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第239回 山内英子さん

第239回 山内英子さん

住  吉
私は先月、今年の乳がん検診も済みました。コロナ禍とはいえ、していないと気になるので、検診をして大丈夫そうだなとわかるだけでも安心するものだなと感じます。
番組サイトで、リスナーの方に「乳がん検診を受けたことがありますか?(家族に受けさせたいですか?)」と質問したところ、「はい」が51%、「いいえ」が49%という、ほぼ半々の結果になりました。山内先生は、この数字をどう受け止めますか?
山  内
この10月は「ピンクリボン月間」ということで、乳がんのことを取り上げていただいて、検診に関する皆さんの知識や、検診を受けていただく割合は、昔に比べたら上がってきていると思います。ただ、欧米などに比べると、まだまだパーセンテージは低いです。
もう一つは、対象の年齢の方々がどのくらいいるかということではありますが…。日本では40歳以上の方々に検診を勧めていますので、若い方々が全員受けなければいけないということではありません。若い方で、遺伝的にがんになりやすい体質の方もわかってきているので、そういう方は若い年齢から受けた方がいいですが、そうでない方は40歳からでいいと思います。
このパーセンテージ的に、年齢層はどういう方々なのかなということが一つと、もう一つは、乳がん検診という形では受けていなくても、近くの病院に行って診てもらったりしている方もいらっしゃるので、全体的にもう少しパーセンテージが上がってくればいいかなとは思いますが、必要な方はきちんと受けていただきたいと思っています。
住  吉
今回、リスナーの皆さんからも乳がんに関するコメントや質問をお寄せいただいています。

「祖母が乳がんで検査しているので、母も孫の私も年に一度受けています」
(31歳女性)
山  内
「遺伝性乳がん」というものがだいぶわかってくるようになったので、大事なことはまずこのおばあさまが乳がんと診断されているとしたら、何歳で乳がんになったか。若い年齢での乳がんの診断だと遺伝性である可能性があるので、お母さまもこの方も、「遺伝カウンセリング」でどのくらいの可能性があるのかや、「遺伝子検査」も血液検査でわかったりするので、可能性が高いかどうかを診てもらうことができます。しかも、アンジェリーナ・ジョリーさんの公表で話題になりましたが、彼女は「BRCA」という遺伝子が陽性だったので、卵巣も取られていますよね。この遺伝子は、乳がんだけではなく卵巣がんにもなりやすいんですよ。ご家族の中で、乳がんや卵巣がんの方が多かったり、若い年齢で乳がんを罹患された方がいる場合は、「遺伝カウンセリング」という場がありますので、しっかりとお話を聞いて、その可能性を含めて、ご自身の健康管理に役立てていただければと思います。
住  吉
続いて…。

「乳がん検診を受けています。身近な方ががんの診断などがついたという話もあって、全く関係のない病気じゃないと感じたので」
(25歳女性)
山  内
25歳で意識していただくことは非常に大切だとは思います。ただ、若い方の場合、生理前に胸がすごく張っていたりして、マンモグラフィ検査だとなかなか見つけにくいところもあったりするので、まずは「ブレスト・アウェアネス」で毎月の変化を見ていただく、ということがとても重要だと思っています。メディアなどでは、若い年齢で乳がんを診断された方々が多く取り上げられるので、20~30代で恐いなと思ってしまうかもしれませんが、今、日本の乳がんの統計を見ると、60歳以上の方が60%近くになってきているんです。39歳以下の方々は、2018年に日本で乳がんと診断された方のうち4%程度しかいないんです。それを考えると、非常に数は少ないので、必要以上に恐れる必要はないですが、知識を持っていただくことは大切だと思います。
住  吉
それでは最後に、山内先生ご自身の健康の秘密を教えてください。
山  内
“感謝”です。日々、乳がんと診断された患者さんと接していますので、その診断を受けてから、夜中に目が覚めて、「乳がんであったことが嘘だったらいいのに…」「乳がんなんだ…どうしよう…」と、不安で眠れない時間を過ごす方も多いと思います。そういう時に私が患者さんにお話ししているのは、横でいびきをかいて寝ているご主人にも「私の横にいてくれて感謝だな」と思ったり、明け方に鳥のさえずりが聞こえたら「聞こえて感謝だな」と思ったり、「感謝できることを数えてみてください」というお話をよくするんです。気持ちが沈んだりしても、心の健康を保つためには、感謝できることを数えていく、ということが大切なのではないかなと思っています。
住  吉
素敵です。山内英子先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。皆さんは、乳がん検診を受けていますか? 生涯のうちに乳がんになる日本人女性の割合は、年々増加し、現在では9人に1人と言われています。協会けんぽでは、加入者ご本人様向けに、乳がんなどの様々ながんに対応した生活習慣病予防健診をご用意しています。早期発見・早期治療のためにも、ぜひご利用ください。詳しくは、協会けんぽ東京支部のホームページをご覧ください。
次回もどうぞお楽しみに!