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第204回 若林進さん

第204回 若林進さん

住  吉
すすめてくださる薬局は増えていて、でも最終的にはご自身で判断することになるので、今日教えていただいていることなどを基に、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選んでみるというのが手かもしれませんね。
若林さんは薬のスペシャリストということで、ここからは薬に関する最新情報も伺っていきたいと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大で、薬剤師の仕事の現場には、どんな影響や変化がありましたか?
若  林
当院も2020年2月末頃から新型コロナウイルスの体制になりまして、感染防止対策などが行われるようになってきました。
我々スタッフも行動制限されていまして、プライベートな時間での同居家族以外との会食は禁止されています。
住  吉
そうですか…。
新型コロナウイルスのワクチンについても皆さん気になっていると思うのですが、治療薬についてはどんな状態なのでしょうか?
若  林
当院は、特に中等症や重症の新型コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れているのですが、レムデシビルという注射薬を使っている患者さんが多くなっています。
ワクチンについては、準備を進めているところです。我々は臨床現場にいますので、3月頃に最初の接種が行えるのではないかと思います。
住  吉
最近耳にする「バイオ医薬品」とは、どういうものなのでしょうか?
若  林
医薬品の分類の中のひとつの呼び方なんですが、今日お話しさせていただいた薬の多くが、化学合成されて作られる医薬品なんです。「低分子医薬品」と呼ばれていて。
最近は、タンパク質でできた医薬品がありまして、それが生き物の力、バイオ技術を使って作る医薬品です。ワクチンもそうですし、糖尿病患者さんが使うインスリン製剤もそうなんですが、細胞を培養したりして作っています。生物学的製剤と呼ぶ場合もあります。
バイオ医薬品は、がん治療の分野にも多く使われていまして、話題になったものとしては、京都大学の本庶佑先生のノーベル賞受賞でも注目が集まった「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれるバイオ医薬品、抗体医薬品とも呼ばれますが、がん治療の分野でも治療効果が高く、副作用も少ないということで、よく使われています。
私は、バイオ医薬品の適正使用に向けた理解を深めていただくために「くすりの適正使用協議会」という団体で活動しています。一般の方向けに「バイオ医薬品ってどんなもの?」という解説書を作ってWEBで公開していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
住  吉
今話題のワクチンも、バイオ医薬品のひとつなんですね。
若  林
そうですね。培養するので作るのに時間がかかるんです。
住  吉
さらに「バイオシミラー(バイオ後続品)」というものもあるそうですが、これはどういうものなのでしょうか?
若  林
バイオ医薬品は培養技術を使って作りますので、作り方が難しくて、その分、少し高額な医薬品になっています。10万円台のバイオ医薬品の抗がん剤なども病院の中にたくさんあります。
そのバイオ医薬品の特許が切れた、ジェネリック医薬品(後発医薬品)と同じような扱いのものを「バイオシミラー(バイオ後続品)」と呼んでいます。
住  吉
なるほど、呼び方は違いますが、バイオ医薬品のジェネリック医薬品(後発医薬品)のようなものなんですね。
若  林
培養技術が必要なので、全く同じものを作ることはできないんですが、“シミラー”は“似ている”という意味で、それで承認を得ているので、基本的には同等の医薬品です。
少しでも負担も減らすために、バイオシミラー(バイオ後続品)がたくさん使われるようになっています。
住  吉
お薬との上手な付き合い方について、何かアドバイスはありますか?
若  林
「おくすり手帳」の活用ですね。薬を処方してもらった際に、おくすり手帳に記載してもらうと思いますが、おくすり手帳は患者さん自身が持つ薬のカルテと言われています。どんな薬をどのくらいの期間飲んでいるのか、アレルギーはあるか、などが記載されていて、カルテは毎回記載されるものですので、どこの病院に行った場合も、どこの薬局に行った場合も、おくすり手帳を出していただくのが良いと思います。
住  吉
それでは最後に、若林さんの「健康の秘密」を教えてください。
若  林
ちょっと恥ずかしいんですが…健康の秘密は、“猫”と“プロレス”です。プロレス観戦が大好きでして、今はなかなか行くことができないので、オンラインで観戦しています。これでだいぶストレス発散になっています。
住  吉
ジェネリック医薬品(後発医薬品)やバイオ医薬品、バイオシミラー(バイオ後続品)のお話もとても興味深く伺いました。若林進さん、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。選んでいますか? 「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」。ジェネリック医薬品は、別名「後発医薬品」と言われ、先発医薬品と同じ有効成分を含み、効き目や安全性が同等であると国から認められたお薬です。効き目が同じでありながら、先発医薬品の有効成分を利用して開発されるため、価格を低く抑えられるんです。飲みやすい工夫がされているものもたくさんあります。協会けんぽ東京支部では、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の利用をお勧めしています。
3月4日(木)のゲストは、渡辺徹さんです。次回もどうぞお楽しみに!