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第251回 たむらようこさん

第251回 たむらようこさん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、テレビ番組の放送作家として活躍する、たむらようこさんです。
たむら
おはようございます。お久しぶりです。
住  吉
本当にお久しぶりです。ずいぶんお会いしていなかったので、今日は来ていただいてありがとうございます。
今日のテーマは「がんと生きる」です。
たむらさんは、自らのがん体験、そして子育てや仕事のことを、わかりやすくマンガで綴った一冊、『マンガ がんで死にかけて12年、元気に働いてます』を出版されました。今日はそのお話を伺います。
たむら
はい。自分ががんになったとき、「同じステージで10年後も生きている人はどのぐらいいるんだろう」と、ものすごく検索したんですけど、なかなか見つからなくて。当時は12年も前なので、SNSなどもあまりなくて。この先どうなっていくのかという心配もあったので、自分がもし10年後も元気だったら、自分の体験を誰かにシェアしたいなと思って書いたのがこの本です。
住  吉
その当時から思っていたことが実現して、なおさら感慨深いのではないですか?
たむら
本当に嬉しいですね。
住  吉
がんが見つかったのは、何歳頃でしょうか?
たむら
38歳のときでした。子宮頸がんだったんですけど、子宮頸がんは結構30代が多くて、若くしてなるがんなんです。
そのとき、息子がまだ1歳半だったので、目の前が真っ暗になりました。
住  吉
どのように発覚したのですか?
たむら
両親がちょうど東京に上京してきていたので、観光に連れて行ったんです。柴又を歩き回っていたときに、我慢できないぐらいお腹が痛くなって。それで病院に駆け込んで、発覚しました。
住  吉
自覚症状があったのですね。
たむら
そうですね。そのとき、お腹が痛くなったんですけど、急に来たという感じで、前兆は全くありませんでした。
住  吉
そしてそのときに、子宮頸がんであることと、進行性のがんであることが宣告されて。即入院となったのですか?
たむら
即入院でした。
住  吉
息子さんがまだ1歳半で、お仕事でも頑張り時だったそうですね。
たむら
そうですね。ベイビー*プラネットという会社をやっているんですけど、その会社は、女性が子育てしながらでも働き続けられる、ということを目指して作った会社で。当時は8年目ぐらいで、ちょうど軌道に乗ったところでした。ここで潰すわけにはいかないというときに、大きな病気をしてしまったので、だいぶショックでした。
住  吉
子宮頸がんになったということを処理するにも時間がかかるかと思いますが、最初にどのようなことを考えましたか?
たむら
意外なんですけど…先生から「あなたはがんです」と言われたとき、私の元々のイメージだと「家族はどうなるのか…」「子供がまだ小さいのに…」と思うのだろう、と思っていたんです。でも、それは全く思い浮かばなくて。私の場合は、「あの〆切はどうしよう…」「この放送はどうしよう…」と。
住  吉
すごい…! 責任を持って仕事をされているからですね。
たむら
あと、たぶんなんですけど、自分のことを心配するより、人のことを心配したほうが楽なんですよね。あまりの衝撃が来てしまったので。
住  吉
なるほど。
たむら
「あれはどうしよう」「これはどうしよう」と一通り考えた挙句、最後に、「子供のランドセル姿は見られないのかな…」とか「子供が彼女を連れて来たときに、どういう彼女か見られないのかな…」とか、やっと未来のことが見えてきました。
住  吉
医師からは、将来の治療の見込みなど、そういうことについての言及はあったのですか?
たむら
まず、がんが直径7.2cmもあったので、手術はしないほうがいい、というご判断でした。ステージで言うと、ステージⅢBで。先生に聞いたんですよ、「私、死にますか?」と。そしたら、正直な先生で、「そうなるかもしれません」と。「でも私の患者さんの中で、10年後も生きている方がいらっしゃるので、一緒に頑張りましょう」と言ってくれて。すごく励ましてくださったんですけど、「“10年生きている人が珍しい”みたいに言われた」と逆にショックを受けましたね。
住  吉
その後、実際に入院をして治療されるようになりますが、治療について、今振り返って思うことはありますか?
たむら
本当に抗がん剤がつらくて…。もちろんいいものだから、先生が言ってくださった抗がん剤はやるべきなんですけど、私の場合は副作用がすごく強く出て、吐き気がかなり出たんです。それで、座っている姿勢を保てなくて、突っ伏してトイレの床にほっぺをべったりとつけたまま、ずっと吐いていました。体重も減って、身長は161cmあるんですけど、体重が35kgになってしまって…。
この本を書いた理由の一つでもあるんですけど、こういうことになってしまったり、子供も産めなくなってしまったり、がんになることでつらいこともたくさん起こるので、検診にきちんと行ってほしいし、ワクチンを打てる人は打ったほうがいい、ということを訴えたくて、本を書きました。