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第256回 大場俊彦さん

第256回 大場俊彦さん

住  吉
ここからは、医薬品について伺っていきます。花粉症のジェネリック医薬品で、代表的なものはどのようなものでしょうか?
大  場
アレグラやクラリチンなどのジェネリック医薬品があります。少し前まで使われていたスタンダードなアレルギーのお薬が、今はほとんどジェネリック医薬品になっていて、非常に使いやすいですし、値段もかなり安いです。
住  吉
効果は変わらないのでしょうか?
大  場
ジェネリック医薬品は、国の定める試験項目を満たすことで、厚生労働省の認可を得て製造販売される、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を含む医薬品なんです。その効果の同等性が認められていますので、同等な効果があると考えていいと思います。
住  吉
何か気をつけるべきことはありますか?
大  場
特にないと思います。特に、アレルギーのお薬はそれほど副作用もないですし、医療費も高騰しますので、ジェネリック医薬品を使っていただいて症状を抑える、ということが国の政策にも合っていると思いますね。
住  吉
ジェネリック医薬品で思い通りの効果が得られない場合、「オーソライズド・ジェネリック(AG)」という選択肢があるそうですね?
大  場
そうですね。これは、新薬メーカーから許可を得て製造した、原薬や添加物、製法などが新薬と同一のジェネリック医薬品や、特許使用の許可を得て販売できるジェネリック医薬品です。
住  吉
そうすると、先発医薬品と同じものになるのでしょうか?
大  場
先発医薬品と比べて、オーソライズド・ジェネリックの場合は、有効成分が同一、原薬が同一、添加物も同一、製法も同一、製造工場は同じではないですがほぼ一緒、形状や色、味も同一、効能効果もほぼ同一です。そして、薬価は先発医薬品の4~5割になりますので、これからオーソライズド・ジェネリックは増えてくると思います。
住  吉
試すにはどうしたらいいのでしょうか?
大  場
種類によって、オーソライズド・ジェネリックがあるものとないものがあります。もしオーソライズド・ジェネリックがあるのであれば、「オーソライズド・ジェネリックにしてください」と先生に言って、薬局でも処方してもらうときに言う、という方法があります。
住  吉
それでは、興味があればかかりつけの医師に相談してみるといいのですね。
大  場
そうですね。ぜひ言っていただければ、先生も考えて処方してくれると思います。
住  吉
さて、番組サイトでは、リスナーの皆さんに健康にまつわるアンケートを行っています。今回は「花粉症の治療にジェネリック医薬品を使用したことはありますか?」と質問しました。回答は、「はい」が73%、「いいえ」が27%となっています。先生、この結果はいかがでしょうか?
大  場
ジェネリック医薬品の場合、フェキソフェナジン…など、名前がピンとこないんですよね。ですが、効果としてはほぼ同等ですので、ぜひ皆さん使っていただいて。これからもっと増えていくと思いますね。
住  吉
リスナーの皆さんから質問やメッセージも届いています。

「花粉症のジェネリック医薬品は使ったことがありません。医師に提案されたことがないからです。ジェネリックがあるなら使用したい」
大  場
アレルギーのお薬であれば、ジェネリック医薬品を処方していることは多いと思うので、先生にぜひ相談してみて、先生のご意見も聞いて、処方してもらってはどうでしょうか。
住  吉
続いて…。

「花粉症ですが、薬が苦手なんです。副作用があるかな? 眠くなったら嫌だなぁとか考えると飲めなくなります。コロナ禍になり、マスク生活を送ってるからか、去年は花粉症が全く出ませんでした」
大  場
マスクをしているのでアレルギー性鼻炎の方が減っているかと思ったら結構いるんですよね。こういう方の場合はラッキーだと思います。
住  吉
そして…。

「花粉症のジェネリックを使っています。医療費削減につながるからです」
住  吉
こうして使っている方もいらっしゃいますね。
大  場
これからの主流の考え方だと思いますね。
住  吉
子育てをしていて、「子供が今年花粉症になるのか?」と心配に思っている方もいるかもしれません。少しでも花粉症にならないために、親ができることはありますか?
大  場
正直言って、これぞというものはないのですが、子供に症状があるのであれば、スギなどの抗原があるところを避けたり、いつも掃除したり、という生活が一番です。
住  吉
ちなみに、大場先生ご自身の健康の秘密を教えてください。
大  場
健康の秘密は、“定期的な健診”です。健診を受けないとわからないところもありますので、定期的に、機械的にやっていくということは、健康チェックには大切なことだと思います。
住  吉
大場俊彦先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。「くしゃみや鼻水が止まらない」。原因は風邪ではなく、アレルギーかも。アレルギーの原因は、春先の花粉ばかりでなく、ハウスダストやペットの毛など、1年中身近にあるんです。アレルギーの治療には、お薬の定期的な服用が欠かせませんが、そういったお薬にもジェネリック医薬品を使うことができます。協会けんぽ東京支部では、ジェネリック医薬品の利用をおすすめしています。ご希望の際は、医師や薬剤師にご相談ください。
次回もどうぞお楽しみに!