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第123回 中村米吉さん

第123回 中村米吉さん

宇  賀
夏休み中の住吉美紀さんに代わって宇賀なつみがお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、歌舞伎俳優の中村米吉さんです。
中  村
よろしくお願いいたします。
宇  賀
米吉さんは、1993年に五代目中村歌六の長男として生まれ、2000年に五代目中村米吉を襲名。今、人気の若手女形として活躍されています。
米吉さんの初舞台はいつだったのでしょうか?
中  村
2000年に米吉になった時が初舞台でした。
宇  賀
では、その前から「自分は将来こういう道に行くんだ」と。
中  村
そうですね。どこかそういう気持ちはあったような、なかったような…。
宇  賀
物心ついた時には意識されていたのですか?
中  村
そうですね。歌舞伎の家に生まれたんだなというのは…。子供の頃から楽屋に出入りしていますし。小学生とか幼稚園ぐらいの頃も、お父さんが特別ということではなく、あの家はサラリーマンのお父さん、あちらは八百屋さん、うちは歌舞伎をやっているという、職業の一つという感覚でした。
宇  賀
歌舞伎俳優の方は皆さん男性ですが、立役という男性役と女形はいつどうやって決まるものなのでしょうか?
中  村
やってみたいお役や、こういうお芝居のあの役がやりたいなということがだんだん明確になっていく中で、憧れている役がどっちなのか。あとは家柄も少しありますけれども、それはあくまで参考程度にしかしないと思います。自分の中で「女形になりたい」「立役になりたい」という方でどんどん分かれていって、両方やる人もいますしね。
宇  賀
米吉さんの場合はどうでしたか?
中  村
女形をやってみたいなという興味があったので、「女形をやりたい」というお話をして、そこから勉強させていただいています。
宇  賀
とてもお忙しそうなイメージがあるのですが、1年間のスケジュールはどんな感じなのでしょうか?
中  村
歌舞伎座が年間12ヶ月開いていますので、東京にいれば基本的にはいつでも歌舞伎が観られるんです。それとは別に、国立劇場や新橋演舞場、地方にも博多座や南座など劇場がそれぞれありますので、公演の数はかなり多く打っているんです。ですから、役者も毎月のように出ていて、年間10ヶ月、多い人は12ヶ月働いているかもしれないです。
宇  賀
そうなんですね。では、夏休みのようなものも…。
中  村
それが…僕は7月、8月と休みになりましたので、今夏休み中なんですよ。
宇  賀
そうなんですか! それはかなり珍しいことなのではないですか?
中  村
そうなんですよ。僕、2ヶ月連続は初めてです。
宇  賀
では、今珍しくのんびりできている時期なんですね。
東京にいればいつでも観に行けるということですが、「(歌舞伎は)なかなか難しいのではないか?」とか…。
中  村
敷居が高く感じる方が多いみたいですね。
宇  賀
初心者でももちろん観に行っていいわけですよね。
中  村
ぜひぜひ! 初心者こそ観に来ていただきたいです。
宇  賀
楽しむポイントはありますか?
中  村
僕はいつも、初めての方には「固く考えずに、わかろうと思わずに観てください」と言っているんですよ。わかろうと思って観るとわからないので。
宇  賀
難しいですものね。
中  村
僕らもわからない芝居がたくさんありますから。
宇  賀
そうなんですか?
中  村
「なんでそうなるの!?」というような。よくひも解いていけば、元々もっと古い原本があって、そのパロディーだから、というややこしいものが入っていたりもするんですよ。それは一発で理解することはできないので、最初は例えば「衣装がきれいだな」とか「女形が本当に女みたいだな」とか。音楽も全部生音ですから、邦楽器のフルオーケストラですよ。三味線があって、唄があって、鼓があって…それを感じるという部分だけでも楽しんでいただけると思うんです。
イヤホンガイドや、プログラムにあらすじも載っていますので、それを何となく頭に入れて、「こんな話だったんだ」と後付けでもいいので、観ていただけたらなと。固く考えないでいただくのが一番です。