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第196回 角田和彦さん

第196回 角田和彦さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、かくたこども&アレルギークリニック院長、角田和彦先生です。
角 田
おはようございます。よろしくお願いします。
住  吉
角田先生のクリニックは宮城県多賀城市にあるということで、今日はリモートでお話を伺います。
2020年も早いものでもう大晦日ですが、今年は角田先生のクリニックでも新型コロナウイルスの影響はありましたか?
角 田
そうですね。うちの病院は遠方から来ている方が多くて、日本中から来ているので、交通手段がなくなってしまって来れなくなった方が結構います。
住  吉
そうですか…。新型コロナに気をつけながらの年末年始となっていますが…今日のテーマは、「花粉症と化学物質」です。
改めて、「花粉症」とはどんなメカニズムの病気なのかを教えてください。
角 田
花粉症というのは、スギやヒノキなどの花粉が身体に入ってこようとする時、それが入らないように鼻水やくしゃみ、咳などの症状を出す仕組みですね。
2008年の調査だと、日本人のスギ花粉症の有病率が26.5%なんです。最近だと2017年の、東京都のスギ花粉症の有病率が48.8%なので、約2人に1人ぐらいはスギ花粉症の方がいるということになっています。
住  吉
パーセンテージがすごく高いですね。
それでも花粉症になる人とならない人がいるのは、どうしてなのでしょうか?
角 田
基本的には、花粉がそこに存在しているかどうかということと、毒物や有害な化学物質を見つけ出して避けるための能力なので、そういう能力を持っているかどうか。
そこの場所に空気の汚さが加わるとアレルギーを起こしやすくなってしまいます。
あともう一つは、その方がアレルギーを起こす力があるかどうか、つまり、化学物質や毒物を避けるための能力を持っているかどうかで決まります。
住  吉
なるほど。アレルギーを起こす能力、その物質に対してきちんと反応しているという捉え方もあるんですね。
角 田
そうですね。あんなに小さなものを見つけ出して、それを避けるために鼻水を出したりするというのは、能力ですよね。
住  吉
空気の汚れ具合や化学物質などというお話もありましたが、角田先生は花粉と化学物質の関係に注目していらっしゃるとか?
角 田
そうですね。
住  吉
具体的には、どういうことでしょうか?
角 田
基本的に、空気が綺麗なところでは花粉症が少ない、ということはわかっているんですよ。空気が汚いと花粉症を起こしやすい。だから、東京や工場地帯のような空気の汚い場所では花粉症が多くなるけれども、空気が綺麗な場所、特に昔、おじいさんやおばあさんたちは花粉症がないのに子供たちは花粉症を起こす、という話がありました。今はおじいさん、おばあさんたちも花粉症の多い時期から生きてきているので、当てはまらなくなってきたんですけれども…。 花粉は、空気中の色々な汚れを吸着して落ちてきます。それが身体に入ってくると病気になってしまうので、それを避けようとしてアレルギーを起こして、花粉を中に入れないようにしているんだと考えています。
住  吉
そうなんですか!
花粉症というのは、スギ花粉そのものに身体が「敵だ」と反応しているんだと思っていたのですが、化学物質がついているのでむしろそっちに反応しているんですか?
角 田
そうです。スギ花粉でも、綺麗なスギ花粉はおそらくアレルギーを起こしにくいです。
表面に化学物質がたくさんついている花粉は、汚くて身体に毒、つまり身体の色々な臓器を壊してしまうので、それを嫌がって花粉症を起こして、身体に入らないようにしているんです。
住  吉
その微細な違いを身体が感じ取って、アレルギーを起こしていると。
道路沿いに生えているような草や、秋の花粉症もありますが、色々な植物でも同じことなのでしょうか?
角 田
そうですね。道路沿いに生えているイネ科の花粉やキク科のヨモギやブタクサなどはアレルギーを起こしやすいのですが、車の排気が綺麗になればなるほど、花粉症が少なくなる可能性はありますし、スギ花粉の場合は、大気汚染がなくなって綺麗になってくると、おそらく花粉症が減ってきます。
住  吉
そうなんですね。
ハウスダストの花粉症の方もいらっしゃいますよね。ホコリがダメだという方も。
角 田
ハウスダストには中身がたくさんありまして、花粉も含めて、動物の毛や人の皮膚のカス、食べ物のカスとか。ダニのフンが一番多いですが、そういうものが混ざったのがハウスダストなので、その中にも化学物質がたくさん入っているんですよ。それを嫌がってアレルギーを起こして、身体に入らないようにするので、化学物質の影響をなくしてアレルギーを軽くするためには、掃除をすることがとても大切です。
住  吉
今おっしゃっていた動物のアレルギーも、化学物質が関係しているのでしょうか?
角 田
診ていると猫のアレルギーの方もいるんですけれども、猫のエサを変えると良くなる方がいるので、猫の食べているエサの化学物質汚染がひどいんだと思います。
猫が化学物質汚染の少ないエサを食べて、そこから出たフケや皮膚の分泌物などが少なくなると、おそらくアレルギーは少なくなると思って今診療しています。
住  吉
アレルギーと化学物質は、実は幅広く関係があるんですね。
角 田
そういう化学物質を排除するためにアレルギーが増えているのではないかと考えています。
住  吉
その化学物質の身体への影響は、暮らし方やお掃除でもだいぶ減らせるのでしょうか?
角 田
ええ。家のホコリの中に花粉や色々なものが入っているんですけれども、そこに同時に化学物質が存在しているので、それをなくすとアレルギーを起こさなくても良くなります。掃除の仕方、部屋に持ち込まないようにする方法、吸い込まないようにする方法、それがほとんど今の新型コロナウイルスの対策と全く同じなわけです。
住  吉
確かに…! その両方の対策になり得るという、暮らし方や掃除の仕方などを伺いたいのですが、まず“暮らし方”という点ではどんなことができますか?
角 田
花粉症の話なので、まずは花粉をどう対策するかということになります。花粉を吸い込まない、または身体につけない、あとは目や鼻、口から入ってくるのを防ぐということになりますので、基本的にはマスク、そしてひどい方はメガネをしてもらう。
マスクも、不織布のマスクだと結構花粉が取れるんですけれども、布製やポリウレタン製のマスクだと花粉には効果が少ないので、花粉の時期は不織布のマスクで花粉をブロックしていただいた方が良いと思いますね。
住  吉
それは、隙間が大きすぎるということですか? 
角 田
そうですね、花粉は通ってしまうんですよね。