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第226回 大室正志さん

第226回 大室正志さん

住  吉
大室さんは、大手企業、ベンチャー企業など、およそ30社の産業医を担当されているそうですが、「産業医」の重要性に着目したのはどうしてだったのでしょうか?
大  室
医療が医療だけで完結できるものというのは、手術室の中はそうかもしれませんが、世の中的に少なくなってくるだろうなと。
例えば、糖尿病ひとつとっても、その人のライフスタイルや、場合によっては働き方、社会的な階層によって医療的なデータが変わってくる、というようなことが言われていた時期でしたので、社会と医療の両方が繋がっている、越境領域としての産業医というところに非常に興味を持ちました。
住  吉
大手企業ではコラボヘルスの取り組みが進んでいるというお話がありましたが、自営業や中小企業でコラボヘルスを始めたいという事業主の方は、まず何を始めればいいのか、何かアドバイスはありますか?
大  室
まず、狭い意味でのコラボヘルスということであれば、“健保組合と会社”ですので、自社健保がないところでも皆さん健保組合には入っています。例えば、各業界の健保や、協会けんぽさんのような大きな健保。そこのWebサイトを見ると、どんな健康管理の活動をしているかということがだいたい書いてあります。そこは健保組合がきちんとやってくれている分野なので、きちんと従業員個人で活用する。そこの足りない部分、自分の会社に欲しい部分を会社に足していく、というのがセオリーでしょうね。
この「コラボ」というのは、“健保組合と会社”ということに限定せず、一緒にやるというところであれば、例えばもう少し広い意味で捉えると、自分の会社のライフスタイル、「一人暮らしが多いのであればこういうことをやろう」とか、色々な社会階層やコミュニティなどを分析して、会社が足りない部分を補っていくという考え方が、広い意味でのコラボヘルスですかね。
住  吉
ではまず知るところからスタートして…。
大  室
そうですね。健保組合のWebサイトを見ると、「こういうことが無料でできたのか!」「カウンセリングサービス10回無料!? 知らなかった!」とか。自分の持っている健康保険証を見て、そこのページに行ってみると、無料で使えるサービスが結構多いんですよ。まずはそこを見てください。
住  吉
小さい会社なら、職場で話し合いの機会を設けたり、まずはコミュニケーションを取ることが大切なのかなと思います。
それでは、番組に寄せられたリスナーの方々からの健康の秘密をご紹介します。

「コラボヘルスを最近知りました。家族単位で健康管理するという発想は初めてなのですが、やってみたいとも思いました。健康習慣は、規則正しい生活を送ることをしています。食事も適度に、運動不足も解消したいので、散歩をしてカロリー消費をしています」
住  吉
家族のメンバー同士が一緒に健康を作るということも確かにコラボですね。
大  室
そうなんですよね。人との繋がりがかなり健康に影響する、という論文が今たくさん出てきています。昔、僕が研修医で入った病院ですと、心筋梗塞のリスクファクターに「単身赴任」を入れた方がいいのではないか、と言っていた先生もいるぐらいです。要するに、当時の男性は自炊するのが苦手な方が多かったので、単身赴任になった瞬間に毎日コンビニ弁当になったりする。これも繋がりによって健康からずれてくると。だから、人との繋がりが非常に大事。これは家族に限らず、今ですと、例えば匿名で仲間を集めて、みんなで一緒にマラソンをしたり、食事管理をしたり、ということができるアプリもあるんですよ。家族というユニットはもちろん非常に強いですが、それ以外にも今は様々な方法があります。
健康というところでは、人との繋がりは結構キーワードになりますので、こうして家族単位で取り組むのは非常に良いと思います。

「3歳の息子との散歩が日課です。あと、スキンケアをしながらスクワットをしています。乳液や化粧水を塗って、お肌になじむ間にスクワット20回。子供のためにも、元気で健康なママでいたいです」
住  吉
これも、今のお話を伺ってから聞くと、「息子さんとコラボヘルスをしている」という風に聞こえてきますね。
大  室
そうですね。散歩でも何でも、ルーティンにしてしまうことが一番いいです。ただ、そこに持っていくための最初のモチベーションというところでは、「自分のため」だけでももちろんいいんですが、やっぱりモチベーションの一つのドライブがかかるのは、「人のため」というところですよね。その時に、「お子さんのため」というモチベーションは非常に強いものだと思いますので、これもすごくいい発想なのではないかなと思います。
住  吉
それでは最後に、大室さんご自身の健康の秘密を教えてください。
大  室
健康の秘密は“健康法に飛びつかない”ということですね。
「この食べ物がすごくいい」とか、よくあるじゃないですか。健康法というのは、昔から言われているように、血圧を上げないとか、適度な運動、カロリーコントロール、それだけでも死亡率がすごく下がるんです。
やっぱりカロリーコントロールや適度な食事、適度な睡眠、適度な運動、これに勝ることはなくて、凡事徹底なんですよ。それ以外のことは、正直まだ第一エントリーなので様子を見ます。
住  吉
なるほど。凡事徹底、いいですね。
大室正志さん、ありがとうございました!
ここで、働くあなたの健康をサポートする協会けんぽからのお知らせです。協会けんぽに加入している皆さんのお勤め先に生活習慣病予防健診のご案内をお送りしております。来年3月までの期間内のうち、お一人様一回に限り、協会けんぽが健診費用の一部を補助します。年に一度は健康チェック。まずは、健診機関を確認して、受診の予約をお願いします。詳しくは「協会けんぽ」で検索してください。
次回もどうぞお楽しみに!