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第230回 福長洋介さん

第230回 福長洋介さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、がん研有明病院・消化器センター長 大腸外科部長の福長洋介先生です。
今日のテーマは「大腸がん」。先日、リモートでお話を伺いました。
住  吉
先生は、「大腸外科部長」でいらっしゃるとのことですが、「大腸外科」とは?
福  長
病院によって呼び方は違いますが、大きな枠組みからいくと、内科・外科、そしてその外科の中に、我々がやっている消化器の外科、他には心臓の外科や肺の外科など色々あります。その消化器外科の中に消化管、食道、胃、小腸、大腸とあって、その大腸の部分の外科、すごく小さい範囲を専門としている外科です。
住  吉
今日伺うのは「大腸がん」のお話です。新型コロナウイルスの感染はもちろん心配なのですが、がんも引き続き差し迫った脅威ですよね。日本人の死亡原因の1位は、男女ともに「がん」でしたよね?
福  長
おっしゃる通りです。がんというのは、昔からですが命を取る病気です。今や不治の時代ではなくなっていますが、やはり相変わらず死亡原因の1位はがんで、一定の割合で発生していきますので、注意しなければいけない、あるいは我々がケアしなければいけません。
住  吉
中でも大腸がんは多いですか?
福  長
多いですね。多くなっているがん種なんです。胃がんは少し減りつつあるのですが、特に日本では大腸がんが増えています。
住  吉
男女合わせたがんの罹患数で1位が大腸がんなのですね。
世代や性別などの傾向はあるのでしょうか?
福  長
性別の比率で言いますと、他のがん種は結構男性に多いというイメージがあると思いますし、実際にそうなのですが、大腸がんに関しては結構女性に多いです。もちろん男性も多いのですが、男女の比率からすると女性も多いです。
年齢層に関しては、全体的に長寿になってきていますので、年齢が高い方が多いということにはなります。ただ、若年とまでは言いませんが、40~50代ぐらいからずいぶん多いという印象です。
住  吉
大腸がんの原因はわかってきているのでしょうか?
福  長
基本的にがんというのは、後天的なことが体に作用して、体の中の遺伝子ががん化してしまうということですので、曝露される外因が原因です。よく言われる、喫煙、肥満、そういうものが一つの要因にはなってきます。
特に、大腸がんが近年日本で増えてきている原因の一つは、西洋風の食事になっていることが大きくて、肉食が増えていることが一因になっているのではないかと言われています。
住  吉
罹患するとどのような症状が表れるのでしょうか?
福  長
これはどのがん種でもそうですが、早期の間はあまり症状が出ないんです。痛くもないですし。なので、早期がんの時は、ほぼ症状はないと思ってもらっていいと思います。
当然、進行してくると、出血をきたしたり、腸というのはだいたい直径が3~4cm、膨らんでも5cmあるかないかで、その腸の中に硬いがんができますので、通路を塞いで腸閉塞のような症状が出たり。進行して出てくる大きな症状はこの2つですね。
住  吉
今おっしゃったように、早期の場合はあまり症状が出ないということは、そのような症状が出ている場合、ずいぶん進行してしまっているということですね。
福  長
そういうことです。症状が出てきているということは進行している、と言えると思います。
ただ、大腸がんというのは、色々ながん種の中では比較的おとなしいと言いますか、逆に言うと、期待できるし、治る可能性があります。
症状が出てからでも、早めに受診すると、ある程度進行した状態で見つかってもまだ治る可能性が十分あります。
住  吉
その見つけ方なのですが、症状が出ないとなると、検査でということになると思います。一般的にまずは「検便」による検査なのかなと思いますが、それで十分に見つかるのでしょうか?
福  長
検診で行う検便は、便の中に血液が混じっていないか、という検査です。検診のスクリーニングというのは、ちょっとした血液が混じっていても引っかかるので、たくさんの方が引っかかるのですが、実際に検査するとがんがない、ということがほとんどです。
住  吉
検便の検査ですと、本人への負担なども少なくて、定期的に受けやすいですよね。
そこで見つかると、次の検査に進むのですね。
福  長
そうですね。次は「大腸の内視鏡検査」をした方が良いということになります。
住  吉
大腸の内視鏡検査ですと、かなり正確にわかるということですか?
福  長
これはかなり正確にわかります。
住  吉
これをすると確実にわかって安心、ということも心強いですよね。
福  長
おっしゃる通りです。なので、検便で引っかかって、「がんが見つかるのが怖い」と思い過ぎない方がいいです。内視鏡検査をしたらがんはなかった、ということの方が多いので。それで安心感を得られる、あるいは小さいポリープがあっても治療できますので、できるだけ早く、万が一見つかったら治療を受けることをすすめられると思います。