文字サイズ

第242回 森田豊さん

第242回 森田豊さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医師で医療ジャーナリストの森田豊さんです。おはようございます。
森  田
おはようございます。よろしくお願いいたします。
住  吉
日中と夜の寒暖差が激しくなってきましたね。
森  田
そうですね。寒暖差が原因で、疲れやだるさを訴える人が多くなっていて、数年前から、これらの症状が「寒暖差疲労」と呼ばれるようになってきました。1日の寒暖差、あるいは日ごとの寒暖差が、7℃以上あった場合に症状が出やすい、と報告されています。症状としては、疲れ、だるさのほか、頑固な冷え症、肩こり、腰痛などが生じます。
医療機関に行って諸検査をすることが大事ですが、諸検査をしても異常がない場合、この時期は寒暖差疲労であることも多い、とわかってきました。 激しい寒暖差が続くと、身体の状態を維持するために、熱を作る、熱を逃がすなどの仕組みが働きます。そうなると、気温が一定に保たれているときの数倍のエネルギーを消耗し、身体が疲労してしまいますので、寒暖差疲労という状態が生じます。
また、寒いと自律神経がアクセルモードになり、全身の血管は収縮します。暖かいとリラックスモード(ブレーキモード)になり、血液の流れは良くなります。ただ、寒暖差が激しいと、このアクセルとブレーキを何度も踏まなければならなくなり、自律神経のバランスも乱れて、血管や内臓への負担も大きくなります。
住  吉
その「寒暖差疲労」に注意したほうがいいのは、どのような方でしょうか?
森  田
一般的には、このような方々が要注意です。
例えば、筋肉量が少ない方や、運動不足の方。筋肉が熱をつくるので、寒さに対して熱をつくることが苦手になってしまいます。
そして、デスクワークが多い方や、パソコン・スマホなどを使い過ぎている方。寒暖差に慣れていなかったり、自律神経がいつもアクセルモードになっていたりするので、血管が収縮してしまいます。
そのほか、行動パターンとして、せっかち、早口、同時に2つのことをしようとする方。こういう方々は、自律神経がアクセルモードで、交感神経がいつも活発に働いているので、冷え性などの症状が出やすいです。
住  吉
そうなんですか!
対策はどうしたら良いのでしょうか?
森  田
寒さと暖かさのうち、人の身体が弱いのは、どちらかというと寒さです。ですから、身体を温めること、「温活」が対策になると考えられています。
例えば、対策①「シャワーで済ませず、お風呂にゆっくり浸かる」。熱めのお風呂だと神経が高ぶってしまうので、温度は38~40℃のややぬるめに設定し、10~15分浸かる。ぬるめのほうが、深部体温が上がりやすいという研究結果もあるんです。
あと、最近では、炭酸ガス入りの入浴剤を使うと、すばやく温まるうえに湯冷めもしにくい、という研究結果や、ゆずやミカンの皮、大根の葉などを湯船に入れると湯冷めしにくい、という報告もあります。
対策②「3つの首(手首、足首、首)をしっかり温める」。手の先や足の先だけを温めるのではなく、太めの血管が走っている手首や足首、首まわりを温めることが重要です。
対策③「運動」。ただ、激しい運動をすると、かえって疲れたり、自律神経をアクセルモードにしてしまうので、「掃除」や「洗濯」、「階段」がキーワードになると思います。
住  吉
階段の昇り降りで大丈夫ということですか?
森  田
そうですね。軽めの運動をすると、自律神経のバランスが整うと考えられています。
例えば、エレベーターやエスカレーターはできるだけ使わずに階段を使う、ということも対策になると考えられています。電車の中で座らない、ということも良いと思いますね。
住  吉
食生活での対策はありますか?
森  田
全般的に温かいものを食べることが大事ですが、私がおすすめしているのは、「鶏むね肉」です。鶏むね肉やササミには、「イミダゾールジペプチド」というアミノ酸が含まれていて、疲労を改善させる効果があることがわかってきました。この季節、食事に取り入れたい食材です。
住  吉
鶏もも肉ではダメなのでしょうか?
森  田
鶏もも肉にも含まれています。鶏むね肉のほうが含有量が多いというだけで、鶏肉全般に含まれていますので、好きなもので良いと思います。
さらに、飲み物は、私はここ10年ぐらいずっと飲んでいるのですが、「生姜ココア」がおすすめです。滋賀県立大学の研究で、ココアは下半身を温め、生姜は上半身を温めてくれる、と報告されています。
私は、ココアに生姜を擦って飲んだり、乾燥生姜のパウダーを入れたりして飲んでいますが、足だけが冷えるという方はココア、手だけが冷えるという方は生姜、と区別しても良いかと思います。