療法にもたどり着けない、ということがあって、かかりつけ医の相談のレベルをもっと下げて、もっと気楽にできないかなと。なので、みいクリニックでは、お医者さんがみんな白衣を着ていません。
- 住 吉
- そうなんですか!
- 宮 田
- はい。私服で、待合室も絵がたくさんあったり、小児も遊べるようにおもちゃもいっぱいあります。なので、0歳~90歳までごった返しになっています。
- 住 吉
- (クリニックに)いらっしゃる地域の方々から「心強い」という声もあるのではないですか?
- 宮 田
- そうですね。実は、昔ながらのかかりつけ医って、跡継ぎ問題などでだんだん減ってきているんですよね。元々その地域にも昔ながらの開業医さんがいたんですけど、跡継ぎ問題で閉じてしまったんです。それで、その場所で地域の医療を再開させたので、非常に喜ばれています。
- 住 吉
- 医師の立場からも、早く発見できて効果的だったなど、実際にやってみて良かった点はありますか?
- 宮 田
- 実際に話を聞いたりすると、これはがんの可能性もあるなという時に、すぐに専門病院を紹介して、すぐに検査してもらったり、それが根治術に繋がっていたりすると、やって良かったなと思います。
- 住 吉
- 「予防」「未病」ということにも役立つのでしょうか?
- 宮 田
- その通りです。いきなり病気になるのではなく、徐々に状態が悪化(未病)してから病気になる。なので、その(未病の)状態をしっかり見える化して、その時から対処していくことが大事だということなんです。実際には、20歳、30歳、40歳の間でも、皆さん健康に思っていても実は結構体調の変化があって。その時点でちゃんと介入すると良い事があるんじゃないかなと思います。
- 住 吉
- 病気とは言い切れないけど、家族にこういう病気の人がいるので自分は大丈夫か心配、という相談でも大丈夫ですか?
- 宮 田
- 大丈夫です。
- 住 吉
- 心強いですね。宮田先生は他にも「健こんぱす」というアプリの監修もされているということですが、この「健こんぱす」とは、どんなアプリですか?
- 宮 田
- これは無料ですぐにダウンロードできるアプリで、昨今、昔のようにすぐにかかりつけ医に相談するよりも、インターネットで情報を探しますよね。ですが、その検索の上位にあがってくるものは、怪しい情報が多かったり、正しい情報であっても難しかったりするんですよね。なので、「健こんぱす」というアプリでそのアルゴリズムに従っていけば、それはかかりつけ医にかかるべきなのか、あるいは市販薬か、などが一発でわかる仕組みになっています。
- 住 吉
- 先ほど少し見せていただいたのですが、そのアルゴリズムというのが、入口は「全身のどこの調子が悪いですか?」というところから始まって、例えば「どんな痛みなのか?」とか「痛みが常にあるのか?」を「はい・いいえ」で答えたり、選んでいくと、場合によっては「この市販薬を飲んでみたらどうですか?」という提案が出たり、「お医者さんに行ってみてください」というアドバイスが出たりするんですよね。
- 宮 田
- そうですね。一口に、「胃が痛いから胃薬」では危険なんです。なので、毎年がん検診を受けて、例えば胃がんの検診をしているかなど、そういったことも踏まえて、市販薬を選んでいくことが重要だと思います。