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第260回 森田豊さん

第260回 森田豊さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医師で医療ジャーナリストの森田豊さんです。おはようございます。
森  田
おはようございます。よろしくお願いいたします。
住  吉
春が戻ってきましたね。
森  田
そうですね。暖かくなってきましたね。
住  吉
そして、新生活がもうすぐ始まるという方は、もう準備していらっしゃると思います。
今日のテーマは、「春バテ」。「夏バテ」は聞いたことがありますが、「春バテ」という言葉は聞いたことがありませんでした。
森  田
最近言われている言葉なんです。暖かくなってきましたが、なんだか体がだるい、やる気が起きないなど、春に感じる体調不良を「春バテ」と呼ぶようになってきました。
寒暖差が主たる原因なんですが、それに加えて、年度が替わることによる生活環境の変化、そのストレスも原因と考えられています。
住  吉
そういう方は多いのでしょうか?
森  田
ある統計によりますと、20~50代男女の約6割以上が、この季節の変わり目、特に3~5月に身体の不調を訴えているとのことです。さらに、この時期、精神面での不調を訴えている人は、2人に1人もいるとのことなんです。
住  吉
具体的には、どのような症状が多いのでしょうか?
森  田
春バテの症状として報告されているのは、「疲労感やだるさを感じる」「気分が落ち込む」「イライラする」ということです。
住  吉
原因は、先ほどおっしゃったように「寒暖差」ですか?
森  田
まず1つ目の原因は、「寒暖差」です。寒暖差に身体が対応するために、自律神経のバランスが崩れてしまう、ということです。特に今は、昼と夜で10度以上気温差がありますから。 暖かくなることで、ブレーキやリラックスの自律神経である副交感神経が強く働くようになるので、それによって疲れやだるさが生じます。
2つ目の原因は、生活環境の変化による「ストレス」です。春は、卒業や入学、進学、転勤など、自分や家族の生活が大きく変化します。自分自身の環境の変化だけではなく、家族に生じる変化でも、ストレスと感じることが多いですよね。
以前、「五月病」と言われていたものが、最近4月に症状が出る方も多いので、春バテと同じような病気なのではないかと言われつつあります。
住  吉
どのような人が春バテになりやすいのでしょうか?
森  田
睡眠をしっかりとっていない人、ストレスを溜めこみやすい人、運動不足の人、寒暖差対策をしていない人です。
具体的に、5つのセルフチェックを作ってみました。住吉さん、そしてリスナーの皆さんは、いくつ当てはまるでしょうか。

①3月から4月にかけてバタバタしている
②新年度の生活で大きな変化がある
③湯船に浸からず、シャワーで済ませている
④外で飲めないので、家でだらだら飲んでしまう
⑤運動が嫌いで、休みの日は家でだらだら過ごす
住  吉
私は半分以下ですね。
森  田
素晴らしいですね。これは、当てはまるものが3個以上あると、春バテに陥りやすい、いわゆる自律神経のバランスを崩しやすい、と考えられています。
住  吉
春バテにならないための対策を教えてください。
森  田
何といっても、心と身体の疲労を改善するのは、「質のいい睡眠をとること」です。温めの38~40度のお風呂で15分ぐらいゆっくりと入浴をして、その後、ひんやりしたお布団で、深部体温を急激に下げることで、寝つきも良くなり、睡眠の質も高まります。
そして寝る前は、スマホの操作や飲酒を控えるようにすることが大切です。
住  吉
他にもありますか?
森  田
あとは、「目元を温めてリラックスすること」も推奨されています。目の周りには自律神経が集中しているので、ここを蒸しタオルなどで温めることで、神経の高ぶりを抑えることができると考えられています。
さらに、休日は昼ぐらいまで寝ていたりしますが、これはあまり良くなくて、寝だめも身体に良くないことがわかっています。ですので3つ目の対策は、休日もできるだけ朝に起きて「朝日を浴びること」です。自律神経の中でも、昼間は交感神経(アクセルの神経)、夜は副交感神経(ブレーキ、リラックスの神経)を働かせて、規則正しい生活をすることで、寒暖差や環境の変化に負けない強い自律神経を作ることができると考えられています。
住  吉
なるほど。
先ほど、“運動不足の人は春バテになりやすい”とおっしゃっていたので、きっと「運動」も大事なのですよね?
森  田
その通りです。自律神経のバランスを整えるために、最も大事なのは「適度な運動」と言っても過言ではないです。
だるいときや憂鬱なときは運動が億劫だということもわかりますが、激しい運動ではなく、軽めの運動で良いので、適度に動くことで自律神経が整うことが多いです。具体的には、日中、少し面倒なことをする。例えば、雑巾がけをしたり、調理をするときにかかとをあげてみたり、洗濯物を干すときにスクワットのような動きをしてみたり、ということです。
ただ、あまり頑張りすぎると、春バテがさらに悪化してしまうので、“適度”な運動が必要ということです。