第171回 森田豊さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医師で医療ジャーナリストの森田豊さんです。
- 森 田
- よろしくお願いいたします。
- 住 吉
- 今日前半のテーマは、「コロナ太り解消!」。テレワークや外出自粛で、身体が重くなったと感じる方もいるようです。
- 森 田
-
サーティフィットという会社が20~49歳の男女600人を調査したところ、在宅の時間が増えたことで、女性の4割、男性の3割が「体重が増加した」と回答されたんです。平均およそ3kgも増えたということなんです。
そこで、今日もさっそく問題を出題します。住吉さん、リスナーの皆さんも一緒に考えてください。
コロナ太りを生み出す要因には、医学の世界では「●●症候群」という呼び名がついています。次のどれでしょうか?
A. お相撲さん症候群 B. ベートーベン症候群 C. モナリザ症候群 - 住 吉
- えー…… 「C. モナリザ症候群」かな。じーっとしている感じがあるので。
- 森 田
-
正解です! ダヴィンチの書いたモナリザとは関係ないんですが…。
1991年にアメリカの教授によって名付けられたもので、交感神経の働きが衰えている人は太りやすい、という意味なんです。
絵画のモナリザとは関係なく、英語で「Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity」の頭の文字を取ったものです。 どういうことかと言うと、日中に活動的に動いている人というのは、自律神経の中でもアクセルの役割をする交感神経が活発に働いていて、アドレナリンというホルモンが分泌されて、脂肪が燃やされて、カロリー消費に繋がるんですね。
ただ、ステイホームなどでダラダラと過ごしていた場合には、この交感神経の働きが衰えるので、太りやすくなると。別名「自律神経太り」とも考えられていますね。
この症候群に陥っていないかどうかを調べるチェックリストを作ってみました。
次の6項目のうち、3項目以上該当していたら危険と考えてください。
【モナリザ症候群チェックリスト】
1. 食べ過ぎていないのに太る
2. 目覚めが悪い
3. 運動はほとんどしない
4. 家でゴロゴロするのが好き
5. お風呂はシャワーだけ
6. 深夜1時以降に寝ることが多い
- 森 田
- 住吉さんは大丈夫ですか?
- 住 吉
- 今はスタジオ出勤するようになったので、大丈夫になったかも…。でも、おうち時間が長くなると、家でゴロゴロする以外、することがなくなってしまう時もあって、こうなりがちなのは実感しました。
- 森 田
-
そうですよね。だから朝起きたらきちんと着替えて、場によってはお化粧をするというのもいいかなと思いますね。
ずっと寝巻きでいたという人も結構多いですよね。モナリザ症候群にならないためには、日中に活動的に過ごして夜はしっかり休む、つまりメリハリある生活を送る、ということが健康的だと考えられています。
さらに、外出自粛で筋力も衰えてしまった、という方も多いんですよね。筋肉量が少なくなると、基礎代謝も少なくなりますから、痩せにくい身体になります。サルコペニアという、サルコが筋肉でペニアが減少という意味なのですが、そのサルコペニアによって筋肉が衰えて、転びやすくなったり、ケガをしやすくなるということもあるので、この時期は体力をつけて筋力をつけるということが大事かなと思います。 - 住 吉
- 雨の合間にお散歩に出たり、そういうことを意識することも大事かもしれませんね。
- 森 田
-
そうですね。
脂肪を減らして筋肉量を増やすために、ここでもう一問出題します。
お腹周りの脂肪を少なくするために、効果的な運動をするとしたら、次のうちどれが最もよいでしょうか?
A. 腹筋運動 B. 腕立て伏せ C. 自転車こぎ - 住 吉
- お腹周りの脂肪なら、「A. 腹筋運動」じゃないんですか?
- 森 田
-
正解は、「C. 自転車こぎ」なんです。
身体の筋肉の70%は下半身についていますから、自転車こぎやスクワットなどをして、太ももの大きな筋肉、大腿四頭筋などを使うことが大きなカロリー消費に繋がって、その結果、お腹周りの脂肪を少なくすることができるんです。
住吉さんの考えもよくわかるんですが、腹筋運動をして部分痩せというのは、医学的見地からはほとんど期待できないと。 - 住 吉
- えっ、そうなんですか!
- 森 田
- 脂肪は、全身で均等に落ちていくもの、というのが医師らの考えなんです。
- 住 吉
- そうか…。だから、やはり身体全体の消費を上げなければいけないと。
- 森 田
- そうですね。腹筋運動をすると、腹筋の筋肉が鍛えられますが、外にある皮下脂肪の部分だけが集中して減るというわけではないんです。