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第217回 蓮沼剛さん

第217回 蓮沼剛さん

住  吉
ところで、COPDは受動喫煙でも罹患する可能性があるのでしょうか?
蓮  沼
あります。周りの人が吸っているタバコの副流煙を吸うことを「受動喫煙」と言いますが、家族や同僚のCOPDのリスクを高めることになります。一番良いのは、みんなで禁煙することです。
住  吉
リスナーの方からこんなメッセージをいただいています。

「15年程前に禁煙に成功しました。一日に10本くらい吸ってましたが禁煙を決意し、始めたのが水禁煙でした。タバコが吸いたくなったらひたすら水を飲み、見事成功! それからは吸いたい気も起こらず無事に日々を過ごしております」
住  吉
いかがですか?
蓮  沼
一つの方法としてはいいと思いますが、水をたくさん飲み過ぎると、身体の電解質のバランスが崩れて、「水中毒」という病気になる方もいるので、飲み過ぎには気をつけてください。
住  吉
COPDを防ぐためには禁煙が重要とのことですが、禁煙できる方とできない方の違いはどんなところにあると思われますか?
蓮  沼
タバコがやめられないという状態は、「ニコチン依存症」の状態なんです。ニコチンは、麻薬より強い依存性があると言われています。
ただ、最近は色々と良い薬も出てきました。10年以上前は、ニコチンパッチという貼り薬だけだったんですが、それで禁煙できる確率は4割ぐらいでした。最近は、飲み薬を3か月飲む禁煙方法があるんですが、それで禁煙できる確率は6~7割ぐらいと言われています。
住  吉
だいぶ上がるんですね。
蓮  沼
区市町村によっては、禁煙をするための補助金があって、自己負担分を市が出してくれるという場合もあります。そのことについては、各自治体でお調べになってください。
住  吉
喫煙習慣は、COPDだけでなく、健康寿命にも当然影響を及ぼしますよね?
蓮  沼
はい、もちろん。循環器にも良くないです。
住  吉
COPD以外ですと、どんなリスクをもたらしますか?
蓮  沼
色々ながんができます。COPDの方は肺がんになりやすいです。「タバコの煙を吸うと、“肺”に良くないのではないか?」と皆さんは思っていらっしゃるでしょうが、血流を介して全身にまわりますので、全身のがんの原因になります。ニコチン自体が血管に非常に良くないんです。
例えば、最近加熱式タバコというのが出てきて、「これは煙がないから良い」と宣伝している会社もありますが、ニコチンの供給装置としては、非常に効率良く安定してニコチンを供給できるので、かえって脳と心臓には良くないですね。
住  吉
そうなんですね。
蓮  沼
そうなんです。「先生、禁煙しました! 今は加熱式タバコを吸っています!」という方がいるんですが、それは全く禁煙したことになりません。
住  吉
リスクが高まっている部分もある、ということですものね。
蓮  沼
そうです。
住  吉
禁煙が一番だと思いますが、喫煙者の方に先生がお伝えしたいことは何でしょうか?
蓮  沼
実は、私も昔、タバコを1日40本吸っていました。それで呼吸器内科に行くことになって、やめました。そうすると、少し体重は増えましたが、お酒は美味しくなるし、コーヒーの香りもよくわかるし、すごくハッピーな生活を送っています。
今タバコを吸っている方は、やめるとたくさん良いことがありますので、皆さんこちら側に来てください。
住  吉
ありがとうございます。
最後に、蓮沼先生ご自身が今、健康のために心がけていることを教えてください。
蓮  沼
少し前の厚生労働省の標語に「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ」とありましたが、まさにその通りで、運動をもう少ししたいと考えております。
1日30分以上歩く、エスカレーターと階段があったら迷わず階段を選ぶ、食べる時はなるべく糖質を控えめにして30回噛む…私自身はそれぐらいでしょうかね。
住  吉
蓮沼剛先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気をご存知ですか? 別名タバコ病とも言われ、長年の喫煙習慣によって肺の細胞が徐々に破壊される病気ですが、咳や息切れなど風邪に似た症状のため、放置してしまう人が少なくありません。喫煙歴が長く、慢性の咳にお悩みの方は、医療機関に相談してみてください。COPDに関して、詳しくは協会けんぽのホームページをご覧ください。
6月3日(木)のゲストは、森崎ウィンさんです。次回もどうぞお楽しみに!