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第233回 森田豊さん

第233回 森田豊さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医師で医療ジャーナリストの森田豊さんです。
森  田
よろしくお願いいたします。
住  吉
今日は「耳」のお話です。コロナ禍、耳のトラブルや難聴が増えているそうですね?
森  田
はい。リモートワークなどによって、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞く機会が多くなっていますよね。「ヘッドホン難聴」「イヤホン難聴」と呼ばれる状態がみられています。
WHO(世界保健機関)では、11億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、スマートフォンなどによって難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています。
耳の奥には、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える有毛細胞(毛のある細胞)というものがあるんですが、大きな音を長時間聞くことによって、この有毛細胞が壊れてしまい、元に戻らないんです。
住  吉
ワイヤレスイヤホンは、さらに耳の奥にイヤホンを入れるので、耳にとってはより負担になるのでしょうか?
森  田
イヤホン以外からの音が少なくなるので、音量を小さめにすることに繋がれば、耳への負担は軽くなると考えられています。
住  吉
「難聴」は自覚するのが難しいとか?
森  田
はい。「隠れ難聴」という言葉があるように、聞こえの悪さは少しずつ進むので、なかなか自覚しづらいのも特徴です。
例えば、WHOが示す、1日に許容される音の大きさと時間、これはあくまでも参考ですが、ヘアドライヤーの音は15分が限度、地下鉄車内の騒音も15分が限度、救急車や消防車のサイレンは9秒とされています。
ここまで厳格に守るのは難しいですが、とにかく耳を労わることが大切です。
住  吉
割と大きめの音で聞いているなという人は、気にしてみた方が良いですね。
自分が「隠れ難聴」かどうかをチェックする方法はあるのでしょうか?
森  田
例えば、会話を聞き返すことが多くなったり、ささやき声で話しかけられると聞こえにくいなと自覚するようなら、危ないサインです。また、ラジオやテレビの音が大きいと、周りの人に言われたりした場合にも、隠れ難聴の危険があります。
住  吉
特に注意すべき人はいるのでしょうか?
森  田
熱中したり、興奮しながら音楽を聴く場合や、ゲーマーなど、夢中になって必要以上に音量を上げている可能性があるので、注意が必要です。
住  吉
対策としてできることはありますか?
森  田
できるだけ音量を下げて、ヘッドホンやイヤホンを長時間連続して使用しない。こまめに休憩を挟むことです。
そのほか、ノイズキャンセリング機能を使うことで、周囲の雑音をシャットアウトできるので、大きい音量で音を聞かなくて済みます。そういう意味では、周囲の音が聞こえにくいように、耳穴のサイズにぴったり合うイヤーピースを使うこともおすすめです。
住  吉
これまで「耳」のお話をしてきましたが、コロナ禍で、耳だけでなく「目」のトラブルも増加しているそうですね?
森  田
はい、「リモート老眼」と呼ばれる現象が最近わかっています。
一般的に老眼は、40代後半ごろから、近くのものにピントが合わせられなくなる症状ですが、コロナ禍では、20代、30代でも、一時的な老眼の症状を訴える人が多くなってきました。パソコンやスマートフォンを使う機会が多くなったことが原因ではないかと考えられています。
住  吉
どういう症状なのでしょうか?
森  田
昼間は大丈夫なんですが、夕方になると、物が見えづらくなったり、目が疲れるなど。すなわち、夕方だけ老眼になるということで、別名「夕方老眼」とも呼ばれています。
原因としては、モニターを見る時間が長くなったり、寝る直前までモニターを見ていることで睡眠の乱れが出て、自律神経がアンバランスになる。また、モニターを見る時につけているメガネが、モニターの位置に合っていない場合もあると考えられています。
住  吉
こちらの対策はあるのでしょうか?
森  田
パソコンやスマートフォンを見る時間を制限する、ということです。米眼科学会は、「20-20-20ルール」を推奨しています。これは、スマートフォンやパソコンなどを使用する際、20分に1回ずつ、20秒間、20フィート(6.1メートル)以上先のものを見て、目を休ませるという方法です。
そのほか、まぶたを意識的に閉じたり、蒸しタオルなどで目の周りを温めたり、血行を良くするのも良いと思います。
住  吉
あと、メイクも気をつけた方が良いそうですね?
森  田
はい。アイラインなどを使った、目力メイクはほどほどにした方が良いのではないかと最近言われています。
アイラインやアイメイクの仕方によっては、涙を蒸発から防ぐ脂を分泌させるマイボーム腺をふさぐので、目を乾燥させてしまうことになると考えられているんです。
メイクをするなとは言いませんが、寝る前にリムーバーできちんとお化粧を落とすことで、目を乾燥から守る。それが、目の疲れを取ることにも繋がります。