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第174回 三宅邦明さん

第174回 三宅邦明さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医師で、株式会社ディー・エヌ・エー CMOの三宅邦明さんです。
三  宅
よろしくお願いします。
住  吉
今日は「健診受診勧奨」というテーマです。健診をしっかり受けて健康に!というお話を伺っていきます。
まず前半は、三宅さんの取り組みにスポットを当ててお話を伺います。三宅さんは、厚生労働省の医系技官として24年間勤められた後、昨年の春、DeNAの新しい役職、CMO(チーフ・メディカル・オフィサー)に転身されたそうです。
DeNAというと、色々な取り組みをしている企業というイメージで、医療・医学にも最近力を入れているんですよね?
三  宅
はい。5年ほど前から健康分野に関しても色々なことをやらせていただいています。
住  吉
CMO(チーフ・メディカル・オフィサー)という役職は、どのようなポジションなのでしょうか?
三  宅
DeNAという会社は、横浜DeNAベイスターズの親会社だったり、『怪盗ロワイヤル』などのゲームだったり、色々なことをやっている会社なのですが、「永久ベンチャー」ということで、みんなを驚かせて喜ばせることだったら何でもやろう、という集団なんです。
その中でも、健康で元気に暮らすことは非常に重要だということで、その観点に立って、何ができるか、どんな連携ができるか、ということを考えている役職です。
住  吉
なるほど。具体的にDeNAが取り組むヘルスケアのプロジェクトとは、どのようなものがあるのでしょうか?
三  宅
色々あるのですが、大きく底辺に流れているものは、一つは「楽しく健康に」ということです。何事も真面目にやり過ぎたら続かないのではないかと。楽しくやれば続くし、健康に繋がりやすいのではないか、ということです。それからもう一つは、データをきちんと取って、そのデータに基づいて分析をして、皆さんがより楽しく続けられるエビデンスを作っていく。その二つが、大きく共通しているところだと思います。
住  吉
ニュースでもその当時「おぉ!」と思ったのが、「自宅でできる遺伝子検査」というものも始められていますよね?
三  宅
そうですね。遺伝子検査サービス『MYCODE』という商品なんですが、遺伝子の持つ情報を解説することで、検査を受けた人の病気のかかりやすさや体質などの遺伝的傾向を知る検査です。インターネットで申し込みますと、唾液を送付するだけでわかります。
今までで大体10万人の方々に受けていただいています。
住  吉
すごい! あと、ヘルスケアエンターテインメントアプリ『kencom』というものもあるそうですね。
三  宅
はい。健康診断の結果をスマートフォンなどの手元で見ることができまして、それに応じて健康に役立つ情報、糖尿病の方、高血圧の方など、病気に応じた健康情報を見られるようにしたり、それを見たり、歩いたりすることによって、ポイントがたくさんついて、そのポイントでルーレットを回すとAmazonギフト券などが当たるんです。そういうゲーム性も大事にしています。
住  吉
なるほど。だから「ヘルスケアエンターテインメント」なんですね。
あと、DeNAといえば、横浜DeNAベイスターズですが、ヘルスケアや医療と関係しているのでしょうか?
三  宅
少し話がそれるのですが、イギリスでは2018年に孤独担当相というポストを作りました。その背景として、イギリスの調査で、10代の子供の60%以上が時々孤独を感じていたり、65歳以上の360万人の人たちがテレビを唯一の友達と考えている、ということがありました。実際、ある調査によると、孤立感というのは1日のタバコ15分分に相当する、肥満の2倍のリスクがある、などという報告があるんです。そういう意味では、生活習慣病も非常に重要ですが、孤立感の解消、連帯感というのは非常に重要なことだと思っています。
横浜DeNAベイスターズ、そして我々はバスケットチームなども持っていますが、そういうところでのファンのコミュニティ、それから応援する時の一体感、そういうものは非常に健康に良いものだと思っています。
住  吉
面白いですね。
でも新型コロナウイルスの影響で、今おっしゃったその孤独などが自分の健康状態とすごく結びついているなということは、皆さん感じられたかもしれないですね。
三  宅
そうですね。それぞれが今回の新型コロナウイルスの中で、色々なストレス、一緒に食事をする家族などの結びつきなど、色々なものを再確認できたのではないかなと思いますし、自分自身も非常に痛感しています。
住  吉
三宅さんは、医学部を卒業した後、医師にならずに厚生労働省に入る、という道をどうして選ばれたのでしょうか?
三  宅
ずいぶん前のことなので気恥ずかしい思いもするのですが…やはり一臨床医で目の前の患者さんを救うだけではなくて、厚生労働省でシステムの改革を目指す方が、多くの人々の役に立つのではないかと思ったからです。イメージとしては、もぐらたたきゲームといつも思っているんですが、もぐらたたきゲームは目の前に出てくるもぐらを夢中になって叩きますけれども、それを冷静になって遠くから見て、ゲームの機械そのものの周りを見ると「あそこにコンセントがある!」と。そのコンセントを抜いてしまうと、もぐらはもう出てこない。病気をいかに予防して出てこないようにするか、そのコンセントを見つける仕事ができたらいいのではないかと思ったんです。
住  吉
それで24年間そういったお仕事に取り組まれて、昨年DeNAに入るということですが、DeNAに転職というのは大きな決断だったと思います。
三  宅
そうですね。厚生労働省時代にメタボリックシンドローム対策などをやり始めたりしたんですが、そのような中でやはり十把一絡げに一つのやり方ではできないと。そうすると、ITを使って上手く個別化をするけれども効率的にできる、ということを今後しなければならないのではないかと。そう考えますと、IT企業で一緒にやるということは非常に面白いかなと思ったのがきっかけです。