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第268回 森田豊さん

住  吉
興味深いクエスチョンをありがとうございます。
ここからは、「トワレット問題」のお話です。「パートで人に対面するお仕事をしている。困っているのが『おトイレ問題』。いつ行ってもいいと言われてはいるものの、洗面所が離れた場所にあり、いつでも行けるわけでもない。『仕事前には飲食を控えめにしたほうがいい』など、何かいい方法があれば知りたい」という、リスナーからのメッセージをきっかけに、今日は「トワレット問題」について情報交換しています。
この問題について、医師の立場から思うことはありますか?
森  田
やはりトイレに行くのを我慢すると、膀胱炎になりやすくなりますね。膀胱の中は、だいたい体温ですから37度なんですよ。それで膀胱炎の原因は、大腸菌と言って、肛門周りにある菌が尿道に入って、その中で繁殖するんですが、たとえ少量の細菌であったとしても、37度は、すごくたくさん菌を増やす環境なんです。ですから我慢すればするほど、その中で細菌が増えてしまいます。
さりとて、水分を控えめにとるとなると、この季節、脱水になったりしますよね。室内でも熱中症になるので、なかなか難しいですね。
あと、膀胱炎の話ですが、今、洗浄機付きのトイレを使う方が多いですよね。激しい勢いの水圧で使うと、肛門周りの大腸菌を尿道に近づけてしまうんです。ですから、なるべくマイルドな水量で洗ったほうがいいかと思います。
住  吉
そうなのですか。では、膀胱炎は、だいたい大腸菌が原因だとわかっているのですね。
森  田
ほとんどがそうだと考えられています。
住  吉
ということは、やはり我慢しないほうがいいということになると思いますが、何か解決策はあるでしょうか?
森  田
仕事に入る前にトイレに行くことや、仕事中、水分は一気にたくさん飲まず、少しずつこまめに飲む。そして、利尿作用のあるカフェインはなるべく避ける、ということですね。
あとは、やはり職場の理解なのかなと思いますね。ですから、職場でトイレに関する会議をして、例えば、仕事をする場所がトイレから遠いところにある場合は少し場所を変えたり、あとは、困ったときには誰かに代わってもらうような体制を組んだり。ただ、職種によっては、例えばドライバーの方などは、なかなか難しいのかなとは思いますね。
住  吉
確かにそうですね。ドライバーの方は、自分で運転されているので、自己判断できちんと健康管理をしなければならないでしょうし…。
森  田
そうですね。早めに休んでトイレに行く、ということでしょうか。
住  吉
あとは、先ほど届いたメッセージに「6時間行けない雰囲気の職場」とあったのですが、やはり管理の方、言える立場の方がきちんとしないといけないですね。 それでは、ここからはリスナーの皆さんの健康の秘訣をご紹介します。

「リモートワークの間に5分だけ『体操の時間』を入れています!どこか隙間の5分で、1か所だけ念入りに動かしたり伸ばしたりします。今日はちょっといたい右肩だけ、とか 両耳だけぐいぐい動かしてみよう、とか(笑)でもこの隙間の5分、がとっても効果ある気がしています!」
森  田
素晴らしいですよね。ときどき体を動かすということで十分だと思います。
オーストラリアの研究で、1時間座り続けると寿命が22分短くなる、というものがあるんです。ですから、1時間以内に1回体を動かさなければいけないということです。特に、リモートワークが多くなってきましたから、血行をよくすることで、血栓症の予防だけではなく、精神的なリフレッシュにもつながります。
住  吉
では、私たちBlue Oceanを放送しているチームは、放送時間が2時間なので、1時間に1回立たなければいけないですね…!

「ニンテンドーの運動ゲームを毎週やってます!なかなか運動が続かなかったんだけど、案外ハマってしまい、キチンとルーティンになりました。楽しく続けられることが大事」
森  田
おっしゃる通りで、運動はつらかったり、つまらなかったりするとやめてしまうんです。楽しくできるということが継続性を生むのではないかなと思います。
最近読んだアメリカの学術誌によると、スーパーマリオを2か月にわたって1日30分以上プレイすると、記憶力が良くなるという研究結果が出ています。そういう意味でもとても良いのではないかなと思いますね。
住  吉
続いて…。

「朝ごはん前のウオーキングです。お腹すかせて朝食が美味しいです」
森  田
朝食を食べることはとても健康に良いです。最近の研究でも、朝食を除くと、その反動で残りの2食がドカ食いになる傾向があり、太りやすくなることがわかっています。あとは、朝食をとるのが週2回以下の人は、毎日食べる人に比べて、脳出血の危険性が36%高まるという報告もあります。
やはり朝食を食べることは、健康の基本なのかなと私は思いますね。
住  吉
やはり、自分の体調を知るということと、健康診断はとても大切ですよね。
森  田
その通りです。健康診断は、症状が出る前に病気を見つけることができるわけですから、早期の状態で病気を発見することができます。そうなると、治療で治すことができる場合が多いので、ぜひ受けていただきたいと思います。忘れてしまいやすいので、私は誕生月に受けるようにしています。
住  吉
なるほど。もっと自分のことを知ってもらうために、家族など大切な人に健診結果を伝えることも重要ですね。
森  田
そうですね。みんなで情報共有してもらいたいですね。
住  吉
森田先生のご著書『健康寿命を決める[70の選択肢]』には、「歯磨きでリスクが減る病気とは?」「花粉症と寿命は関係ある?」「脳梗塞を発症しやすい曜日は何曜日?」など、気になる項目がたくさんあります。扶桑社から発売中ですので、ぜひ手に取ってみてください。森田豊先生、ありがとうございました!
ここで、あなたの健康をサポートする協会けんぽ東京支部からのお知らせです。COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気をご存知ですか? 別名タバコ病とも言われ、長年の喫煙習慣によって肺の細胞が徐々に破壊される病気ですが、咳や息切れなど風邪に似た症状のため、放置してしまう人が少なくありません。喫煙歴が長く、慢性の咳にお悩みの方は、医療機関に相談してみてください。COPDに関して、詳しくは協会けんぽのホームページをご覧ください。
次回もどうぞお楽しみに!