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第281回 井下香苗さん

第281回 井下香苗さん

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住 吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、宝島社の月刊誌『GLOW』の編集長、井下香苗さんです。おはようございます。
井 下
おはようございます。今日はよろしくお願いします。
住 吉
よろしくお願いします。
実は2022年度、私、住吉は朝日新聞とGLOWが取り組む「Aging Gracefully(エイジンググレイスフリー)」というプロジェクトのアンバサダーを務めています。
この「Aging Gracefully」について、改めて教えてください。
井 下
はい。Aging Gracefullyプロジェクトは、2018年にスタートして今年5年目を迎えた、40代・50代の女性の生き方を応援するプロジェクトです。「Aging Gracefully」とは、“優雅に年齢を重ねる”という意味で、加齢に抗わず、自分を受け入れると共に、色々なことから自分を解放して、よりよく生きていこう、というメッセージを込めています。
住 吉
こういうことを発信していくことが今社会で求められている、と井下さんも感じて立ち上げたのですか?
井 下
GLOWは元々40代を対象にしていて、“年齢にとらわれずに自分らしく生きていこう”というコンセプトで創刊した雑誌なんですけれども、そのコンセプトと朝日新聞社さんの“女性を支援する”という部分が一致したので、プロジェクトを立ち上げました。
住 吉
プロジェクトを通してわかってきた、40代・50代が感じていることや共通の悩みは、どのようなことでしょうか?
井 下
このプロジェクトに関わるまでは、年齢を重ねることに対して、私自身はマイナスなイメージを持っていなかったんですけれども、実際に関わってみて、身体の変化や不調、心の変化など、今までとは違うことで起きるお悩みというか、そういうシーンが増えている人が多いんだなということを知りました。
住 吉
20代・30代は無理がきくし、とにかく日々わーっと走ってきましたが、40代・50代になると疲れを感じたり、更年期障害が出てくる方もいたり、ただただ伸びしろを感じて走るという奮起がなくなってきますよね。
井 下
そうですね。そういう意味で振り返ってみると、若い頃は「まだまだ」「もっともっと」という感じで、「この先、どうなるんだろう」というわくわく感みたいなものもあったかもしれないですけれども、40代・50代になってくると、自分で「こんなものかな」というところも見えてきたりして。そこで一旦立ち止まって考える、ということも増えてくるのかなと感じています。
住 吉
そうですよね。そういう意味では、体調のことや家族の変化、親のこと、そうした未来のことなどが気になり始める世代なのかなと思います。実は、10月号の『GLOW』に掲載される「Aging Gracefully」のページで、私、住吉がGLOW読者の皆さんのお悩み相談にお答えしています。来週8月26日(金)発売です。
「タイムマネジメント」「将来の不安」「親の終活」など、色々な悩みがありましたが、今日は…「対人関係でついイライラしてしまいがちです。身勝手な言動をする人がいると殺意すら感じてしまいます。どうしたらいいでしょう?」という、GLOW読者の感じていることをBlue Oceanリスナーともシェアしています。
ここからは、Blue Oceanリスナーが感じている「ちっちゃなイライラ」もご紹介します。

「両親と実家で生活しているんですが、何かあるたびに2人とも『あれ』『それ』『これ』と、名詞を言わずに話していくことに、ぷちイラっとします。例えば、『お醤油を取って』と言いたいときも、『あれ取って、あれ』と言って、肝心の『あれ』が何なのかわからず、会話が成立しません。もっとスムーズに話したいです」
住 吉
井下さん、こちらはどうですか?
井 下
きっと、ご両親のほうがいわゆるAging Gracefully世代ですよね。
住 吉
そうかもしれないですね。
井 下
本当あるあるです。もっとプロになると、それで伝わってしまうことがありますからね。「あれね」「あれだよね」と(笑)。
住 吉
プロ同士で(笑)。常に一緒に暮らしていると、「だいたいこのタイミングで言う『あれ』はあれのことだな」とわかってくるかもしれないですね。少しイラっとするかもしれませんが、おおらかに見てあげてほしいなと思います。
もう1つご紹介します。

「先日、職場に新しい方が異動してきました。その方が、挨拶を返してくれません。仕事で直接の関わりがないので、まあ困ることもないんですが、なんだかモヤモヤします。モヤモヤする自分にも『器が小せえなあ』とまたモヤモヤします。でかい人間になりたい」
住 吉
井下さん、こちらはどうですか?
井 下
もしかしたらまだ緊張しているのかな…。
住 吉
そうかもしれないですね。
井 下
確かに、「イライラする自分にまたイライラする」ということはありますよね。
住 吉
両方わかりますね。私も、昔はイライラしていたことでも、自分が色々と経験を重ねると、だんだん想像力もプラスされて、まさに井下さんがおっしゃったように、「緊張しているのかも…」とか、相手がどうして挨拶を返さないのか、色々な可能性を考えるようになりました。例えば、性格的にものすごく緊張しいだったり、すごく人見知りだったりして、笑顔すら恥ずかしいのかもしれない、とか。そう思うと、イライラするタイミングが少し減りますよね。
井 下
そうですよね。
住 吉
社会には色々な人がいる、と。
井 下
でも、せっかくこちらが挨拶しているのに返してくれないイライラというのはわかりますよね。