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第243回 松澤陽子さん

第243回 松澤陽子さん

住  吉
予防としてできることはありますか?
松  澤
今のホルモンの話もそうですが、女性の患者さんは子育てを頑張っていたり、介護をしていたり、家事や仕事の負担があったりと、自分自身の健康を考えることが後回しになりがちな方が多いのではないかなと思います。それはとても大事なことではありますが、家族を支えるためにも自分自身が元気でいることがとても大事だと思いますので、自分自身の身体と心を大切にするという意識を持っていただきたいなといつも思っています。
具体的には、やはり健診を定期的に受けるということ。会社勤めをしていないと、健診を受けないまま何年も過ぎてしまう方もいらっしゃるので、機会を作って積極的に健診を受けること。それから、日々の生活の中でご自分の体重の変化に気を配って、変化があったら「何かあるかな」と考えてみることがとても大事ではないかなと思っています。
住  吉
若いうちから、未病のうちから、そしてもし糖尿病になってしまったら早めに気づくために、何かできることはありますか?
松  澤
最初のうちは症状が出ないので、定期的に検査を受けることに尽きると思います。
あと、少し意外なところでは、献血をしますと「グリコアルブミン」という指標を必ず測ってくれるので、それが糖尿病を早めに見つけるサインにもなります。
必ずしも健診ということだけではなくて、何かのついでに自分の身体をチェックする中で、「血糖値」も頭に置いておくといいのではないかと思います。
住  吉
番組サイトでは、リスナーの皆さんに健康にまつわるアンケートを行っています。今月は「普段から糖尿病を意識して健康に気をつけていますか?」と質問しました。回答は、「はい」が35%、「いいえ」が65%でした。松澤先生は、この結果をどう捉えますか?
松  澤
3分の1以上の方が、糖尿病を身近なこととして捉えていらっしゃるのだなと思いました。糖尿病を意識しているかどうかに関わらず、今、健康に気をつけている方は増えていると思います。ですから、皆さん色々と情報を集めていて、それは良いことだと思うのですが、ネットの情報がすごく多くて、中には信用できないものも多いので、その辺は十分気をつけていただきたいなと思います。
住  吉
そして、健康維持のためにどのようなことに気をつけているか、というメッセージもいただいています。

「腹八分に食べてなるべく糖質をとらないようにしてます、あと毎日歩くようにしてます」
松  澤
腹八分というのがすごく良いですね。糖質を気にされている方が多くなってきたと思いますが、主食だけ減らして、あとは何を食べても良い、となってしまうと、結果的にカロリーが多くなって、逆に太ってしまったり、必要な栄養素がきちんととれなかったりすることも多いと思います。ですから、野菜類を含めて、身体に良いものをバランス良く、適量で、そして美味しく食べるということがすごく大事だと思いますね。
住  吉
そして、「毎日歩くようにしている」ともありますが、運動を続けることは当然大事なことですよね。
松  澤
そうですね。必ずしも毎日ということでなくても良いですが、例えばウォーキングの場合でしたら、無理のないペースで1日20分以上、週4回ぐらいはやると良いと言われています。ジムに行ったりしなくても、買い物のときに少し遠くまで行ったり、駅で階段を使ったりすることで構わないので、日常生活の中でできるだけ身体を動かすようにすると良いですね。
また、食事した後は、だいたい30分後から血糖値が上がってきますので、できるのでしたら食後に運動するようにした方が効果的です。「食べたら動く」ということをぜひ日常の習慣にしていただけると良いなと思います。
住  吉
もう1通ご紹介します。

「痩せ体型ですが、決して痩せているから糖尿とは無縁とは思わず、食事も運動も日々の生活もしっかり管理をするようにしています」
住  吉
「痩せていると糖尿病にならない」と思っている方がいまだに多いですよね。
松  澤
そうですね。とても大事なポイントだと思います。
糖尿病というのは、たしかに肥満も関係しますが、太っていても糖尿病にならないという方もたくさんいます。元々の体質や遺伝の影響はとても大きいです。特に日本人は、糖尿病患者の半分ぐらいは痩せ型の体型だと言われています。ですから、痩せていてもきちんと健康に気を使って生活するのは必要なことですし、糖尿病以外の病気を予防することにもなりますので、とても良いことだと思います。
住  吉
最後に、先生が糖尿病についてこれだけは知っておいてほしい、と強く思うことはありますか?
松  澤
糖尿病は、よく生活習慣病と言われますが、実はそれ以外の影響も大きくて、いつ誰がなってもおかしくない病気です。ですから、今治療されている方も、必ずしも食べすぎなど、自分が悪くて糖尿病になったということではないですし、治療法も今は良いものがたくさんありますので、もし健診などで少しでも異常を指摘されたら、放っておかないで早く病院にかかっていただきたいなと思います。
住  吉
ちなみに、松澤先生ご自身が健康のために気をつけていること、健康の秘密を教えてください。
松  澤
私は山登りが趣味なのですが、登っているときはつらくても、山頂から綺麗な景色を見るとすごく感動して、「またここに来たい」と思うんです。そのためには、日頃から運動しなければいけない、体重も増えないようにしたい、と思って、日常生活で頑張ることができます。ですから、健康の秘密は“感動すること”です。
住  吉
リモートでつながっている松澤先生の画面の背景が、ものすごく綺麗な山並みで…。こちらは松澤先生が登山をして見た景色ですか?
松  澤
そうです。標高約3,000mの穂高岳という山の上から見た景色を背景にしました。
住  吉
松澤陽子先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。日本人に多い病気、「糖尿病」。そのリスクの多くは、生活習慣の改善で減らすことができます。糖尿病管理には、食事だけではなく、運動も大切です。ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングは、インスリンの効き目を良くし、血糖値の改善につながります。簡単な運動を毎日の生活に取り入れてみませんか? 協会けんぽからのお知らせでした。
次回もどうぞお楽しみに!