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第182回 池谷敏郎さん

第182回 池谷敏郎さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、東京都あきる野市の池谷医院 院長、池谷敏郎先生です。
池  谷
おはようございます。お願いします。
住  吉
今日のテーマは「健康増進普及」、つまり「積極的に健康づくりしようよ」ということです。
池谷先生のご専門は循環器内科ということで、血管や心臓など…。
池  谷
そうです。心臓の病気というのは、心臓が悪い場合もありますが、冠動脈という心臓を養っている血管に起こる動脈硬化を予防することで、心筋梗塞などを予防しようと、日々外来で患者さんに指導させていただいています。
住  吉
池谷先生はご著書も出していらっしゃって、そのタイトルが『血管・骨・筋肉を強くする! ゾンビ体操』という本です。これは、長年患者さんに接した中で開発された運動なのでしょうか?
池  谷
色々と素晴らしい運動があって、色々な方が提唱していて、自分も色々とやってきてのですが、いい運動を一つ聞いて「それ、いいな」と思っても、皆さん大抵三日坊主で終わってしまって、患者さんに「こういう運動をしてください」と言っても、次にお会いした時には言い訳しかしないですね。おそらく数週間頑張って、残りは全部言い訳を考えていたのではないかというぐらい。例えば、今の時期だと新型コロナウイルスが怖いから外に出られなくて運動しなかったとか。あと、秋は花粉症だとか、これからは寒いからできないとか、足が痛いからできないとか、そういうことなんですよ。その言い訳ができないようにしていくために、言い訳する材料を全部抜いていったんです。
住  吉
これは健康に良いとわかっているのに、言い訳してしないのはなぜなのでしょうね。
池  谷
面倒臭いんですよね。それか複雑すぎてできないとか。
それで、暑い寒いなら外に出ないで家の中でできることをしましょうよ。花粉も含めて。それから、時間がないなら5分でできる運動にしましょう。足が痛いなら足が痛くてもできるような運動にしましょう。スペースはと言ったら、1メートルの円の中でできるくらいの運動にしたんです。
住  吉
今のことを全部満たしているのが、「ゾンビ体操」?
池  谷
そうなんです。
住  吉
面倒臭くなく、小さなスペースで簡単にできる体操ということで、今スタジオの中で座っている状態ですが、この状態でできるゾンビ体操もあるのでしょうか?
池  谷
そうですね。座った状態でもできるのですが、本来は椅子を引いて立ち上がります。その場で立ったら、お腹に少し力を入れて、姿勢を良くして立つんです。そしたら、そのままその場でスロージョギングするんです。
足が痛い方は足踏みでも大丈夫。元気を出せる方はスロージョギングをしていただいて。肩って、走った時に前後左右に動きますよね。手を下に降ろした状態で、肩を大げさに動かすんです。でんでん太鼓みたいに、あるいは子供のイヤイヤみたいな感じ。イヤイヤをしながら、その場でジョギング。これを1分間続けるんですよ。1分間やったらちょっと息が上がってきますから、ゆっくりウォーキングを30秒。その場でイヤイヤをしながらジョギングを1分したら、30秒歩く、これを3回繰り返すだけでいいんです。
住  吉
それで終わりですか!?
池  谷
そうです。これを3回繰り返すと、だいたい10分のウォーキングと同じぐらいの運動量になるんです。
ですから、これを朝・昼・晩と行っていただければ、1日30分ぐらい歩いている人と同じ運動のレベルになるんです。
住  吉
なぜそんなに効果があるんですか?
池  谷
小走りというのは、結構全身の筋肉を使うんです。上半身はイヤイヤをするじゃないですか。これで上半身の筋肉もほぐれるので、全身運動になるんです。
住  吉
ちなみに、上半身のイヤイヤの動きをやるとやらないでは全く違うのでしょうか?
池  谷
とにかく、運動することでストレスの発散もしてほしかったんですよ。それから、肩こり、頭痛を言う方が結構多くて、こういう方は上半身の運動が必要なんですが、さっきも言ったように皆さん言い訳をするので、全部集約しないとやってくれないんです。オールインワンの運動にしたかったんです。 だから上半身はイヤイヤをしながらストレス発散。そして、首、肩の循環も良くなりますから、肩こりの解消にもなる。冷え性も取れてしまいます。
住  吉
なるほど!
これを外でやってもいいのでしょうか?
池  谷
一つだけ欠点があるとしたら、「恥ずかしい」ということ(笑)。だからこそ、家でやってほしいですね。
あと、お手洗いに行くタイミングがあるじゃないですか。今、家で仕事をしている方もいらっしゃると思うんですが、トイレに行くタイミングを運動に変えてもらうという方法で、ゾンビ体操をしながらスロージョギングをして、1.5倍ぐらい時間をかけてトイレに行く。座る時もパッと座らないで、ゆっくり座るんです。8秒ぐらいかけて座る。
住  吉
スロースクワットのような?
池  谷
そうです。そして終わったら、ゆっくり8秒かけて立ち上がって、またゾンビ体操をしながら、1.5倍ぐらい時間をかけて戻ってきて、何食わぬ顔で仕事をする。 トイレの回数が多い人ほど、運動のチャンスが増えるということになりますね。
住  吉
ゾンビ体操は、「血管力」も上げてくれるそうですが、「血管力」とは何でしょうか?
池  谷
「血管力」というのは、血管がしなやかで内腔が滑らかで、詰まったり破れたりして脳や心臓の病気にならない、血管の若々しい力というか、それを表しています。
住  吉
血管は、人によってそんなに違うのでしょうか?
池  谷
違うんです。例えば、生活習慣病を持っているとか、喫煙者だとか、ストレスにさらされている方、こういった方が、血圧も上がりやすくなったりして、血管が早く老化しやすくなるんです。
住  吉
血圧が高い状態が続くと、血管そのものの老化も進むのでしょうか?
池  谷
そうです。例えば、水道管も水圧を高くしてずっと使っていると、中に傷がつきやすい、というイメージでしょうか。
血管は、パイプのように硬くなくて、ゴムのように柔らかいんです。
住  吉
ホースのような?
池  谷
そうです。古くなっていくと、だんだん硬くなるじゃないですか。ちょっとひびが入ってきたりして。それで中が詰まりやすくなったり、破裂してしまったり、というイメージです。