第111回 マウンテン山田さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、実演販売士のマウンテン山田さんです。
- 山 田
- よろしくお願いします!
- 住 吉
- マウンテン山田さんは熊本県出身の37歳。「実演販売士」という肩書きがあるんですね。店頭などで商品を説明しながら販売をするのが「実演販売」ですが、扱う商品も売る場所も様々なんですよね。
- 山 田
- そうですね。全国のショッピングモールだったり、一番有名なのは東急ハンズさん。ここが実演販売のメッカと言われていて、ここに出ている商品は第一線というか、良い物が多いですね。
- 住 吉
- 実演していると、確かに「よく切れる」「よく取れる」などといった物がたくさんあるので、実演した方が売れるというのはわかりますね。
- 山 田
- 実演している物自体が全部良いので、実演しやすくて。ですから、色んな商品を実演していますね。
- 住 吉
- ちなみに、実演販売の道に入ったきっかけは?
- 山 田
- 元々20歳の頃に上京してきて、お笑いを8年ぐらいコンビでやっていたんですが、なかなか火がつかないので、司会をやろうかと。そこから、司会を見ていただいた方の中で、たまたま実演販売士の方がいて、この道に誘ってくれました。
- 住 吉
- 7年前から?
- 山 田
- 7年ほど前からやらせていただいています。
- 住 吉
- 今日はそんなマウンテン山田さんに、「実演販売の極意」を伺います。これは実演販売そのものをやっていなくても、例えば、営業職や自営業で人を呼び込みたい、自分の商品を使ってもらいたい、あるいは、もしかしたらより自分の意見をサポートしてもらえたり。
- 山 田
- そうです。実演販売というていではなく、自分に置き換えて聴いていただくと、色んな場面で使えるのではないかと思いますね。
- 住 吉
-
そんな「実演販売の極意」を3つ挙げていただきます。
その1「1人目を捕まえろ!」。 - 山 田
- 実演販売のブースなんですが、1人目を捕まえるのが難しくて。良い商品だなと遠巻きに見てくれているんですけど、近づいてきてくれないんです。「買わされるんじゃないか」という恐怖があって。そういう時、7年前は大きな声を出して集客していました。でも、これは逆効果なんです。1人でぶつぶつ言いながら、後ろを向いて…こういうものは、あまりお客様にお尻を向けるなと言われるんですけど、あえて向けて、片付けだったり品出しだったりPOPを書いてみたり、そういうことをやっていると、後ろに視線を感じるんですよ。見ているなと思ったら、パッと振り向いて手招き。これで1人目が来ます。
- 住 吉
- 一生懸命呼び込むのではなく、あえて!
- 山 田
- そうです。隙を見せてお客様を呼び込んで、その1人が呼び水になって。その最初の1人にどれだけ長く喋れるかというところです。
- 住 吉
- では、会話を始めるんですか?
- 山 田
- 会話を始めます。それで、相手に何でもいいので質問します。「何をお買い物されたんですか?」というところから「これです」と相手に喋らせると、こっちの勝ち。そこからわらわらと人が集まってくれます。
- 住 吉
-
面白いですね。
その2「エプロン作戦で距離感を詰める」。 - 山 田
- 7年前はスーツで実演していたんですよ。かたいですよね。そういうかたい雰囲気だとお客様が寄ってこない。子供も寄ってこられるような隙を見せる、というところなんですけど、会社によっては、この格好でやってほしい、かたい感じでやってほしいと言われるので、何回も打ち合わせを重ねながら、「上着を脱いでいいですか?」「ネクタイを取っていいですか?」「白シャツではなくデニムシャツに変えてもいいですか?」「エプロンをつけてもいいですか?」というところまで持っていって、売れるようになりましたね。それが僕のスタイルだというのを売り出して、どこでもカジュアルエプロンスタイルで行けるようになりました。
- 住 吉
- アプローチしやすくするということなんですね。
- 山 田
- そうですね。逆TPOというか。僕は携帯電話も売っているんですが、その会社の方はみんなスーツで来るんです。それだとマイナスなので、「オフィスカジュアルで来てください」と。そうすると場の雰囲気が違ってくるんです。
- 住 吉
-
なるほど。
その3「プラスアルファのお得感」。 - 山 田
- 300円ぐらいのラップを売ることがあって、物が良いというのはわかっていただくんですけど、最後のひと押しが難しくて。そういう時は、「今日はクッキングシートをつけます」と。それだけで買ってくれる場合が多々あります。
- 住 吉
- おぉ! プラスアルファの何かお得感をつける。
- 山 田
- その場だけのお得感ですね。「これを逃すと、明日からはもらえないよ」と。
- 住 吉
- あぁ…私もある。掃除用具を買うのに、今日じゃなくてもいい、今欲しいわけでもないけど実演を見ていると良さそう、という時に、「今日は替えのシートをつけます」と言われたら、「じゃあ今日買っておく!」と買ってしまいました。
- 山 田
- 基本的にはみんな、今日いらないんですよね(笑)。それをどう「今日買っておかないと」と思わせるかなんです。