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第257回 潮田玲子さん

第257回 潮田玲子さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、元バドミントン日本代表の潮田玲子さんです。
潮  田
よろしくお願いします。
住  吉
潮田さんは、小椋久美子さんとの“オグシオペア”として活躍。2008年には北京オリンピックにも出場。バドミントンを人気競技に押し上げた立役者のお一人でもいらっしゃいます。引退後はスポーツコメンテーターとして活動。プライベートでは2人のお子さんを育てるママでもあります。
そんな潮田さんが今取り組んでいらっしゃる活動、「Woman's ways」。どのようなきっかけで立ち上げたプロジェクトなのでしょうか?
潮  田
これは、昨年3月に元飛び込みの日本代表選手の中川真依ちゃんと、“女子アスリートと生理”についての取材を受けたんです。そこで、自分の現役生活のときの話を色々としていたんですけど、結果、生理は「我慢して当然」「我慢一択だったよね」という話をしたんですよ。「それでは、今後女子アスリートはどうしたらいいですか?」というところで、「もっと自分の体を知るきっかけになってほしいし、正しい知識を身につけてほしいです」という答えを出したんですけど、言うのは簡単で、ただそういった場所がなかなかないなと思ったんです。問題提起することはすごく簡単なんですけど、それを学ぶ場所をどうにか自分たちが提供できないかなということで、中川真依ちゃんや元プロテニスプレーヤーの杉山愛さん、元バレーボール日本代表選手の狩野舞子ちゃんに声をかけて、この団体を立ち上げました。
住  吉
具体的には、今どのような活動をされているのですか?
潮  田
競技関係なく、色々なチームにセミナーを行ったり、あとは大学など。トップアスリートをターゲットにしているわけではなく、スポーツを頑張る女の子たちにどうにか正しい知識を身につけてほしい、ということで活動しているので、大学の一コマとしてセミナーを開催したり、そういった活動を主にやっています。
住  吉
競技がバラバラということが印象的で。競技を超えて、スポーツ女子ならではの共通した悩みがあったということですね。
潮  田
そうですね。それもあると思いますし、個人スポーツと団体スポーツでは環境も違いますし、色々な問題があって。でも生理は全員が全員違うことじゃないですか。なので、そこは競技に関係なく、一女性として共感できることがあるのではないかなと思いますね。
住  吉
まさに女子アスリートの月経や生理の問題など、現役選手はどのような困難を抱えているのでしょうか? ご自身はどうでしたか?
潮  田
今考えるとすごく不思議なんですけれども、とにかく強くなりたくて、体を鍛えたり、競技力を上げるための努力はすごくするんです。でも、そこと自分の月経は切り離して考えていました。なので、ある一つの目標に向かってもちろん努力はするんですけど、生理で辛くなったとしても、そこは我慢一択という感じだったんですよ。体の不調だったり、何かきっかけがない限り、例えば婦人科の先生に相談してみるとか、そういうことすらなかったんですよね。でも、体に及ぼす影響はものすごく多いじゃないですか。しかも毎月来る生理を、どうしてこんなに切り離して考えていたんだろうかと思うんです。
住  吉
子供の頃からと考えると、そういう教育がないと、そう思わないですよね。
潮  田
そうなんです。
住  吉
あと、みんな誰しもが10代のときに初めて体験するので、後になるとわかりますが、すごく体が変化していったり、同じものを食べていても太ったり、スポーツしている・していないに関わらず、みんな戸惑った思い出はあると思います。この辺り、体を使って勝負している世界だと、ものすごく影響があるので、悩んでしまいますよね。
潮  田
そうなんですよね。特に、10代の若いアスリートは、そこで今後の人生がものすごく左右されたりするじゃないですか。例えば私の場合は、高校生のときに全国優勝することによって、ジュニアのナショナルチームに選出されて、そこから世界に目が向いていって…という、ものすごく重要な3年間だったんですよね。そこでいかに結果を残さなければいけないか、というプレッシャーもあると思います。でもそんな中で、大事な大会のときに生理が重なってパフォーマンスができなくて今後に繋がらなかった…など、悔しい思いをしている人たちはたくさんいると思うんです。なので、できるだけ女性アスリートがいい環境で気持ちよくスポーツに打ち込めるように…ということで、選手だけではなく、監督やスタッフ、選手を支える親御さんなど、色々な方に対してもセミナーを行っていきたいと思っています。
住  吉
言われてみれば思うことですが、今まできちんと指導や話し合いがもたれていなかったのかということが、私たちからは意外に感じます。
潮  田
「今日は生理なんです」ということを、特に男性の監督や指導者には言いづらいですし、昨日できたことが今日はできない、ということがあると思うんです。それはスポーツだけではなく日常生活でも、生理が始まったことによってすごく変化すると思うんですけど、そこでかけられる言葉がすごく重要になってくると思うんですよね。「昨日はできたのに今日は何でできないんだ」と。でもそこで「今日は生理でコンディションが整っていない」ということを言えなかったり、我慢することが当たり前だったり…。でも、それは本当に違うんだよ、ということを伝えたいと思っています。