第172回 安藤裕子さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、シンガーソングライターの安藤裕子さんです。
- 安 藤
- よろしくお願いします。
- 住 吉
- ニューアルバム『Barometz』が8月にリリースされます。4年半ぶり、通算10枚目のアルバムです。4年半ぶり、というのはちょっとお久しぶりですが…。
- 安 藤
- すごく長い時間潜って、やっと浮上してきたというか、そういう感覚はありますね。
- 住 吉
- 「潜って」というのは、しばらく音楽を作る気にならなかった?
- 安 藤
- THE 枯渇みたいな感じですかね…。本当に曲が出てこないという時期があったんですよね。
- 住 吉
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何でもそうですけれども、出すためには吸収をしたり、休養をしたり、色々なことも大事で…その期間明けの「Barometz」なんですね。
ちなみにこの「Barometz」というのは、どういう意味なのでしょうか? - 安 藤
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「羊のなる木」という…たぶん綿と間違えたと思うんですけど、ウールしか知らない人たちが旅している中で初めて綿を見た、ということなのではないのかなと。もっと違う植物とも書かれていたりするんですけど、見間違いなのかなと思いつつ、でも素敵な話だなと思っていたんですよね。
それで今回アルバムを作っていて、ジャケットを絵にしようと思って、ふと羊のなる木を思い出して、それを書いていたんですよ。じゃあ、これもタイトルにしちゃおうと思って、タイトルにしたんですけど、よくよく考えると、久しぶりのアルバム作りの中で、今まで安藤裕子が作ってきた音楽との方法論が違う感じのことを、この4年とあるけど、作り出すまでの土台づくり3年間って、結構無茶なことをしていたんですよ。フェスやイベントで全部新曲ばっかり歌っていくとか、結構御法度でやっちゃいけなかったりするんだけど、そういうのとか、もう1回生き返る、再生するために何が自分に必要な音楽なのかなというのをすごく探る3年間があって。そこから作り出した作品だったから、端から見ると、こりゃダメだなと思われているんじゃないかなと思いながらも、自分を探さなきゃと思ってやっていたから、そういうものにすごく通ずるというか。きっと羊のなる木の話を一生懸命しても誰も信じてくれなかっただろうなという感覚もありつつ。そうやって、自分の中でだけ「Barometz」というのがありました。 - 住 吉
- ご自身の中で、そういう羊のなる木的な納得感のあるアルバムに仕上がりましたか?
- 安 藤
- 結果、作っている作業がすごく楽しかったから、これは正解だと思います。