第296回 真飛聖さん
- 住 吉
- 住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、俳優の真飛聖さんです。おはようございます。
- 真 飛
- おはようございます。
- 住 吉
- 宝塚の男役スターとして人気を集め、現在は俳優として、映画、ドラマ、舞台などで活躍されています。
真飛さんとは先日、宝島社の雑誌『GLOW』と朝日新聞のプロジェクト「Aging Gracefully」のイベントでもご一緒しました。
私も真飛さんも共に40代ということで、今日はリスナーの皆さんに「40代、いま悩んでいること」について伺っています。
真飛さんは、40代の今、悩んでいることや感じていることはありますか? - 真 飛
- もう体がへとへと…(笑)。寝てはいるんですよ。でも起きたら、「私、睡眠とった?」みたいな。寝たらまた体力が復活するのではないかなと思うんですけど、そのままなんです。
- 住 吉
- わかります…!
あと、同じことをしても何倍も疲れたり、取れるはずの疲れが何日も取れなかったり…。 - 真 飛
- そうなんですよ。あと、脳もへとへとというか…。だから全部かな。体と心と脳のバランスがはちゃめちゃになっています。
- 住 吉
- 具体的に、最近そう感じたことがあったのですか?
- 真 飛
- 役者人生を25~6年していて、台詞を覚える時間は結構ずっとあったんですけど、ここのところ何作か重なっていたりして。そうなると、一言台詞のはずなのに一言台詞のほうがわからなくなってきたり、覚えたはずなのに現場に行ったら「……何だっけ?」となったり。前は普通のことだったのに…歳のせいにしたらいけないのかな?
- 住 吉
- でも、すごくポジティブな解釈をすると…私が感じているのは、40代は色々なところから頼られるんだなと。家からも知人からも、あとは社会からも。特に女性だと、“女性活躍”というようなことの代表として必要とされたり。多種多様な方々から頼られると、同時に10種類ぐらいのことを考えなければならなくて…。前は、与えられた1つの仕事に没頭できていましたが、おそらく真飛さんも、今、色々なお仕事が重なって、多種多様な場面で頼られて、10種類ぐらいのことを考えているので、忘れっぽいとか疲れだけではない気がします。
- 真 飛
- そうなのか…。でも、その時々に一生懸命なので、自分の中では不満だとか嫌だということはなくて、楽しんでやっているんですよ。楽しいのに、できなかったり、忘れたり、自分がへとへとになっていると、悔しくなって…!
- 住 吉
- わかります!「もう少しできたのに…」と。リスナーの皆さんの「わかる!」の大合唱が聞こえてくる気がします。
せっかくなので、真飛さんにリスナーの皆さんのメッセージも聴いていただきます。
「小学校高学年、中学年、2児の母です。子供の頃は親のため、親になったら我が子のため、常に生活が誰かのためで、自分の人生を生きているという実感が乏しい。最近、親族や知人、友人で亡くなる方々が増えてきて、なおさら、自分の人生って何だろう…みたいな虚しさが心にこびりついています。もう今さら前向きにならなくてもいいので、生きている実感とか手ごたえが欲しいです」
(埼玉県・まりまりさん) - 住 吉
- どう思いますか?
- 真 飛
- 私は母ではないのでちょっと違いますけど、“誰かのために”というのはすごく素敵なことというか。子供とか、その相手からしたら、まりまりさんは唯一無二の存在なわけじゃないですか。だから、子供からしても宝物だし、まりまりさんからしてもその子供たちは宝物で。その相手に捧げる時間というのも、ものすごくかけがえのない時間だと思うんですよね。今は忙しくて、これは自分のためではないのではないかと思うけど、その時間はいつか幸せな思い出に変わって、まりまりさんにとってかけがえのない宝物だったんだと思えるときが来るので、誰かのためにというよりは、自分のために、自分がその愛する人のために捧げている時間だなと思います。
- 住 吉
- 捧げてきたんだ、と思えば…。でもそうかもしれない。少しずつ歩みながら、「このためだったのか!」と思うタイミングを待つ。素敵な考え方ですね。
もう1通ご紹介します。
「どんな洋服を着たらいいか、めちゃくちゃ悩みます。年相応の着こなし方が難しい。20代の頃からモノトーンのコーデが好きなんですが、最近はさりげなくビビットカラーを取り入れてみると、何となく気分が上がる。気持ちも上がるのですが、ちょっと派手かなと感じたり。今は着心地重視で選ぶことが多くなりました」
(埼玉県・りみさん) - 住 吉
- Twitterでも共感の声があって、「前に似合っていたものを着ると、顔だけ老けて見える」というツイートがありました。
- 真 飛
- わかる…!張り切っちゃった感とかね。ありますよね。
- 住 吉
- ファッションに関してはどのように対応していっていますか?
- 真 飛
- 私もそう思っていたんですけど、34歳で宝塚をやめて、20年ぶりぐらいにスカートを履きだしたんですよ。だから、自分が着たかった10代の頃のかわいいスカートとのギャップ…。自分は16歳から止まっているわけですよ。だけど、34歳でいざ着たら、「なんだこれ!」となって。でもあるとき、「自分がそれを着たいんだったら、着たらいいんじゃない?」と言われて、「あ、そうなんだ!」と思って、自分が好むものを着るようにはしています。鏡で見ても違和感はあるけど、「着たいんだったらいいじゃん!」という勇気を持つことにはしていますね。