第125回 今泉清さん
- 住 吉
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本当に人と人のぶつかり合いなんですね…!
ここからは、健康や元気の面にもフォーカスしたいのですが、今泉さんはご著書『オールブラックス 圧倒的勝利のマインドセット』で、アスリートのフィジカルについて、大事なのは「柔軟性」と「二足のわらじ」と書いていらっしゃいます。ラグビー選手はどちらかというと、パワーや筋肉などが大事に感じるのですが、柔軟性が大事なんですか? - 今 泉
- はい。柔軟性がないと、瞬発力も出ないですし、ケガをした後の回復も遅いんです。なので、いくら身体を鍛えていても、俊敏に動けないといけないんです。例えば、バーベルを150kg上げられる身体があっても、ボールのところにその身体がないと意味がない。いくら身体を鍛えて筋肉隆々になっても、仕事ができないと意味がないんです。
- 住 吉
- なるほど。では、かなり柔軟性を上げる練習も?
- 今 泉
- やっていますね。練習前、練習後、必ずやります。
- 住 吉
- どこの柔軟性が一番大事ですか?
- 今 泉
- スポーツ全般に言えるのは、肩甲骨の柔らかさですね。
- 住 吉
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どのスポーツでも、あとは年を取る中でも大事と言いますね。
球を投げたりもできなくなりますよね。 - 今 泉
- そうなんですよ。パスとか走るとか基本のところは、肩甲骨が柔らかくないと。足の速い人は、身体の動かない部分が小さいんですよ。足の遅い人は、手と足しか動いていない。そうすると、胴の部分が大きな箱になりますよね。足の速い人は全身が動くので、おへその辺りが動かないだけなんですよ。それはやっぱり柔軟性なんです。
- 住 吉
- これは速く走りたいお子さんにも参考になるアドバイスですね。
- 今 泉
- 足がどこからかという意識でまた違うんです。お尻で歩くことを覚えると、足が少し速くなります。
- 住 吉
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足ではなくお尻から動かす、と。
あともう1つのキーワードが「二足のわらじ」ですが、こちらは? - 今 泉
- 例えばアメリカに行きますと、メジャーリーグの選手は、夏はメジャーリーガーで冬になったらアイスホッケーやアメリカンフットボールの選手になる、という人もいるんですね。私も実は、サッカーをやっていて、キッカーとしてラグビーでプレーしていましたし、五郎丸選手も子供の頃にサッカーとラグビーを両方やっていて、キッカーになったんですが、残念ながら日本のラグビーの中においては、キッカーというのは特殊なポジションなので、全体の練習の中で時間を割いてキックの練習をするということはしないんですよ。キッカーは特別な時間を作って練習をするので、キッカーの育成が日本はまだまだ遅れているんです。なので、色んなスポーツをやっている方が、実はラグビーなどに応用できるんです。
- 住 吉
- ということで、今日は元ラグビー日本代表の今泉清さんにお話を伺っていますが、健康と向き合う機会、健康診断には行っていますか?
- 今 泉
- もちろんですよ。自分ではわからないですからね。
- 住 吉
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そうですよね。
それでは最後に、今泉さんの健康の秘密を教えてください。 - 今 泉
- 健康の秘密は、“老化のせいにしない”です。
- 住 吉
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そのせいにしないで、トレーニングなどを続けるということですね。今泉清さんの『オールブラックス 圧倒的勝利のマインドセット』は学研から発売中です。そして、日本で開催されるラグビーワールドカップは、いよいよ9月に開幕。今泉さんの今日のお話で、楽しく観戦できそうです。今泉清さん、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。日本人の死因で最も多いのは、がん。中でも大腸がんによって亡くなる方は、年間5万人。男性では第3位、女性では第1位の死亡原因となっています。協会けんぽでは、加入者ご本人向けに生活習慣病予防健診をご用意しています。大腸がん、胃がん、肺がん検診が含まれており、女性は2年に1度、乳がん、子宮頸がん検診が受けられます。早期発見、早期治療のためにも積極的に受診してください。協会けんぽ東京支部からのお知らせでした。
8月29日(木)のゲストは、帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科 准教授の渡邊清高さんです。次回もどうぞお楽しみに!