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第187回 明石定子さん

第187回 明石定子さん

住  吉
検査の予約をする時に、日付も気をつけるということですね。
そして、セルフチェックも重要だと思いますが、方法やコツなどはありますか?
明  石
触る時につまんでしまうと、正常な乳腺をつまんでしまうんですね。なので、誰でもしこりがあると間違えてしまうので、挟んで触るのではなく、指の腹で少し押しながら滑らせていく。例えば、お風呂で石鹸がついて滑りが良い状態の時に、少し押しながらまんべんなく触っていくということですね。がんは、石のように硬いという表現をするんですが、硬いんですよね。若い女性の場合には、線維腺腫と言って良性のしこりがよくあるんですが、そのしこりは消しゴムのような柔らかさで、触った時につるんと逃げやすいので、全てのしこりががんというわけではないんですが、ご自分で、そのしこりが良性なのか乳がんのしこりなのかを判断するのはなかなか難しいので、気づけば受診していただくといいと思います。
あと、生理前にしこりがあると思っても、生理が終わった後に消えてしまうことがよくあるので、そういう場合には慌てて受診するのではなく、生理が終わってからもう一度触ってみて、消えていれば受診していただく必要はないです。
乳がんというのはゆっくり進むものなので、一刻を争うわけではないんです。なので、落ち着いて、時間をあけてもう一度触ってもらえるといいかなと思います。
住  吉
乳がんについて、リスナーからこんな質問も届いています。

「胸が大きい小さいで乳がんのかかる率は変わるのでしょうか?」
明  石
特にそういうデータはないんですよね。こう思っている方は結構いらっしゃって、私は小さいのに何で乳がんになったのかしらという方もいらっしゃるんです。なので、大きさに関わらず、検診は受けていただければと思います。

「乳がんの初期症状はどんな感じですか?」
明  石
ご自分では特に痛みなどはほぼないんですよね。なので、しこりを見つけるということが大事です。
それと、乳頭から血液が出てきて見つかることもたまにあるんです。なので、血液混じりの真っ赤だったり、場合によっては黒いので、その時には検査をする必要がありますね。
住  吉
乳がんは、進行によっては切除という選択になるんだと思うんですが、そんな中、今現在一部切除ではなく、全摘で乳房再建手術を受けるという、技術や制度の変化で再びその選択肢が注目されていると聞きました。
明  石
乳がんという診断がついた場合には、基本的には切除が大原則であります。
2013年に、乳房再建が保険でできるようになったんです。日本の保険制度だと、保険適用外の治療というのは保険と同時にできないので、昔は全摘をしても同時に再建ということができなかったんですが、保険適用になったら、治療して切除するのと同時に再建も保険の範囲でできる、同じ日にできるようになりました。なので、昔だとちょっと場所が悪くて変形しやすそうだなと思っても、少しでも残したいとご希望の方は、無理してでも乳房温存という選択をされていたんですが、乳房温存した場合には、術後に放射線治療に通うという手間もありますので、それであれば、綺麗に取って綺麗に再建したい、とご希望の方も増えているという状況です。
ただ、もちろん再建は絶対しないといけないというわけではなくて、乳がんの治療に専念したいという場合も、再建は後からやろうと思えば後からでも選択できますので、ゆっくり考えたいということでも大丈夫です。
住  吉
そして、番組ホームページで健康診断についてアンケートを行っていまして、「乳がん検診を受けたことはありますか?」という質問に、33%の人が「YES」、67%の人が「NO」と回答しています。 明石先生は、この結果をどう捉えますか?
明  石
非常にもったいないですよね。早期発見すれば治る確率が非常に高くて、0期であればほぼ100%近くですし、1期でも90%以上治るというがんです。ただ一方で、やはり進行してしまうと治る確率はどんどん下がっていってしまいますので、早期発見しやすいがんなので、ぜひ受けていただきたいと思いますね。
住  吉
改めて、乳がんの早期発見のため、40歳以降は2年に1回の検診をぜひ受けてください。そして気になる症状があれば、すぐに乳腺科を受診してください。
それでは最後に、明石先生ご自身が健康や元気のために心がけていること、「健康の秘密」を教えてください。
明  石
健康の秘密は、“筋トレ”です。だんだんと体力も落ちてきたなということを最近感じていまして、高齢になった時に、転倒して骨折して寝込んでしまうという予防のために、今、筋肉貯金をしているところです。
住  吉
どんな筋トレをされているのですか?
明  石
ジムに行って、トレーナーさんについてもらってトレーニングしています。
住  吉
明石定子先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。皆さんは、乳がん検診を受けていますか? 生涯のうちに乳がんになる日本人女性の割合は年々増加し、現在では9人に1人と言われています。協会けんぽでは、加入者ご本人さま向けに、乳がんなどの様々ながんに対応した生活習慣病予防健診をご用意しています。早期発見、早期治療のためにも、ぜひご利用ください。詳しくは、協会けんぽ東京支部のホームページをご覧ください。
11月5日(木)のゲストは、藤原さくらさんです。次回もどうぞお楽しみに!