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第230回 福長洋介さん

第230回 福長洋介さん

住  吉
何歳ぐらいから、どのぐらいの頻度で検査をしておくと安心だとアドバイスされていますか?
福  長
50代になったら、まず1回は大腸の内視鏡検査を受けられたらどうかなと思いますね。その時に、小さいポリープなどが全くないということでしたら、3~5年あけても大丈夫だと思います。大腸がんの場合、ポリープからがんになると言われていますので、そういうものがあった場合は、翌年~2年後にはまた検査を受ける、という形でしょうか。
住  吉
どんなに早期に発見しても、あるいは症状が出てから発見した場合は特に、がんになると、仕事や生活にも様々な影響が出ますよね。
先生が診た患者さんの中にも、治療だけではなく、生活と治療をどう両立させるかを悩む方や、本人だけではなくご家族を含めて、色々と調整や計画変更が必要だという方は多いですか?
福  長
そうですね、多いです。大腸と一言で言っても、奥の方の「結腸」という部分と、肛門の方に近い「直腸」があって、特に直腸の方のがんになると、手術したら人工肛門のことなどもあるので、そういうことは生活スタイルにも直結しますよね。
住  吉
発見が遅れてがんが大きくなってしまうと、大腸の一部を切除するような手術も起こってくるということですね。
福  長
そうなんです。
住  吉
ちなみに人工肛門になると、生活上、どういうことが大変になってくるのでしょうか?
福  長
人工肛門は、便の排泄口をおへその少し横ぐらいに持ってくる、ということです。そこには括約筋もなくて、我慢したりできませんので、出てきた便を袋などで受けて、それをトイレで流すということになります。ですので、装具の付け方など、そういう勉強をしなければいけません。
住  吉
そうなると、ご自身もご家族も生活がずいぶん変わってきますね。
福  長
そうですね。ただ、そういうことに慣れさえすれば、例えば「匂いがするのではないか」「音がするのではないか」などと思われがちですが、全くそういうことはありません。装具も良くなっていますから、外から見ても全くわかりませんし、普通の生活もできます。
住  吉
当然、そこまでの手術を防ぎたい、もしそうなった場合でも早期に発見したい、と皆さん思うと思いますが…。
福  長
もちろん治るということが第一前提ですし、それを考えると早期に見つけることが大事です。
住  吉
そうすると、やはりがん検診が大事ですが、新型コロナの影響で、検診ができないなどの影響はありますか?
福  長
明らかにありますね。特に昨年の春先~夏前、新型コロナの感染者数ががっと増えた時、検診は止まってしまいました。その影響で、昨年の秋口~暮れ、そして今年の初め、今も続いていますが、かなり進行した状態で見つかる患者さんが多いということを肌で感じますね。
住  吉
ではまさに昨年、健康診断を先送りしていた方もいたのだなと。
福  長
はい。患者さんに聞くと、気になる症状があっても半年ぐらい遅れた、という声もあります。やはり健診は必要なことですし、ちょっと気になる症状がある時は検査を受けた方が良いと思います。
住  吉
番組サイトで、リスナーの皆さんに健康診断についてアンケートを行っています。
「大腸がん検診を受けたことはありますか?」という質問で、「はい」が28%、「いいえ」が72%という結果になりました。この結果をどのように捉えますか?
福  長
ちょっと少ないなというイメージです。もう少し受けてほしいなと。早めに、50歳過ぎたぐらいからは積極的に、受けていただいた方が良いと思います。
住  吉
さらに、リスナーの皆さんに「あなたの健康の秘密や秘訣は何ですか?」と聞いてみました。

「父が50代前半の時に大腸がんを患いました。手術は無事成功し、もう17年くらい再発もなく、とても元気に過ごしています。私は、がんは全て遺伝すると思っていましたが、先生に“50代くらいの大腸がんは不摂生でなる場合がほとんどで、遺伝はほぼありませんよ”と言われました。確かに父は、昔からヘビースモーカーで酒飲みだったんです。このがんの遺伝について何か知りたいのですが…」
福  長
不摂生でなくてもがんになることもあるので、不摂生が原因かどうかは別として…。おっしゃっている通り、遺伝性の大腸がんが少ないということは事実で、一般的には5%ぐらいですね。多いものではありません。
住  吉
ではそれよりも、本人の食習慣やストレスなどの影響の方が大きいということですね。
福  長
そうですね。喫煙はぜひやめられた方が良いと思います。
住  吉
もう1通ご紹介します。

「私の健康の秘訣は、仕事の行きの通勤時間内に40分間歩くことです。座りっぱなしの経理課に配属され、行きの通勤時間に歩くことはできないかと考え、上野から大手町まで毎朝歩くことにしました。早10年になります。今はコロナで在宅勤務もあり、毎日とはいきませんが、週3回必ず歩いています。新しい発想も浮かんできて、とてもいいです。おかげで風邪を引きにくくなりました」
福  長
すごいですね! 運動は絶対に良いですよね。大腸がんに限らず、体の免疫なども維持できますし、予防になるのではないでしょうか。
住  吉
ちなみに、福長先生ご自身の健康の秘密を教えてください。
福  長
一言で言うのは非常に難しいと思いますが…健康の秘密は“笑顔”ですかね。
笑っているだけではなく、気分を常に明るくする、ポジティブにする、そういうことが全てのことに良い影響を及ぼして、健康の秘密の一つになるのではないかなと思います。
住  吉
福長洋介先生、お忙しい中、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。日本人の死因で最も多いのは、がん。中でも大腸がんによって亡くなる方は、年間5万人。男性では第3位、女性では第1位の死亡原因となっています。協会けんぽでは、加入者ご本人向けに生活習慣病予防健診をご用意しています。大腸がん、胃がん、肺がん検診が含まれており、女性は2年に1度、乳がん、子宮頸がん検診が受けられます。早期発見、早期治療のためにも積極的に受診してください。協会けんぽ東京支部からのお知らせでした。
次回もどうぞお楽しみに!