文字サイズ

第272回 坂本美雨さん

第272回 坂本美雨さん

住 吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、坂本美雨さんです。おはようございます。
坂 本
おはようございます。
住 吉
今年デビュー25周年。おめでとうございます。
坂 本
ありがとうございます。
住 吉
坂本美雨さんは、TOKYO FM「ディアフレンズ」のパーソナリティ、そして、無類の猫好きです。
今日は、東京新聞につづっていらした素敵な子育てエッセイが1冊の本になった、ということでお招きしております。タイトルは『ただ、一緒に生きている』。これは、子育てのことを書き留めておきたい、という思いで?
坂 本
そうですね。東京新聞でそういう機会をいただいて、6年間つづってきたんですけれども、娘が小学校に入るぐらいで記録としてまとまればいいな、と思って書いてきました。連載のほうでは、「坂本美雨の子育て日記」というシンプルなタイトルだったんですけど、今回は1冊にまとまって『ただ、一緒に生きている』という。自分が書いてみて、その結論というか。
住 吉
一方的に育てているというより、ただ一緒に生きてきているな…という感じなのですね。
坂 本
そうなんです。
住 吉
学ぶこと、刺激を受けることも多いですか?
坂 本
そうですね。読んでいただいた方にはよく言われるんですけど、「“子育てエッセイ”と言いながら自分のことばかり書いているね」と(笑)。本当にそうで、「うちの子がこう育った」「こんなに大きくなった」「こんなにかわいい」ということではなくて、見ていたり、関わったりする中で、自分の本性がむきむきと出てきたんです。怒りとかも含めて。こんな人間が中に潜んでいたんだということを、めくられている感じ。教えられるというか、はがれていくというか。
住 吉
でも実はすごく健全ですよね。他者と触れ合うと新しい自分が出てきて、それを発見したり、相手を見て、また自分のことを思ったり、反省したり、色々と考えたり…。子育てを通して、人として全うで健全なことをしているのだなと、まず読んで思いましたし、おそらく、そのことをしたからこの部分が書けたのかな…と思う、書き下ろしのパートもあります。そこでは、美雨さんご自身の生い立ちや育った環境のことが、結構な赤裸々ぶりで書かれていて…。お父さんの坂本龍一さんやお母さんの矢野顕子さん、兄弟のことを書いていらっしゃいます。こんなに赤裸々に書くのは初めてですか?
坂 本
インタビューではお答えしていたこともあったんですけど、自分からしっかり書くのは初めてです。
住 吉
私も初めて知ることばかりで、「こんなに兄弟がいらしたのか」「お父さんにこのように告げられたのか」など…。
坂 本
そうなんですよ。両親とも現役でそれぞれが活躍しているので、私のプライベートだからといって勝手に色々と書くことはできなくて、その辺は許可をもらいました。「書きたいんだけど…」と言ったら、「自由に書いていいよ」と言ってくれていたし、向こうもこれまで自分の口で言っていたこともあったので。
住 吉
例えば矢野顕子さんは、この本の原稿を読んで感想を言ってくれましたか?
坂 本
そうなんですよ。アルバムを出しても、感想を言ったり、褒めたりすることは絶対にない人なんですけど、LINEで「よく書けているじゃん」と。
住 吉
すごい!
坂 本
私はもう40歳を過ぎているんですけど、母に褒められること…褒めるまでいかないですけど、「よく書けているじゃん」という一言ですら、びっくりしてしまって。ほっとしましたね。何歳になっても、母に認めてもらうということは嬉しいんだなと。
住 吉
きっと読む人にも、色々と感じるところや共感するところがあると思いますが、美雨さんの人生にとっても大事な本になっていますね。
坂 本
参考になったりはしないと思うんですけどね(笑)。
住 吉
子育て的に、ということですか?
坂 本
そうです。役には立たないけど、こんな家族もいる、ということは書き残しておきたかったんですよね。
住 吉
4月にリリースされた『かぞくのうた』。2018年の曲をリアレンジして、再びレコーディングされたものですが、娘さんとのことで思ったことが歌詞になっているのでしょうか?
坂 本
そうですね、私の娘を見ていても思うし、母を見ていても思うし、今この3世代の真ん中になったからこそ思うことでもあります。あとは世代的に、親を看取ったり、病気と向き合ったりする年代になってきて、友人たちを見ていても、本当に仲が良さそうに見えても、色々あるなと。どんな親子も色々なことがあるし、色々なことを乗り越えてきている。当たり前のことなんですけど、「みんな別々の人間だな…」と改めて身にしみて、書きました。