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第190回 柄本明さん

第190回 柄本明さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、俳優の柄本明さんです。
柄  本
おはようございます。よろしくお願いします。
住  吉
ドラマ『半沢直樹』での箕部幹事長や、今は『監察医 朝顔』での心優しいおじいちゃんなど、毎週テレビで拝見することができるのですが、色々なキャラクターを見事に演じ分けて、テレビの前で観ている私たちの心臓をぎゅっと掴むような演技でいらっしゃるなと感じます。あれだけの幅をどうやってご自分の中で演じ分けていらっしゃるのでしょうか?
柄  本
とにかくこの仕事は、向こうから色々な役が来ますからね。悪い役とか良い役とか色々来ますから、それをやるのが…まあそういう仕事ですからね。
住  吉
では、あまりご自身ではその後、役に引きずられたりということもなく?
柄  本
いやあ、全然ないですね。
住  吉
私たちの方が引きずっているのかもしれません(笑)。
そして、劇団東京乾電池の座長として、舞台人としても強い光を放っていらっしゃいますが、年末年始、舞台に臨まれます。『てにあまる』という舞台ですが、どういう物語なのでしょうか?
柄  本
なんと言えばいいのかな…。そんなに簡単な芝居ではないんですけどね。ある男がいまして、IT企業の社長で金持ちなんだけど、そこに昔別れたお父さんがいて、お父さんがその金持ちの家にやってきたりするんですよね。それで、奥さんとの離婚話があったり、部下と奥さんの不倫があったり…と色々ごちゃごちゃしているんです。
住  吉
ごちゃごちゃとした人間模様が。
その中で、柄本さんは老人役、先ほどお父さんとおっしゃっていた役でのご出演、そして演出も手掛けられるんですよね?
柄  本
そうなんですよ。僕は自分では演出家だと思っていないんですけど、劇団では立場上、僕が演出することが多くて。でもそれはだいたい小さい劇場で、何十人とかの舞台でしたから、今度は800人とか入るような大きいところですし、他所で演出したりするのは初めてなので、大変緊張しております。
住  吉
柄本さんも緊張されるんですか!
柄  本
緊張していますね。作家の方とも打合せしながらやっているんですけど、初めての方なので。そういう作業って、僕の演劇人生の中で初めてなものですから、緊張しています。
住  吉
この作品を演出するというのは、ご自身で選ばれたんですか?
柄  本
いやいや、プロデューサーの方から。最初は、藤原竜也さんと何かやらないかということで、僕は出るだけだったんですけども、『柄本家のゴドー』というドキュメンタリー映画があったんですよ。うちのせがれの柄本佑、柄本時生が舞台をやっていまして、その芝居の演出を僕がやったんですけども、それがドキュメンタリー映画になっているんです。それをたまたまプロデューサーの方が観たんでしょうね。それで「柄本さん、演出もするんじゃないですか」という話になって、「演出しませんか?」ということでこうなっちゃったんですけどね(笑)。
住  吉
こうなっちゃった(笑)。
今おっしゃった藤原竜也さんがIT企業の社長の男役で、高杉真宙さん、佐久間由衣さんとの4人舞台なんですね。
藤原竜也さんとは、舞台では5年振りの競演?
柄  本
5年振りになるんですかね。前に『とりあえず、お父さん』というお芝居でご一緒しまして。ちょっと…素晴らしいですね、あの人は。ある種、天才の一人なんじゃないかな。
住  吉
そして、リスナーの方からもたくさんメッセージが届いています。
「親子で演劇論を戦わせたりすることはありますか?」という質問をいただいています。
柄  本
演劇論を戦わせるという感じではないですけど、話はしますね。映画の話が多いです。僕もそうなんですけど、うちの家族はみんな映画ファンなんですよね。映画を観るのが好きなんです。
住  吉
自分が仕事としてやった映画ではなく、好きで観た映画の内容や良さについて語り合う?
柄  本
そうですね。佑も毎年200本ぐらいは観ているだろうから。だから映画の話はしますね。
「この映画が面白かった」というメールも来ますしね。
住  吉
小さい頃から親子で映画の話をされていたんですか?
柄  本
僕の親父とお袋が映画の話しかしないような家だったんですよ。だから、DVDとかそういうもので観るのではなくて、うちの場合は映画館に行ったものをカウントしていますね。