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第126回 渡邊清高さん

第126回 渡邊清高さん

住  吉
その詳しく調べましょうという時に出てくるのが、「大腸内視鏡検査」。
渡  邊
そうですね。
住  吉
実は今年、私も初めて大腸内視鏡検査を受けました。
その「大腸内視鏡検査」はどういう検査なのでしょうか?
渡  邊
便潜血と言って、便の中に血液が混じっていた場合には、腸の中を直接見ることが必要になってきます。そういった場合に行う検査として、大腸内視鏡検査があります。具体的には、そのままですとお通じがまだ残っているので、下剤をたくさん飲んでいただいて、腸の中を綺麗に洗い流します。お通じの色がさらさらになって綺麗になった時に、肛門から大腸内視鏡を…以前は腸の中をファイバースコープで見ていて、今ですとデジカメのようなものを直接お尻から入れていきます。大腸の長さは大体1m前後あるのですが、大腸の近いところから、盲腸や小腸の一部が見えるところまで入り込んでいって、腸の粘膜の様子や、ポリープや潰瘍、腫瘍がないかどうかを調べていく、というのが大腸内視鏡検査です。準備に大体2~3時間ぐらいかかって、検査は10~15分ぐらいですね。
住  吉
1回受けると安心というか。私の場合は、検便に血が混じったから行ったというよりは、40代も半ばだし、そろそろ行った方がいいかなと。以前から周りの人や家族も行っていたので、行った方がいいかなと思っていたのをようやく実行に移しました。クリニックも結構混んでいて、多くの方が受けているんだなと思いました。今どのくらいの頻度、年齢で検査をおすすめしているのでしょうか?
渡  邊
大腸内視鏡検査を直接人間ドックなどで受けることもできるんですが、国がおすすめしている大腸がん検診の方法としては、まずは大腸の便潜血ですね。というのは、全ての方に大腸の内視鏡をする場合、一定の確率で副作用や、合併症と言って腸に傷がついてしまったり、出血したり、穴が開いたりということが起こる場合があるんです。もちろん、直接腸の中を見ることができますので、一番確実かもしれませんが、安全性や大腸がんを見つける効率、費用対効果、実際の検診をする体制なども考えて、今のところまずは便の検査を受けていただくというのが順番としては良いのではないかなと思います。もし便潜血で血が混じるようであれば、その段階で大腸内視鏡を。便に血が混じっていれば全てがんかと言うと決してそういうわけではなくて、実際には精密検査を受けた方の3%くらいです。それでも、便に血が混じるということがわかった場合には、大腸がんを念頭に置いて、検査をおすすめしていますので、「検診を受ける」ということと、「検診で引っかかったら、きちんと精密検査を受ける」という二段構えがとても大切だと思います。
住  吉
便潜血検査で陽性だった方は、その後、精密検査をきちんと受けているんですか?
渡  邊
本当は精密検査を受けていただけるといいのですが、検診で陽性であっても、「検査を受けるのが怖い」「恥ずかしい」という理由で、精密検査を受けられない方が意外と多い、というのが残念なことで。精密検査受診率と言いますが、検診で引っかかって検査が必要なのに、その後検査を受けられない方が、全国で3割、東京ですと4割ぐらいいらっしゃるんです。がんが見つかって、きちんと治療できる可能性があるんですが、そのチャンスを逃してしまったり、後になってから、症状があって発見されて、その時には治療が難しい状況になっていたり…ということがありますから、検診を受けられたら、きちんとその結果を確認して、陽性であったらぜひ精密検査を受けていただきたいと思います。
住  吉
もちろん渡邊先生も、がん検診は欠かさず受けていますか?
渡  邊
はい。実際に受けてみて、どんな気持ちで患者さんがいらっしゃるのかなということを体感したりしております。
住  吉
ちなみに、渡邊先生ご自身が健康のために気をつけていること、健康の秘密を教えてください。
渡  邊
私が考える健康の秘密は、“楽しく運動すること”だと思います。
大腸がんも含めてなのですが、運動によってがんのリスクが下がるということがわかっているんです。例えば、タバコやお酒、肥満でがんのリスクが上がるということはよく知られているのですが、「○○をするとがんのリスクが下がる」ということはあまりなくて、例えば、普段の生活でがんのリスクを下げるものとしては、果物や野菜を適切に摂ったり、太りすぎず痩せすぎず、適度な体型を維持する、ということもとても大切なんです。その一方で、大腸がんに関しては「運動」もリスクを下げるということがわかっていて、タバコを吸わないで、綺麗な空気を吸いながら運動するということは、がんだけではなくて、色んな病気の予防という意味でも大切ですし、ストレス解消にも向いているということですし、何より楽しく続けられるということが大切だと思います。
住  吉
なるほど。渡邊先生はどんな運動を楽しんでいるんですか?
渡  邊
実は今日も履いてきたのですが、普段ランニングシューズを履いていますので、いつでもランニングができるようにしています。
住  吉
帝京大学医学部腫瘍内科 准教授 渡邊清高先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。日本人の死因で最も多いのは、がん。中でも大腸がんによって亡くなる方は、年間5万人。男性では第3位、女性では第1位の死亡原因となっています。協会けんぽでは、加入者ご本人向けに生活習慣病予防健診をご用意しています。大腸がん、胃がん、肺がん検診が含まれており、女性は2年に1度、乳がん、子宮頸がん検診が受けられます。早期発見、早期治療のためにも積極的に受診してください。協会けんぽ東京支部からのお知らせでした。
9月5日(木)のゲストは、シンガーソングライターの阿部真央さんです。次回もどうぞお楽しみに!