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第235回 勝川史憲さん

第235回 勝川史憲さん

住  吉
それはどんな運動でも?
勝  川
何でもいいです。ただ、横軸で見ると、エネルギー消費量なんです。健康運動は、体を動かしてエネルギーを使うことなので、エネルギー消費が少しでも増えるように体を動かしましょう、ということです。 ただ、“運動のある生活”をしている場合、時間的にも余裕があったり、睡眠時間もとれていて、ストレスも少なかったり…と運動以外にも体にいいことをしている可能性があるので、その影響がどのくらいあるかはわからないんです。
そこで、運動していない人を集めて運動させるとどうなるのか、というデータもまた別にあるんです。それは、糖尿病予備軍の人を集めて、4年ぐらい運動させるとどうなるのか、と。そうすると、少し運動量が増えるとリスクが減る、とはならないんですよ。例えば、早足のウォーキング相当の運動を、1週間に合計約150分やっている人とやっていない人で分かれ目がありました。ある程度まとめて運動しなければならないんです。
住  吉
150分を、仕事や子育てなどをしながら達成するのは…。
勝  川
そうなんです。ただ、リスクが少ない人は、運動強度が高いもの、例えばジョギングなどですと、もっと少ない時間でも効果が出る、というデータもあります。
一般的にリスクが少ない人は、運動量を少しでも増やしましょう。そうではなく、グレーゾーンに差し掛かっている人は、意識してまとめて運動してください、というアドバイスになるのではないかと思います。
住  吉
運動の種類は、先ほどおっしゃったエネルギー消費があるものを?
勝  川
エネルギー消費を確保できるものであれば何でもいいです。
住  吉
時間的なことを聞いただけでも、実践するのは難しそうだなと感じたのですが、頭で理解するだけではなく、行動に結びつけるにはどうしたらいいのでしょうか?
勝  川
医者なので「健康のために」とか「血糖コントロールのために運動しなさいよ」と言ってしまうのですが、目的と運動が分かれている状態というのは良くないんです。それを「外発的動機づけ」と言います。「健康のために」とか「血糖のために運動する」と言っても、運動してすぐに良くなるわけではないので、そのうちに気持ちが萎えてしまいます。
それに対して、「内発的動機づけ」。要するに運動自体が楽しいと、「楽しかったから、また明日も続けよう」という気持ちになるんです。これには要因があって、1つは「自発性」。自分でやるものを選ぶ、ということが大事です。最初はウォーキングから始めても、色々なものを試して、最終的には「これなら続けられる」というものを選ぶ。もう1つは、「有能感」。ウォーキングはある程度歩けるようになったら、その後は上手くならないですよね。ですから、やると経験値が上がっていくようなものの方が長続きしやすいです。
住  吉
達成感が得られたり。
勝  川
そうですね。それから、「仲間」。例えば、話したことはないけどスタジオに行くといつもいる…という人が、仲間でもありライバルでもあり、そういう人がいる方が長続きしやすいです。
住  吉
好きだけど長続きしない場合は、習い事のような、みんなでやる場に行ってみると。
勝  川
それもいいかもしれませんね。
あとは、「楽しくないけど大事なことなんだ」と自覚しているとか。「運動している私が本来の私です」という感じが強くなってくると、「楽しくないんだけど今日やらないと…」と思うわけです。それが明日に繋がっていくので、内発的に楽しめるようなものを選ぶということと、もう1つは、知識として大事さをよくわかっていく、ということが大事ではないかなと思いますね。
住  吉
なるほど。
番組サイトでは、リスナーの皆さんに健康にまつわるアンケートを行っています。今回は「心身の健康のために、日常の中で運動を取り入れていますか?」と聞いてみました。結果は、「はい」が約67%、「いいえ」が約33%。勝川先生は、この結果をどう捉えますか?
勝  川
結構運動していますね。コロナ禍で、スポーツができなくなってしまう人も多い一方で、こういう困難な状況だからこそ運動しなければ…と運動を始める人も結構いて、その入れ替わりがあって、この数字だと思います。こんな状況でも一生懸命やっているという人たちには、非常に心を動かされますよね。
住  吉
そして、健康の秘訣として、リスナーの方々からこんなメッセージも届いています。

「3ヶ月に一度、歯医者さんへ定期検診に行っています。食べることが好きなので、好きなものを美味しく食べられるように定期検診を続けたいです」

「とにかくたくさん歩く! 主人が歩くの大好きなので、頑張って付き合うようにしてます!」
住  吉
旦那様が「歩くのが好き」だということと、旦那様が運動を一緒にする「仲間」になっているという意味では、先ほど先生がおっしゃっていた2つのポイントをもうクリアしていますね。
勝  川
そうですね。ご夫婦で歩くなんて理想的な生活ですよね。
住  吉
それでは最後に、勝川先生ご自身の健康の秘密を教えてください。
勝  川
色々と考えてやっていますが、私の健康の秘密は“食事と運動”です。
住  吉
基本中の基本ですが、一番わかっている先生でも心がけていらっしゃるのですね。
勝  川
そうですね。
住  吉
勝川史憲先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。新型コロナウイルスの重症化リスクの要因に、高血圧や糖尿病、慢性呼吸器疾患などの基礎疾患が挙げられています。簡単な運動を続けることや、バランスの取れた食事、日々の生活を見直して、生活習慣病を予防し、高血圧や糖尿病などの基礎疾患を抑制することが、新型コロナウイルスの重症化リスク軽減に繋がります。まずは、簡単な運動を毎日の生活に取り入れてみませんか? 協会けんぽからのお知らせでした。
次回もどうぞお楽しみに!